アニメ監督・北久保弘之氏が語る「イマジナリーライン基礎講座」

北久保弘之による『イマジナリーライン含むカメラワークと絵コンテ基礎中の基礎講座』 第一回。 第二回が来たら追加しようと思って非公開にしてたら2回目は2ヵ月後だったというオチw 続きを読む
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佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

まぁ、シュレックは置いといて。こんばんは、北久保です。予告通り今夜はイマジナリーライン含むカメラワークと絵コンテ基礎中の基礎講座なう。えー、昨日からTLにイマジナリーラインっつー言葉が何度も出て来て、まぁ、ググっても解らん事も有る。ついでなので絵コンテ基礎中の基礎にも触れてミル。

2010-12-10 21:35:37
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

でだ、最初に言っておくが本来ならば学ぶ順番は逆になるのだが、最初にイマジナリーラインっつー言葉を簡っー単に説明する。酷く乱暴な説明するが許せ。イマジナリーラインとは日本語にすると「視軸」とか「視軸の関係」などと呼ばれるモノです。んじゃ説明。ココに登場人物AとBの二人が居るとする。

2010-12-10 21:42:48
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

登場人物AとB。どちらがどっちに立ってても構わんのだが、とりあえず便宜上Aが右側、Bが左側に立ってるとする。この二人がお互いの眼を見つめ合うとする。二人の視線 ←コレって「視軸」になる訳です。イマジナリーラインとはこういう空間上に存在する視軸の線を指す場合が一番解り易い。

2010-12-10 21:51:56
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

この「視軸」というのは別にアニメーションに限る話じゃ無くて実写映画TVドラマ漫画などなど、「絵が(実写含む)存在する創作劇」に使われる一種の法則の事。多分、起源は古代ローマか古代ギリシャ迄 遡ります。その通り、元々、イマジナリーラインとは舞台劇から発生した概念です。

2010-12-10 21:57:33
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

さっきの登場人物AとBの二人は「舞台の壇上」に立ってるとする。舞台劇というモノにはある物理法則が存在します。それは「お客さんは「舞台の壇上」を越えて向こう側から芝居を観る事は出来無い」という極、当たり前の事です。そりゃそーだ、お客さんが勝手に舞台に登って客席の反対側から観る事は×

2010-12-10 22:03:34
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

でだ、イマジナリーラインとは「お客さんは一方向から芝居を観る事しか出来無い」つー法則に則ったモンです。登場人物AとBはそれぞれ右側と左側に別れて立ってる。もし、この二人の位置関係が一瞬で左右 逆に入れ替わったら、客席から芝居を観ているお客さんは「エーッ⁉ ナ、何が起こったんだ⁈」

2010-12-10 22:09:07
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

と、多分パニクるハズです。だって右に居たAが左に、左に居たBが右に入れ替わったら大混乱です。舞台劇はマジシャンのトリックショーじゃ無いので、この二人の位置関係を入れ替えたいならばAが左にBが右に歩くか走るかしない限り方法は有りません。この「観客が自由に越えられない視軸線」←コレ。

2010-12-10 22:16:14
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

ぶっちゃけ、コレがイマジナリーラインの概念です。しかし、時代は進み記録媒体が産み出され実写映画が登場するとこの「視軸線」が曖昧になる。だってカメラは撮りたい場所から好きに撮れちゃうモン。デモね、好きなトコから好きに撮った映像を繋げて観るとこりゃビックリ!繋がんない!大混乱です。

2010-12-10 22:22:22
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

ココでモンげー解り易い例を上げると例えば「自動車が画面右側から左側に走って近づいて来る」というカットが有るとする。この自動車が走り去る様に観せる為には、次のカットは必ず「自動車が画面右側から左側に走って遠ざかる」っつー繋ぎになる訳です。これが逆に次カットで「自動車が画面左側から~

2010-12-10 22:31:55
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

画面左側から右側に走って遠ざかる」っつー繋ぎになると、観ているお客さんは「ウワッ⁉ 自動車がぶつかってるジャマイカ⁉」という感覚に襲われます。猿でも解る様に説明すると例えば「紙に右から左に線を引く」とする。もし、この行為に続きが有るとすると、次に引かれる線も「右から左」にしないと

2010-12-10 22:38:25
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

最初に引いた右から左の線と、次に引いた左から右の線は「ぶつかる」訳です。うーむ、みんな、ついて来てる?要するに、イマジナリーラインとは「お客さんは「自分の好きな位置から観る事」は(基本的に技を使わなければ)不可能だ」っつー法則です。今説明したのは最も解り易いシンプルな例です。

2010-12-10 22:44:14
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

コレってモンげー解り易い例ネ。実際にはもっと複雑怪奇にこんがらがります。何でかって?そりゃ画面に登場する人物(及び方向性の有る運動をする物体)は「二人とは限らない」から。登場する人物が増えれば増える程、視軸線はもーぐっちゃぐっちゃに入り乱れる訳です。コレって特に時間軸を持つ映像~

2010-12-10 22:54:40
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

映像媒体に発生する問題な訳で。その点、厳密に言うと「漫画にもイマジナリーラインは存在します」が、実際は漫画の視軸線はかなりユルユルです。何故か?と言うと「漫画は視軸線よりも「コマ割りと台詞が猪木イヤ命」だから」です。こーゆー事の例に上げるのはチョット失礼ですが例えば福本伸行先生!

2010-12-10 23:00:45
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

福本伸行先生の漫画の特徴は「絵ヂカラじゃ無くて台詞で観せる」っつーストーリーテリングに力点が有る訳です。加えて言うと、漫画は「読者が「納得出来る迄自由に読める」時間の主導権を持つ」媒体だから、当然、時間軸を持つ映像媒体とは読解力に差が有る訳です。ココ迄OK?つー訳で映像を撮る作家

2010-12-10 23:09:14
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

作家達には、この「視軸線」上に無茶はしちゃいけない訳です。お客さんがこんがらがるから。しかし、イマジナリーラインっつー法則は「基本法則」で、物理科学的な絶対法則では無いという事。例えば「光速度不変の定数」とか「重力定数」みたいな絶対法則じゃ無いんです。技とか人物感情とか使うと~

2010-12-10 23:18:53
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

このイマジナリーラインは越える事は「可能です」。だからフォロワーさん達も「イマジナリーラインを越えてるから「ミスだ!」という捉え方は「間違い」です」。少し舞台劇の話をすると「舞台には「上手」と「下手」が有る」という捉え方が一般的です。人物の流れは上手から下手へ動かすのが基本です。

2010-12-10 23:28:00
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

しかしあくまでそれは基本であって、コレも例を上げると「舞台劇の上手と下手の基本法則を(一見、否定してる様に観える)裏切っている吉本新喜劇」が有る訳です。吉本新喜劇では良く使われている「登場人物が現れるのは舞台の下手から」になって居る事に気付くでしょう。前衛芸術にも当てはまります。

2010-12-10 23:36:54
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

うーん、何かココ迄書いてて、業界人「以外の人達」にも解る様に説明すると結構 大変ダゾ?駄目ジャマイカ俺!つー訳で、チョット今晩中に絵コンテまで説明するのは無理でつ。ギブ。えー、とりあえずこの先も書きますが、トゥギャるのは明日迄待っててちゃぶだい。じゃ、例えばドーヤッテ視軸線を~

2010-12-10 23:47:17
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

そうです。基本、観客の感情線は上手と下手を受動的に捉えます。→RT @iimenmasako: .@LawofGreen 舞台の「上手」が右側で、「下手」が左側ですよね。役者は上手から登場するのが自然。先ほどの「自転車」の例も、東京から京都へ出掛ける「新幹線」も、右側から

2010-12-10 23:50:25
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

アーもー待ってろっちゅーの。書くスピードが追いつかんダケだ。チャンと説明するヨ。→RT @toshiharumurata: @LawofGreen 確か欧米の上手、下手って日本とは逆なんじゃなかったんでは。理由は英文は左から読むので。日本語は縦書きの場合右から読みますからね。

2010-12-11 00:14:43
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

で、他人の作品を例に上げると色々ゴニョゴニョなのでライン越えの説明にコレ観てくれ。→RT iPadユーザーの為のiPadで観れる →ロボットカーニバルより 明治からくり文明奇譚 -音声修正版- ‐ ニコニコ動画(原宿): http://bit.ly/cEB0t9

2010-12-11 00:50:25
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

さてさて、この明治からくり の中で、明確にイマジナリーライン越え(っつーか、厳密には越えちゃいないのだが)視軸関係を「崩している(崩れている、では無い。確信犯)」部分が2箇所有る。5分~6分で、主人公 駒形三吉が大丸と孟宗竹で出来た花火筒を撃つシーンだ。三吉が命令する時は上手~

2010-12-11 01:39:17
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

三吉は上手(右側)だが、別シーンの挿入無しに花火筒を撃つカットでは三吉が画面左側に居る。さてさて、このカット繋ぎで「違和感」を抱いた人は何人いらっしゃるだろーか?まずコレはお客さんはスルーしてる。何故か?三吉が命令する時は上手(右側)、コレは攻める人物の配置だ。点火時は下手。~

2010-12-11 02:14:03
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

これは大丸が右利きとすると花火筒は身体右に構えるハズ。すると三吉は大丸にカブって火種を着けなきゃならん。絵として凄え間抜けな構図。そこは「(実際には行ってない)編集段階で段取りは省きました」という捉え方で視軸関係を意図的に入れ替えました。とりあえず今夜はココ迄!後は明日、チャオ!

2010-12-11 02:41:59

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