ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#6

(これまでのあらすじ:アデプト昇格とともに異動を知らされたリフレックスとベリジェレント。彼らはランチハンドの部下である女ニンジャ『ディプレッション』とともに、アッパーガイオンの警備チームを組むことになったのだった)
1
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

くすくすと思い出し笑いを始めたディプレッションを前に、リフレックスはベリジェレントと目を合わせる。彼女はただ肩を竦めただけだ。「それで?そのアプレンディスってのはどんな奴なんだよ、ディー」「説明するよりも直接会う方がハヤイです。そろそろ来る頃合い」65 #4215tk

2015-02-04 21:19:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

KNOCK KNOCK!ディプレッションの言葉が終わるとほぼ同時。玄関のドアを叩く者あり!「来たか」リフレックスが表情を引き締める。あまりだらしないところを見せるわけにはいかない!「オレが開けてくる」ベリジェレントが席から立った。「どんな奴か見てきてやるぜ」66 #4215tk

2015-02-04 21:22:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「今開けるぞ!」悪戯っぽい笑みを浮かべたベリジェレントは、小走りで玄関へと向かっていく。リフレックスはその場で待機する。やがて、解錠の音とドアを開ける軋みが聞こえてきた。「ハイ、ドーモ……ウオッ!?」そしてベリジェレントの驚愕の声。67 #4215tk

2015-02-04 21:25:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは一瞬ディプレッションと顔を見合わせてから、玄関へと向かう。ベリジェレントが驚くとは相当のことだ。「あ」そして来客の姿を見て納得する。「……ドーモ」身をかがめてアイサツしてきたのは、キョート城で遭遇した死人めいたニンジャ、イルネスであった。68 #4215tk

2015-02-04 21:28:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「な、なんだ?知り合いかよ、リフ」慌てて後退してきたベリジェレントに、リフレックスは頷いて見せる。そしてのっそりと部屋に入ってきたイルネスを見上げた。「前に少しな。アプレンディス……だったのか」「スイマセン」「いや、謝らなくてもいいが……」69 #4215tk

2015-02-04 21:31:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは思わず腕組みする。見た目の不気味さに騙されていた形になるか。無論、こちらの勝手な勘違いでありイルネスに非はない。「どうかしましたか」後ろから歩いてきたディプレッションが、同じくイルネスを見上げてわずかに目を丸くした。「あらまあ」70 #4215tk

2015-02-04 21:34:36
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

それでも彼女は冷静だった。「……ドーモ、イルネス=サン。ディプレッションです。こちらはリフレックス=サンとベリジェレント=サン」アイサツしたディプレッションに釣られ、リフレックスらもまたオジギする。「ドーモ。イルネスです」アプレンディスもアイサツを返した。71 #4215tk

2015-02-04 21:37:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……リビングに戻った一行は、イルネスを加え机を囲んでいた。「さて。今後は私があなたのメンターということになります。イルネス=サン」「ハイ」ゆっくりとイルネスが頷く。椅子に座ってもその長身は目立つ。「前のメンター……ランチハンド=サンからはどのような指導を?」72 #4215tk

2015-02-04 21:40:22
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ジツの制御を、中心に」「ジツ。成る程」ディプレッションが口元に手を当て塾考の姿勢に入る。「どんなジツ使うんだ、お前」肘をついたベリジェレントがイルネスに訊いた。「エヤミ・ジツを、少々」「エヤミ……?ふぅん」彼女は興味なさげに鼻を鳴らす。73 #4215tk

2015-02-04 21:45:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスはベリジェレントの対応に眉をひそめる。彼女のキリングフィールド・ジツの前では、他のジツは機能を果たさない。だからこその態度なのだろうが……「質問しておいてそれはシツレイじゃないか、ベル」「アァ?」ベリジェレントが鬱陶しげに唸った。74 #4215tk

2015-02-04 21:50:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アプレンディスの前ですよ、二人とも」目を開いたディプレッションが嗜める。リフレックスは仕方なく身を引いた。ベリジェレントもわずかに顔をしかめる。しかし、これ以上事を荒げるつもりはないようだった。「よろしい。ではイルネス=サン。今後の方針ですが」75 #4215tk

2015-02-04 21:55:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ハイ」ディプレッションに視線を向けられたイルネスが、緊張で身を硬くする。ディプレッションが続ける。「ひとまずは我々とともにアッパーガイオン巡回の任務に当たってもらいます」「ハイ」「そして、カラテ鍛錬ですね」「カラテ、ですか」イルネスは戸惑ったように呟く。76 #4215tk

2015-02-04 22:00:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ええ、カラテです」ディプレッションは平然と頷いた。「いかに強力なジツを持っていようと、カラテがなくば意味がありません。ジツ頼りでは」と、ここで彼女はベリジェレントへと視線を向けた。「相手によっては成す術もなく殺されるのみですから」77 #4215tk

2015-02-04 22:05:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「巡回ミッション終了後にトレーニングの時間を設けます。まずは木人トレーニングから始めましょう」「ハイ」身を強張らせたイルネスが、慌てたように頷く。ディプレッションは微笑んだ。「幸い、そこの二人はカラテ巧者です。カラテに関しては教えを仰げるでしょう」78 #4215tk

2015-02-04 22:10:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「まァ、そうだな!みっちり鍛えてやる!」ベリジェレントが獰猛に笑う。イルネスが怯えたように身を引いた。「そう怖がらせるなよ、ベル。……アー、あれだ。基礎からやれば問題無い。重要なのはインストラクションの習得と実践だ」リフレックスは言った。紛れもない本心だ。79 #4215tk

2015-02-04 22:15:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「しかし、リフレックス=サンには肩身の狭い思いをさせてしまいますね」不意にそう言ったディプレッションに、リフレックスは訝しげな顔を向けた。「ナンデ?」「ナンデとは……いえ、まさかここまで女性の多いチームになるとは思いませんでしたから」80 #4215tk

2015-02-04 22:18:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは首を傾げる。女が二人に、男が二人。バランスのとれたチーム編成ではないか?……彼の表情から何かを察したのだろう。ディプレッションが苦笑した。「あのですね、リフレックス=サン。よく聞いてください」「おう」「イルネス=サンは、女性です」81 #4215tk

2015-02-04 22:21:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは反射的にイルネスを見た。そしてディプレッションの言葉の意味を咀嚼した。女。「……エッ!?」彼は思わず頓狂な声を上げてイルネスを二度見!「ス、スイマセン……」「イルネス=サン、そこは怒っていいところですよ」謝るイルネスにディプレッションが言った。82 #4215tk

2015-02-04 22:24:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そ、その通りだな。これは俺が謝るとこだ。スマン」リフレックスは慌てて頭を下げて謝罪。その長身と平坦な胸のために、完全に男と勘違いしていたのである。「いえ、その。気にしてないです。よく間違えられてたので」イルネスがあたふたと手を動かした。83 #4215tk

2015-02-04 22:27:24
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「お前、オレと初めて会った時にも同じような勘違いしてたろ」ベリジェレントが半眼でリフレックスを睨む。「覚えてんだからな、オレは!」「わ、悪かったよ……」リフレックスは辟易する。まさかこの場でそれを掘り返されるとは露にも思っていなかったのだ。84 #4215tk

2015-02-04 22:30:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「けど、何食ったらそんなに背ェ高くなるんだ?」ベリジェレントは視線を転じてイルネスを見上げる。イルネスは困ったように首を傾げるだけだった。「食生活だけでそこまで成長できるなら、是非伺いたいところですが」ディプレッションの言葉は、いくらか真に迫っている。85 #4215tk

2015-02-04 22:33:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「まあそれは後で聞くとしましょう。イルネス=サン、個室に荷物を置いてきてください」ディプレッションがきびきびと指示を飛ばす。そして彼女はリフレックスらを見やった。「イルネス=サンの準備が終わり次第、巡回です。いいですね」「「ハイ」」86 #4215tk

2015-02-04 22:36:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……イルネスの手を引いて個室へと案内するディプレッションを見送りながら、リフレックスは溜息をついた。妙な縁が妙なところで交差したものだ!「何ボケっとしてんだよ、リフ」ベリジェレントが呆れる。「お前、ああいうのが好みなのか?」「は!?」87 #4215tk

2015-02-04 22:39:35
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

思いもよらぬ言葉にリフレックスは狼狽する。「そんなんじゃないぞ!なんだ急に」「別に?でもお前、変にネンコ重点したらそのボール叩き潰すからな」「しねえよ!」その狼狽えぶりがツボに入ったか、ベリジェレントがニヤリと笑った。「あっそ」88 #4215tk

2015-02-04 22:42:37
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「と……とにかく!俺も少し準備してくるからな!」言い捨てたリフレックスは自分の個室へと足早に向かう。背中にベリジェレントのからかうような視線が突き刺さった。(((調子狂うな、まったく!)))彼は内心で嘆いた。今日の巡回はどうなることやら。89 #4215tk

2015-02-04 22:45:27
前へ 1 ・・ 3 4 次へ