後のピノコである。「テラトーマ」   ~STAP細胞よもやま話~

日経サイエンス3月号発売記念まとめ第3弾。 引き続き、縞うさぎさんこと詫摩雅子さん@shima_usa96とお馴染みY Tambeさんが解説してくださいました。 お題は「テラトーマ」。 「腫瘍」のことみたいなのですが、これがSTAP細胞とどう関係するんでしょうか。
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縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 絵の上手さとか、文字の書き方とか、表現の仕方とか、そのあたりはどうでも良いとしたとしても、それでも看過できない記載があった。

2015-02-03 00:57:56
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 論文には生後4週齢のマウスにSTAP細胞を10の7乗個(1000万個)移植したと書いてあります。ですが、ノートの記載は12/27入荷(6W)とあり、6Wは生後6週齢の意味と考えるのが妥当です。さらに、12/27に10の5乗個ずつ移植、とある。全然、違う。

2015-02-03 01:02:49
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 取り出したのは移植から4週間後の1/24(あれ、6週間後って論文には……)。「真正の写真」を撮ったのは6月9日(なんで、5カ月も放置するの??) すさまじかったです。あのノートの破壊力は。あれを調査委ではなく、弁護士さんが出してきたのがとても不気味でした。

2015-02-03 01:09:39
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 STAP論文でのテラトーマは、最後まで話題提供をしてくれました。小保方さんの研究室には、あのテラトーマ切片のスライドグラス(顕微鏡のプレパラート)やパラフィンの中に保存されていた実験サンプルが残っていたのですが(それを探し出した方々もすごい)

2015-02-03 01:18:31
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 その残っている組織から、細胞のDNAを取り出し、何の細胞だったかを突き止めています。ここで、論文に書かれていたのとは違う細胞が使われていたことがわかるのですが、さらにすごいこともわかってしまった。

2015-02-03 01:20:13

「緑に光る細胞」

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 論文では、あのテラトーマはOct4という遺伝子が働いている状態のときだけ、緑に光る細胞が使われていました。ところが、実際に細胞のDNAを調べたら、どんなときでも光る細胞が使われていた。しかも、特定のES細胞と同じ細胞だった可能性が高い。

2015-02-03 01:22:35
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 この実験の場合、どんな状態のときに光る細胞が使われたかは、あまり問題になりません(テラトーマができていれば、それで多能性の証明になりますから)。それよりも、「実際にはSTAP細胞ではなくES細胞が使われていた」という結論が非常に重要です。

2015-02-03 01:25:02
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 ただ、使った細胞が「つねに緑に光る」だったことが、別の意味を持ちました。「緑に光る」とは「その細胞で緑の蛍光タンパク質が作られている」ことを意味します。論文の記載どおりであれば、Oct4遺伝子が働く状態のときだけ、緑のタンパク質が作られます。

2015-02-03 01:28:20
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 ですが、実際には「つねに光る」細胞だったので、つねに緑の蛍光タンパク質を作っている。つまり、あのテラトーマ組織(6枚組の写真の上の3枚と、補足に使われている写真3枚のもとになった組織。博士論文からの流用写真3枚は別)は緑のタンパク質を含んでいるはずなのです。

2015-02-03 01:31:48
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 桂勲先生が委員長を務めた不正調査委員会の年末の報告書によれば、実際に、そのテラトーマ組織から、緑に光るタンパク質が検出できたそうです。ただし、「分化しすぎではないの?」と言われた2枚は、緑のタンパク質を含んでいなかった。

2015-02-03 01:34:02
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 調査委は、テラトーマ実験でSTAP細胞(実はES細胞)を移植されたマウスの組織だろう、としています。実験ノートによれば、6週齢のマウスに移植して4週間後に取り出し、論文では数字が逆ですが、どちらも合計10週。おとなの組織で不思議ではありません。

2015-02-03 01:37:29
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 前足や後足の皮下、精巣に移植したはずのに、どうして腹腔にあるはずの小腸や膵臓が入り込むんだ?!って、まぁツッコミ満載ですが……。(書き忘れていましたが、「分化しすぎ」と指摘された組織は、小腸上皮と膵臓でした)

2015-02-03 01:39:39
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 私が個人的に面白いなぁと思ったのは、もし論文の記載通りにOct4遺伝子が働いたときにだけで光る細胞を使っていたら、この事実はわからなかったはずだということなのです(そして、小保方さんの冷凍庫にはOct4遺伝子で光るES細胞もあったんです)。

2015-02-03 01:42:15
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 ES細胞だったとしても、いつも光るタイプではなく、Oct4遺伝子が働くときだけ光るタイプの細胞が使われていたら、どうなったか? テラトーマになるということは、細胞がいろいろなタイプの細胞に分化するということです。そして、分化した細胞ではOct4は働かない。

2015-02-03 01:44:22
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 もし、使われたのがOct4遺伝子で光るES細胞(STAP幹細胞GLSの正体)だったら、テラトーマに緑のタンパク質がないのは当たり前になります。だけれど使われたのは、つねに緑に光るほうのES細胞だった。これだと、テラトーマに緑のタンパク質があるはずとなる。

2015-02-03 01:48:21
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 なのに、緑のタンパク質がない組織があった(小腸とか膵臓とか) → それは、移植した細胞から分化したものではない、と結論づけることができる。 ちょっとややこしいですが、こういう図式だったのです。

2015-02-03 01:50:42
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 STAP細胞の疑義をめぐる問題では、何度か「天網恢々、粗にして漏らさず」と心の中で叫んだことありました。一番は、遠藤先生の解析でトリソミーが見つかったときでしたが、このテラトーマでも、同じように思いました。

2015-02-03 01:53:43
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 まぁ、テラトーマになった細胞がES細胞だったとわかった時点で、あの実験の意義はすでにゼロです。「分化しすぎた組織」があったとしても、もはやどうでも良いと言えば、その通りなのですが、それでも、こうやってちゃんと白日の下にさらされるのだな、と。

2015-02-03 01:56:42

ここで一旦おしまい。
まだまだ続きますが、話がちょっと面白い方向へ。

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