rsbs日誌#41

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　短魚雷を諸に喰らい、逃げ足を鈍らせた潜水艦に先程の魚雷が無慈悲にも襲い掛かる。脆弱な装甲しか持たない海賊の潜水艦は瞬く間に爆発圧壊…亡骸は四散し海の藻屑と化した。余りにも悲惨な鋼鉄の断末魔の悲鳴が海に響き渡る。誰しもが顔をしかめる、那由多にも届く様な悲痛な叫びが…

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#rsbs日誌　凶鯨の餌食と化した仲間の音を聴いていた一隻の潜水艦は直ぐ様に転進し、海底を這う様に進んだ。かの艦には高精度なソナーが積まれており、海図も正確であった。何よりも潜水艦のお頭には考えがあった。そう…潜水艦が一隻潜り込める様な海中洞窟が存在し、其処に隠れ凌ごうと。

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#rsbs日誌　彼を決して浅はかであると断ずる事は出来ないだろう。ただ、運が悪かったに他ならないのだ…誰が想像するだろうか？水中発射対潜ロケット弾が、岩礁を耕す様に己の頭上に降り掛かって来る等と…水中洞窟は見事に崩れ落ち、重く巨大な岩盤が潜水艦を押し潰し、弾薬を破壊…爆発轟沈…

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#rsbs日誌　巨大な凶鯨は次々に海賊の潜水艦を駆逐して行く…まるで易々と魚群を呑み込んでゆくかの様に…そんな、地獄とも取れる渦中の最中。一隻の賊の潜水艦が、真っ向から突っ込んできた。艦首の発射管のみならず、大盤振る舞いだと言わんばかりに艦尾からも魚雷を放ってきた。

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#rsbs日誌　相対距離は瞬く間に縮んで行く。しかし凶鯨は…ヴァールガイストは動じない。主兵装たる魚雷と比べれば小さな小さな発射管が開かれ、次々に対潜ロケットが撃ち出された。調停された信管が炸裂し、魚雷を次々に迎撃する…そうして轟音のカーテンの向こうから傷一つ無い巨体を露にした…

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#rsbs日誌　慌てふためく賊の潜水艦へと、凶鯨は突っ込んで行く。今度は此方の番だと言わんばかりに…焦りの余りやにわに舵を切り、だらしなく土手っ腹を晒した潜水艦に、ヴァールガイストは激しく喰い付いた。防御重力場によって強固なシールドが展開された其れは一つの武器とさえ言えた。

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#rsbs日誌　凶悪な砲弾やミサイルの弾頭さえも悉く無力化する強烈な重力場と、何万トンにも上る水中排水量を誇る巨大な船体。そしてその巨体を高速で航行させる速力の三つが合わさり、潜水艦の船体は刀で断ち切られた様に斬り捨てられた。信じられるだろうか？この時代にラム・アタックである。

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#rsbs日誌　海賊やマフィアから一生を豪遊し尽くしても使い尽くせない賞金をその首に掛けられた潜水戦艦…ヴァールガイスト…凶鯨の二つ名に違わぬ暴虐と暴力を振り撒き、漸く満足したと言わんばかりに大人しくなったのは、海域から賊の潜水艦が一隻足りとも居なくなった時である…

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#rsbs日誌　…やがて…鐵の鯨は、ゆっくりとその頭を愛しい愛しい寝床へと向けた。仕事は終わったのだ。腹の足しにも成らない小魚を喰い散らかすと言う仕事は。シャリシャリと独特のキャビテイションを誰も居ない海中にひっそりと残して…鯨はゆく。海の果てへと。鯨はゆく。魔女に導かれる儘に…

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#rsbs日誌　微睡みの最中、次の航海は少しは楽しめる物に成るだろうか…と独り思いを巡らせる。主砲を咆哮させ、魚雷を疾駆させ、海域に潜む軍勢に恐怖を与える事は出来るだろうか…と。鯨は嗤う。己と相対するライヴァルに何時か出会える日を祈って。今はただ、静かに…海原を揺蕩う…

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#rsbs日誌　オハリ。