霧島組放浪記2

時をかける梁山泊
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日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

挙動不審の単艦相手に全力の飽和攻撃を加えるなんて真似もしてこないでしょう。あまりに非効率的かつ迂闊な行動です。ミサイルによる狙撃と、斥候の駆逐・潜水艦隊、支援する空母機動部隊、本命の水上打撃部隊と波状攻撃が期待されます。なら打ち破るのは簡単です。ヤれます。 #霧島組放浪記

2015-05-25 21:37:34
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

そこまでの敵艦隊は艦娘を総動員して退けるか戦線を維持し、目標である大怪球への攻撃と次元転移に作戦を移行させます。私達は元の世界へ、ヤナちゃんたちはこの世界の単冠湾へ……別れは惜しまれますが、それぞれの帰るべき場所へ帰らねばなりません。 #霧島組放浪記

2015-05-25 21:47:35
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

二隻のしきしまが同時に青白い輝きに包まれ、一瞬の閃きが視界を埋め尽くすと、目の前には巨大という言葉では決してその大きさを表しきれない程の偉容がありました。1kmは悠に越えようという径の球体、赤い瞳で私達を睨む空に浮かぶ大目玉。大怪球「F」の「目の前」に跳びました。 #霧島組放浪記

2015-05-27 23:02:00
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

霧島組最大のエモノだ。総員心してかかるように。未来の私達を沈めた奴らに、霧島組が揃えば大怪球の一つや二つ、撃破するのは簡単だということを思い知らせてやれ!全艦発艦用意! こんなに力いっぱい叫ぶのは久しぶりですが、気持ちのいいものですね。 #霧島組放浪記

2015-05-28 00:28:00
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

私の号令一下、乗船していた霧島・大和・長門を除く全ての艦娘が船を飛び出していきます。敵の初撃はもうすぐこちらに届くでしょう。これを凌ぐのが何よりも肝心です。全ては、空母機動部隊による迎撃に懸かっています。彼女らの矢が降り注ぐミサイルを射抜く数秒後が全てなのです。 #霧島組放浪記

2015-05-28 00:41:26
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

『敵ミサイル接近!被弾まで3秒!』大淀の切迫した声が木霊する艦橋。しかし、その脅威がしきしまを襲うことはありません。『全艦対空射撃用意!』ヤナちゃんから貰ったデバイスから、大淀に変わり赤城の声が流れてきます。『射てーっ!!』直後、前方の空に幾条もの矢が放たれました #霧島組放浪記

2015-06-08 21:52:43
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

電探には数えるのが億劫になるほどのミサイルの影が捕らえられていますが、こちらからも数えきれぬほどの矢が向かっていきます。もはや機銃か三式弾です。瞬く間に飛翔体影は次々と消えていきます。『五航戦の!遅れてるわよ!』『はい!先輩!』加賀の叱咤と昇格の返事が聞こえました #霧島組放浪記

2015-06-08 21:58:24
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

撃墜されたミサイルの爆発が空を輝かせる中、私はこの時代にも生き残っている艦娘たちが眠っている、訓練室に改装された船室に向かいます。一応この船で一番安全なのはあそこですし、もし昏睡状態の艦娘に何かあった時に対応するのは提督の責任だからです。 #霧島組放浪記

2015-06-08 22:10:14
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

外からの情報は艦娘たちが飛ばす艦載機や偵察機に頼ることになりますが、まあアイツらが沈むことはあり得ないので、心配はいりません。それにしても、波動機関始動のタイミング合わせなんかも含めた通信を手のひらに収まる機器で可能になったのは有難い限りです。 #霧島組放浪記

2015-06-08 22:22:40
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

『敵潜水艦確認!各自対潜戦闘用意!』改装船室へと向かう途中、伊勢の声が聞こえてきました。ここからは航空戦艦娘たちの出番です。普段から無駄に資材を喰らってレズセックスに明け暮れてる分の働きをしてもらうとしましょう。できなきゃ殺す。霧島組長が。 #霧島組放浪記

2015-06-08 22:46:24
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

航戦、軽空母たちから一斉に爆撃機が発進した様子を俯瞰でとらえた映像が流れます。それからすぐにカメラは水平に視界を移し、海面に幾つも並ぶ水柱を映しました。空では花火のごとく止めどなく爆ぜるミサイルが大怪球の姿を隠しています。上も下も爆発だらけです。 #霧島組放浪記

2015-06-13 22:59:23
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

『予想通り、機動部隊のお出ましや!赤城!加賀!頼むで!』『鎧袖一触よ。心配要らないわ。剣部隊発艦します』『隼部隊、発艦!』たった2人から放たれた矢も、空中で艦戦の大部隊に……おい待てなんか今すごいの打ってないかこいつら #霧島組放浪記

2015-06-13 23:27:44
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

もしかしなくてもデストロイヤー的な人物が発艦して行ったような気がしますけど、見る限り敵艦載機ガンガン落としてるのでもう何も言えません。いつの間にあんなものを用意したんでしょう……そうこう考えていると、大船室の前に着いていました。中では艦娘たちが布団で眠っています #霧島組放浪記

2015-06-13 23:35:16
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

さすがに2000人級輸送船だけあって、100余名の艦娘がいて更に点滴やら心電図やらを設けてもスペースは十分です。ベッドが用意できなかったのは悔やまれますが、物資の節約です。仕方ありません。やまととヤナちゃんが並ぶ枕元に膝をつき、端末に目をやりました。 #霧島組放浪記

2015-06-13 23:52:01
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

『全弾撃ち尽くせ!一匹も討ち漏らすな!』武蔵を先頭に水上打撃部隊との砲撃戦が行われ、『ポイント到達!全艦面舵いっぱい!』同時に榛名の指示で艦隊は大怪球をぐるりと回る軌道に入りました。すぐにこのしきしまも後を追うことになります。窓の外に、巨大球が迫っていました。 #霧島組放浪記

2015-06-14 00:02:38
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

しきしまも面舵を取り、船体が揺らぎました。このタイミングで私は霧島たちに指示を出します。 大和、波動砲充填!超次元干渉を安定させろ! 『了解!』 あと数分で、私達はこの未来に別れを告げる事になります。思えば、長い3ヶ月でした。 #霧島組放浪記

2015-06-14 00:36:14
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

そもそもが通りがかりのバミューダで、異常気象に見舞われたかと思ったらいきなり北太平洋に移動していて、そこで未来の艦娘たちに出会って自分たちがこの世界ではすでに死んでいると知らされ、この世界がいかに苦しい戦いを強いられているか思い知り、 #霧島組放浪記

2015-06-14 00:42:45
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

それでもどこもかしこもレズだらけなのは変わらないし、タイムスリップの原因が大和にあるとわかった後、何やら自分の死には裏があったことを知らされ、そして組長のアイディアで未来の自分たちの敵討をすることになり……ここまででたった1日だったのが何よりも驚きです #霧島組放浪記

2015-06-14 00:45:13
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

その後に組長は未来の自分を多少なりとも正気に戻すため、大和はやまとに、長門は後を継いだ長門に波動砲を伝授するための修行だとか、しきしまに波動機関を積み込むための改装をするための資源集めが待っていました。 #霧島組放浪記

2015-06-14 00:54:29
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

大和は親子ということで最初から順調に進んでいたのですが、長門はそうではありません。同型で、初対面がアレでしたから、最初の頃は険悪なムードがただよっていました。 「ではこれより、貴様に私の技を伝授する」 「……なぜ私が貴様なんぞに……」 「提督の命令だ。当然だろう」 #霧島組放浪記

2015-06-14 00:56:53
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

提督たる私たちが下した命令には、艦娘である以上逆らうことは出来ません。 「そもそも!貴様は艦娘歴何年だ!」 「? 今で3年と少しというところだな」 「はっ!私は艦娘歴12年!貴様の4倍だ!それが何故」 「たわけがっ!」 後輩が口答えすることを先輩は許しませんでした #霧島組放浪記

2015-06-14 01:13:02
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「私は天才だ。貴様のような凡庸な艦娘と並べて語るなど言語道断!私の1日は貴様の10日に値する!つまり私は艦娘歴30年!貴様ごときの小童!足元にも及ばん!あまり自惚れた事を言うなら、今すぐにでも叩きのめしてくれる!」そう言った長門の威圧感は凄まじい物がありました。 #霧島組放浪記

2015-06-14 01:23:15
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「……!上等だ!偉そうなことを口で並べることはいくらでも出来る!実力があるというなら、力で示してみせろ!」対する後輩の長門も、一瞬構えこそはしたものの決して引きはしませんでした。「その心意気や良し!ならば受けてみろ!」長門は向かい合う後輩に、上段蹴りを放ちました #霧島組放浪記

2015-06-14 01:34:14
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

その右脚の速さたるや、目で追うことが辛うじて適う程度です。身の丈2mに届くかという長門のこめかみを爪先が的確に狙っていました。しかし、後輩の長門もそれに素直にやられるわけではありません。咄嗟に左腕で脚を受けて致命打を回避しました。#霧島組放浪記

2015-06-14 01:54:29
日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

ところが、そこからの長門の動きはその防御を織り込んだものでした。右足と左腕がぶつかった瞬間に、左足で地面を蹴り、脚と腕の接触部を軸に全身を一気に回転させ、まるで投げ縄を掛けるかのように後輩長門の肩の上に両足で立ったのです。やはり天才か。 #霧島組放浪記

2015-06-14 01:57:06
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