高橋源一郎氏の「祈り」:「希望がない場所では「テロリズム」は再生する。この世界が生きるに値する場所だと信じさせることしか、彼らを真に滅ぼす方法はないのだ」
- marlboro1day20
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「人質」問題について、頭から離れなかったことを少しツイートします。5つです。政府の方針や「自己責任」をめぐってではありません。ぼくは、いま、そのことにそれほど関心はありません。いわゆる「イスラム国」、ISILもしくはISISといわれる人たちのことについてです。
2015-02-07 21:29:16①パイロット焼殺動画を(少しだけ)見た。ある映画監督は彼らの動画に「ハリウッド映画の文法がある」と思えると言った。ぼくにも、そこにある種の「審美眼」あるいは美意識さえあるように思えた。彼らを、人間の心を持たない獣だと非難できたら簡単だったろう。だが、美意識は人間だけがもてるのだ。
2015-02-07 21:31:18②アウシュビッツで「死の天使」といわれた医師メンゲレは、クラシック音楽の愛好家で、到着したユダヤ人たちをガス室に送るか選別する時、それから人体実験をする時、オペラのアリアを口ずさんだ。彼にも美意識はあったのだろう。非人間的な残虐さは恐ろしい。だが、人間的な残虐さもっと恐ろしい。
2015-02-07 21:33:15③彼らの動画や行動を見ながら、彼らは「死」そのものに惹かれているのではないかと思った。あらゆる宗教の奥底に、彼岸を憧れる余り死に強く惹かれる部分がある。彼らを否定し非難し憎んでも無駄なのかもしれない。それこそが喜びだから。彼らが嫌がる唯一の反撃は生の側から理解しようとすることだ。
2015-02-07 21:35:37④彼らを理解することは「テロリズム」を理解することだ。「テロリズム」は絶望から生まれる。希望がないから破壊にすがるしかないのだ。だから、いくら滅ぼしても、希望がない場所では「テロリズム」は再生する。この世界が生きるに値する場所だと信じさせることしか、彼らを真に滅ぼす方法はないのだ
2015-02-07 21:37:20⑤彼らの最大の特徴は「他者への人間的共感の完璧な欠如」だ。だが、これは「テロリズム」の形をとらずに、ぼくたちの周りにも広がっている。いちばん恐ろしいのはそのことだ。死を産み出す「深淵」は、実はぼくたちの近くにある。呑み込まれてはならない。その時、ぼくたちの未来はなくなるだろうから
2015-02-07 21:39:07一部反響とか
@takagengen それは溜め息がでるくらい、険しく長い道のりに思えます。しかし、千年先になるかもしれないが、知恵の光はあると信じたいです。
2015-02-07 22:48:59興味持ったら今回の一連のツイートを皆に読んでもらいたいな。若い人にはちょっとわかりにくいかもしれないけど、いつかわかるはず。悪意ある人に切り取られると危険な文章だけに、ストレートに。
2015-02-07 22:49:14@takagengen スマホによる廃人量産問題と構図も対処方も似てるんだ…。 でもどちらも原因は現実社会に居場所がないという点で共通の事象かもしれない。逃げ場がユートピアを騙る地獄かネットかの違いだけ、みたいな。 いまが最後のチャンスっぽいけど、踏ん張らねば。
2015-02-07 23:04:25@takagengen 一連を見ていると「暴力の連鎖」がどうしても浮かびます。暴力の連鎖は身近なところにも蔓延しており、連鎖を断ち切ることに目を向けたい。共感つまりコミュニケーション。本来は自分を中心とした身近な人、家族、地域、社会、国、近隣諸国、、、と拡大されると良いと思う。
2015-02-07 23:26:11@takagengen まさしくテロリストは身近で育つ。それは差別だったり、中傷だったり、無関心だったり。政治にしても今は実害がないからと無関心な人が多すぎる。社会で誰かと関わっている時点で「連帯責任」なのに「自己責任」の犯人探しばかり。傍観者だって「見殺し」と変わりない。
2015-02-08 02:08:17