ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】♯9&エピローグ

(これまでのあらすじ:ついに訪れたヘル・オン・アース。果たしてリフレックスたちの運命やいかに……?)
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「フゥー……」白砂の日本庭園を眺めながら、リフレックスは深呼吸をした。「遥かにいい」「そりゃよかった」その後ろでベリジェレントが笑った。「群衆酔いでもしたか?まだあんなにいたんだなァ、ギルドのニンジャ」「そうだな、驚いたよ」彼も弱々しく笑い返す。47 #4215tk

2015-02-12 20:55:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

その向こうでは、ディプレッションがランチハンドへIRC通信し式典途中退出の旨を伝えている。イルネスは少し離れた場所でぼんやりと夜空を眺めていた。夜空?いや、既に空は白み始めている。夜明けにはまだ早い時間にも関わらず。式典の儀式により、キョート城が浮上したのだ。48 #4215tk

2015-02-12 21:00:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

キョート城の浮上。その事実を思うたびにリフレックスは不安を覚える。正体のわからぬ漠然とした不安を。……その時だ。「集合」ディプレッションが厳しい声を上げる!三人のニンジャは呼び声に応えすぐに集まる!「ランチハンド=サンより指令が」49 #4215tk

2015-02-12 21:05:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「指令だァ?」「ニンジャスレイヤー及び、ムーホンを起こしたダークニンジャの討伐隊に加われとのこと」「ムーホン?」リフレックスは驚く。「ダークニンジャ=サンが?何故」「わかりません」ディプレッションの表情も憂鬱げだ。「ソンケイできる方だったのですが」50 #4215tk

2015-02-12 21:08:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

いずれにせよ、彼らは今互いにイクサを繰り広げているそうです。それを包囲し、討ち果たす」「包囲戦ですか」イルネスが困ったように呟く。「私のエヤミ・ジツはお役に立てそうにないです」ディプレッションが苦笑する。「状況判断でなんとかしましょう。行きますよ」51 #4215tk

2015-02-12 21:11:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

キョート城ホンマル北端カワラ屋根!現場に急行したリフレックスたちは、他のアデプトやニュービーニンジャとともに遠巻きにダークニンジャを包囲!共に包囲されていたニンジャスレイヤーは既に城内に逃亡、三人のアデプトがそれを追跡している!53 #4215tk

2015-02-12 21:14:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「フゥーム」ディプレッションが唸る。彼女は今、イルネスの肩に乗って戦況を捉えていた。背丈が低いのでそのままだと状況がわからぬのである。「……アンダバタエ=サンにビッグフット=サン、それにコープサー=サン?やれやれ、近づかぬに越したことなし」54 #4215tk

2015-02-12 21:17:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なんでだ?」「すぐにわかります」見上げて問うベリジェレントに、ディプレッションはそれだけ答えた。……コープサーのドク・ケンをダークニンジャがベッピンを突き刺したアンダバタエで防御。ドク・ケンを受けたアンダバタエが死亡し膨張!55 #4215tk

2015-02-12 21:20:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

間も無くアンダバタエが破裂し、毒に汚染された体液を撒き散らす!遠巻きにしていたリフレックスたちのもとにはギリギリ届かなかったものの、その体液を浴びたニュービーがいきなり倒れて死んだ。毒耐性がなかったのだろう。「ナルホド」ベリジェレントが呆れたように呟いた。56 #4215tk

2015-02-12 21:23:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

いずれにせよ、ダークニンジャは当初取り囲んでいたアデプト三人を撃破!(((さあ、どうするか……ん?)))リフレックスは不意に異常に気づいた。カラテミサイルの射出が止んでいる。彼は指揮官ニンジャであるグランドマスター、パーガトリーへと首を巡らせた。57 #4215tk

2015-02-12 21:26:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

パーガトリーは周囲にカラテ粒子を展開し、バリアとしている。その粒子バリアが濃度を増し、半径を拡大していた。「あれは?」「え?」ディプレッションがパーガトリーを見た。彼女は異常の意味を察知。その目が大きく見開かれる。「いけない!退避を!」「え」「カーッ!」58 #4215tk

2015-02-12 21:29:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……リフレックスのニューロンが急加速する。「イヤーッ!」「ンアーッ!?」まず動いたのはディプレッション。彼女は器用に身をひねり、両腿でイルネスの頭を挟み込み、後方へと投げ飛ばした。イルネスが屋根から落ちていく。ディプレッションも後転しそれを追って落下した。60 #4215tk

2015-02-12 21:32:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

第一陣のカラテミサイルが降り注ぐ。「イヤーッ!」リフレックスは側転でこれを回避した。「グワーッ!?」聞きなれた声。悲鳴。リフレックスの血の気が引いた。彼はベリジェレントを見た。彼女は仰向けに倒れこむところだった。その両膝から下が消失していた。61 #4215tk

2015-02-12 21:35:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは目を見開く。被弾したのか。彼はなお悪いことに気づく。別のカラテミサイルが、ベリジェレントめがけ飛来していた。このままでは避けられぬ。リフレックスは反射的に走り出した。彼女の元へ。カラテミサイルが迫る。リフレックスは手を伸ばした。62 #4215tk

2015-02-12 21:38:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスの右手は、すんでのところでベリジェレントを掴んだ。彼はベリジェレントをカワラ屋根から放り投げた。カラテミサイル。回避は間に合わない。「……グワーッ!?」リフレックスは悲鳴を上げた。右肘から先が消失。彼は転がり、自分もまた屋根から落ちていった。63 #4215tk

2015-02-12 21:41:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…………「包帯を!早く!」「ハ、ハイ!」「傷の処置!ベリジェレント=サンは!?」「アイエッ!も、もう済ませてます!ZBRも!」「パーガトリー……ドグサレッガー……!」ホワイトアウトしていた視界が戻る。いつになく憔悴したディプレッションと、怯えたイルネスの声。65 #4215tk

2015-02-12 21:44:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ウ……」「リフレックス=サン!?大丈夫ですか!?」朧な視界にディプレッションの顔が映る。「平気……俺は、平気だ、クソッ」彼はゆっくりと身を起こす。体のあちこちが痛む。周囲を見回す。日本庭園の只中にいるようだった。「……ベルは!無事か!」66 #4215tk

2015-02-12 21:47:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

イルネスがリフレックスの剣幕にびくりと体を震わせた。その彼女の側に、ベリジェレントが倒れていた。損失した脚部にはバイオ包帯が巻かれている。彼女は身動き一つしない。「ベル!ベル!?」「落ち着いてください!……まだ、息はあります」67 #4215tk

2015-02-12 21:50:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ディプレッションの言葉を聞いて、リフレックスの体から力が抜けた。右腕が今更になって痛み出した。「ヌゥーッ……!」「痛みますか?我慢してください、ZBRを打ちます」ディプレッションが懐からZBRアンプルを取り出す。リフレックスはそれを複雑な面持ちで眺めた。68 #4215tk

2015-02-12 21:53:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ディプレッションが慣れた手つきでリフレックスにZBRを注射する。「ウウーッ……遥かにいい、遥かにいいぞ、チクショウ」彼は小さく唸りを上げた。「俺はこいつをオーバードーズしたイディオットに殺されかけて……ニンジャになったんだ。それを、クソッ」「落ち着いて」69 #4215tk

2015-02-12 21:56:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスは深呼吸する。ZBRの影響でハイになりかけたニューロンが、少しずつ鎮まっていく。「……悪い、助かった」「お構いなく。それよりも、ベリジェレント=サンです」ディプレッションが沈痛な面持ちで言う。「これ以上は継戦不可能。どころか、このままでは」70 #4215tk

2015-02-12 21:59:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アブナイのか」息を飲むリフレックスに、ディプレッションが頷く。「ASAPでキョート城内医療エリアに向かいます」「了解……けど、クソッ」彼は不意にある事実を思い出し、顔を歪めた。「キョート城内にはクセモノが……」「ええ。無論、遭遇可能性はあります」71 #4215tk

2015-02-12 22:02:03
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