曾野綾子原作映画メモ

樹木希林がメイン出演してる「殿方御用心」と、「赤頭巾ちゃん気をつけて」のヒットにあやかってコケた「初めての旅」は、機会があったら見てみたいと思いました。
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もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』①:現行の文春文庫は1971年に刊行された角川文庫版をベースとしているが、もともとは1965年に講談社より出版されたものがオリジナル。文春版裏表紙には 「70年代、”ぜったい多数”の名もない若者たちが~」と紹介文があり、リニューアルされたかの印象。

2015-03-11 21:08:08
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』②:しかし、ヒロインがナイトクラブで踊りに誘われると「こんな木綿の服で笑われちゃう」と恥ずかしがったり、「女の服は午後から夜にかけては絹かウール、アセテートかダクロン」とあったり(つまり繊維会社全盛期)、なにより東京オリンピック直前だったりする。。。

2015-03-11 21:08:34
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』③:話は、東京に馴染めず都落ちするヒロインがひょんなことから歌声喫茶『仲間』を経営する青年実業家と知り合って就職、ヒロインの住む保谷のアパートの学生たちを交えての青春ユーモア小説。曾野先生のいつもの説教臭さはあんまり出ていない。

2015-03-11 21:09:00
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』④:青年実業家との運命的出会いシーン、ヒロインだけを乗せたエレベーターが閉まるのを強引に止めて乗り込む青年の描写が大仰で楽しい。たかがエレベーター止めただけのことをここまで持ち上げるか、という。。。

2015-03-11 21:09:21
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑤:引用 自動ドアは、そうした強引な人間の意志にすなおに従って、もう一度おとなしく全開した。 自動式のエレベーターのドアは、どんな取り扱いを受けても荘重にふるまうのが暁子にはおかしかった。

2015-03-11 21:09:58
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑥:引用 青年にこじあけられたにも拘らず、ドアは再び一定の時間だけ、おごそかに開いてから、やがてゆっくり閉まるのである。しかも、青年は黙って軽く腕組みをしているだけなのに、エレベーターは、先刻、暁子が押した行先の1という数字をちゃんと覚えているらしく云々

2015-03-11 21:10:18
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑦:強引な接吻による衝撃についての記述もなんだか良い。引用 抽象画のようにさまざまな無意味な言葉が背骨のあたりに涌いてきた。未知、強引、勇気、逃避、宇宙、死、把握、殺気、追跡、堕落、屈辱、断絶…そして…何だかわからないもの…。

2015-03-11 21:10:47
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑧:歌声喫茶『仲間』は、従業員によるストの話などから、実際に新宿にあった歌声喫茶『灯』をモデルにしているらしい。amazon.co.jp/%E6%AD%8C%E5%A… とすると、『仲間』を経営する青年実業家大滝は柴田伸が、主人公暁子は里矢がモデルということになる。

2015-03-11 21:11:16
リンク www.amazon.co.jp Amazon.co.jp: 歌声喫茶「灯」の青春 (集英社新書): 丸山 明日果: 本 Amazon.co.jp: 歌声喫茶「灯」の青春 (集英社新書): 丸山 明日果: 本
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑨:とすると、『ぜったい多数』での書き方は柴田さんにとっても里矢さんにとっても納得はできないものだろう。大滝はコンプレックスの裏返しで文化的事業を行ってる卑小な人物として描かれ、ヒロイン暁子は曾野本人とそう変わらないメンタリティ。

2015-03-11 21:11:46
もうれつ先生 @discusao

曾野綾子『ぜったい多数』⑩:映画では従業員の秋山と暁子をカップルとして修正しているようだ。田村正和と桑野みゆきがそれぞれ演じている。もちろん、曾野の物語のいつものパターンとして、秋山は終盤癌になり、療養先の奄美にて暁子がたどり着く前に亡くなる。チャンチャン。

2015-03-11 21:12:05

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