舞台裏の話

1

※R18表現があります。自己責任で。


シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『お手洗い、お手洗い…こっちかな?』人の波を避けながら適当に角を曲がると気がつけば人少年は通りの少ない場所に来ていた。『あ、……』前方から歩いてくる相手に気がつくと驚きと感激と共に以前の記憶が蘇り、その後でどこか緊張感に支配されるとその場に立ち竦んだ。

2014-10-12 21:01:18
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……?アンタは…クリス、か?」気もそぞろに歩いていた青年は声のした方へ視線を向けると微かに目を見開いた。「何でこんなところにいるんだ…?」少年に歩み寄ると歩くたびに血の匂いが辺りに漂った。

2014-10-12 21:25:29
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『あ、ロニカさん…お疲れさまです!』相手に名前を呼ばれるとぱあと嬉しそうに頬を緩めるもただよう血の匂いに、意思に反して心臓が強く脈打つ。『シャオと舞台を見に来てて、そのっ…帰る前にお手洗いにと思って。…あの、すごくリアルなんですね、まるで本物の血みたいです』

2014-10-12 21:41:11
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「ああ、成程な。でもこっちにあるのはスタッフ用のだぜ?……ま、ここまで来たなら使ったらいいさ。」くすくすと笑いつつも若干余裕のない様子で返す。「……これか?一応“動物の血”らしいからな。詳しいことは知らねぇけど。」指に付着した血を舐めて見せ

2014-10-12 21:58:07
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『えっ、あ!そうなんです?すみません、知らなく、て……』艶めかしい仕草に思わず相手の手首を掴んだ。相手を染める紅い紅い"本物の"血にどうしても意識がいってしまう。くらくらとするような甘い香りの誘惑にそっと相手の指に舌を伸ばす。

2014-10-12 22:17:41
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『っ、あ!すみません!!その…、失礼しました』これ以上この場にいてはいけない。そう思い多少乱暴に手を放すと、慌てて相手から離れようと来た道を戻ろうとした。

2014-10-12 22:17:47
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……っ、」手首を掴まれるとそれだけで胸が高鳴った。しかし期待に反しぱっと手を離されると、すぐさま手を伸ばし少年の腕を掴んだ。「……そこまでしておいて、どこに行くつもりだ?」差し迫った表情で苦しげに息を吐きつつ手に力を込めた。

2014-10-12 22:38:02
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『あ…っ、いえ!すみません…そ、そこまでって……』さっきはすんでのところで血を舐めとるのを止めたのに。咲き誇る熟れた薔薇のような、どうしようもない香りに思わず相手から目を逸らす。失礼な態度だとわかっていてもどうしようもできず、相手が去ってくれるのを願った。

2014-10-12 22:48:39
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……もう限界なんだよこっちは。」相手の反応に苛立たしげに呟きくぐっと少年を引き寄せる。「俺が何を言っているかわかるよな?……それとも、この身体が嫌なのか?」最後には声のトーンが落ち、少年を見つめる瞳が不安げに揺らいだ。

2014-10-12 23:12:09
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『限界って…、ロニカさん!?』自分のことで精一杯だったがふと気がつけば相手にいつもの飄々とした冷静さは感じられない。と、思った時にはすでに腕が絡まり密着した相手の体温と、濃い血のにおいが鼻孔を刺す。

2014-10-12 23:24:08
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『……っ、』至近距離にある整った顔に手を添えて引き寄せると唇を塞いだ。口内はほんのりと血の味がしてどくどくと心臓が早鐘を打っていく。

2014-10-12 23:24:14
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……ん、っ…」思いがけない、しかし待ち望んでいた行為にすぐにでも理性の箍が外れてしまいそうになる。惜しみつつもそっと唇を離すと可笑しそうに笑った。「逃げ出そうとしたかと思えばこうくるとはな……随分極端だな?」

2014-10-13 00:32:45
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……ここじゃ人目に付く。続きはこっちで、な。」そう言って少年の手を引き、当初の目的地へと足早に歩き始めた。

2014-10-13 00:33:26
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『…、ロニカさん!ダメです、あの…ぼく、今なんだかおかしくて……』血のせいだ。前のような恐ろしく強い欲求ではないけど体が妙に熱い。手を引く相手から離れ難くて仕方ない。もっと欲しい。もっと触れたい。だけどもしも傷つけてしまったらと残った理性が怖がっている。

2014-10-13 11:33:17
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica もしも本能のままにこの人の首筋に牙を立ててしまったら。そう考えるととても恐ろくて堪らない。『ロニカさん…、』だけどその手を振りほどくこともできず困ったように相手の名前を呼んだ。

2014-10-13 11:33:21
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……俺もおかしくなってるんだよ。」名前を呼ばれるとふと足を止め少年を振り返り、両手でその顔を包み込んだ。少年の唇を指でなぞると倒錯した表情で笑う。

2014-10-13 18:37:44
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「苦い血の……恋の味。それがどうしようもなく甘美で、自分が誰だかわからなくなる。感情の昂ぶりが治まらない……」譫言のように呟き少年を抱き寄せ、耳元で囁いた。「お前は、何を恐れているんだ?」

2014-10-13 18:38:27
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『っ、!』何を恐れているか、なんて人に言えるわけがない。言ったところで理解などしてはもらえない。どうしたものかと視線を泳がせるもそんなことで答えが出るはずもなかった。密着されるとさらに強い誘惑にかられる。

2014-10-13 20:59:08
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 興奮が息遣いにも現れ始めた頃、『ぼくは…ぼく自身が怖い……』消え入るような声でやっと呟くと壊れ物に触れるように相手の背に手を回した。

2014-10-13 20:59:13
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……クリス?」思い詰めたような相手の様子に気付くと幾分冷静さを取り戻した。努めて邪まな感情を抑え、ゆっくりと優しくその頭を撫でる。「自分の何が、そんなに怖いんだ?」以前、初めて会った日にも、こんなことがあったということをぼんやりと思い出しつつ訊ねた。

2014-10-13 21:47:18
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『ぼくの中の…ぼくじゃないぼくが……』憧れの人物が優しく包み込んでくれているという事柄に甘えそうになっていることに気がつき、ぱっと顔を上げるとあわあわと視線を彷徨わせ。

2014-10-13 21:55:54
シャオイー(小伊) @applex002

@xxxRonica 『あ、いえ!すみません!なんでもないんです!こ、こんなところ誰かに見られたらぼくロニカさんのファンに殺されちゃいますよ!!』困ったように笑うとやんわりと相手を離そうと肩を押し

2014-10-13 21:56:00
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「……ここまで来れば誰にも見られやしないさ。秘密にしてればバレないぜ?俺とクリスの。」肩を押されても全く意に介さずに少年の背を撫ぜさすった。

2014-10-13 22:32:35
裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

@applex002 「無理に聞き出そうなんて思ってない。……ただ、もう少し俺に付き合ってくれよ。それくらいいいだろ?」何かを充足するように抱きしめる腕にそっと力を籠めた。

2014-10-13 22:33:25
1 ・・ 5 次へ