「育児不安は生活不安〜父親のフルタイム育児体験〜」

この体験談には、現代における子育てをめぐる環境の根本的な見直しのための示唆が豊富に含まれていると思います。
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チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

家事育児で心がやられるってのは、こころの科学って雑誌(vol.103)に収録されてる『育児不安は生活不安-父親のフルタイム育児体験-』って体験談がある。育児休暇中に日中話相手もいない状態を"私は「カゴの中の鳥」になった気分だった"と語ってる。

2015-02-15 00:19:27
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

筆者は共働きの家庭で、妻は産休を合わせて半年の育休を取り、その後筆者が交代で育休をとった。論文はその育休中の体験だけれど、後半に公園デビューの失敗によって"「赤ん坊と二人だけ」という生活は少しずつだが確実に私の精神状態を侵食していったようだ"とある。

2015-02-15 00:25:28
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

今まで会社で同僚とおしゃべりし、妻や友人と飲んだり遊んだりしていたのに、現在はガランとした家の中で赤ん坊と二人きり、社会から孤立していると感じていたり、妻が仕事の話をすれば自分は仕事に行けないのにと癇に障ったり。

2015-02-15 00:29:11
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

筆者は自分が不機嫌になるのを自覚しつつ、妻も育休中に常に機嫌が悪かった事を思い出す。その時は育児ノイローゼと断じていたが、まさに自分が同じ症状に悩まされていた。そして一日中家にいる筆者は妻と以前のように話をする事が出来なくなってしまう。会話の内容があまりにも他愛ないのだ。

2015-02-15 00:34:45
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

花粉症の猫が庭に来た、が最大のトピックになり、話題のないことに苛立つ筆者に、妻は新聞に目を落としたままやり過ごそうとする。その態度にさらに筆者は苛立つが、"私の育児休職中に妻がとった態度は、妻の育児休職中に私がとった態度とまったく同じだった"と気がつく。

2015-02-15 00:38:26
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

筆者は赤ん坊の世話をする事に不満はなかったと書いている。むしろ楽しかったと。ただ"住宅地の平日にはガランとした日常が展開されていて、私は赤ん坊を抱いて漂流している気分だった"と。

2015-02-15 00:43:20
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

そしてこう続ける"私は自分の事例に「育児不安」という言葉は不適切だと思っている。あれは「生活不安」だったのだろうと思うのである。"と。 更に、自分と妻の育児、生活不安がそっくり移動した事から、男性と女性の育児不安を分ける意味はないと書いている。

2015-02-15 00:45:30
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

筆者は最後に、育児不安を母親の問題として捉えるのではなく、この社会がたった一人で赤ん坊と生活するのがきつい社会であり、そこに問題があるとしている。

2015-02-15 00:49:49
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

もうね、この体験談読んだ時に衝撃でね。 筆者が男性である事もそうだけど、育休を夫婦交代で取ってるから、育児の大変さに実は性差なんかないって言葉に物凄く説得力がある。育児中に家庭で赤ん坊と二人きりになった時、人がどんなストレスを感じるかも詳細に綴ってるし。

2015-02-15 00:54:13
チラ裏@フォースと共にあらんことを @chirashi_uraura

かなり貴重な体験談だと思う。そして実はフルタイムの仕事より育児の方が大変だと浮き彫りになったおかげで、何故虐待が起きるのか、一体どんな支援が育児をする家庭に必要なのか、手がかりになると思う。

2015-02-15 00:58:22

【このまとめにおける議論の方向性についてのお願い】

まとめ主は今回、この体験談が広く知られることで、様々ある育児に関する問題のひとつである「育児不安」が、社会構造の見直しによって、対処療法的な個別事例での解決としてではなく、育児に関わる全ての人の中でその負担の軽減・解消につながる糸口として役立つのではないか思っています。
そうした議論や思索を深めていただくため、論点を整理させていただきましたので、お時間があれば読んでください。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

僕がこの体験談を読んでまとめを作りたいと感じた一番の理由は、ツイートの中にある「この社会が『たった一人で』赤ん坊と生活をするのがきつい社会であり、そこに問題がある」という言葉が持つ説得力の強さに惹かれたからでした。

2015-02-18 23:44:40
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

育児における身体的・体力的なきつさは、このまとめの考察においては一旦除外させていただきたいと思います。理由は体験談の主題が「育児不安」という心の問題だからです。勿論、そのような身体的・体力的なきつさから精神的なきつさを感じることもあることを踏まえた上で話を続けます。

2015-02-18 23:44:55
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

まず、専業での育児が「きつい・つらい」という訴えは今までもあったでしょうし、それに対する支援もすでに幾つも存在しているとは思います。ただ、そういった訴えは当事者以外(特に男性)にとって、その多くが半ば他人事であり、さして重要視されてこなかった現実があることも認める必要はあります。

2015-02-18 23:45:08
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

その上でまとめ主として、そういった事実に対する否定的なコメントは、まとめを作った意図とは少々ずれてしまうと考えます。勿論そのような事実に対する批判はあって然るべきだし、また、その意見を否定したいのではなく、今回は「育児が置かれている社会環境の改善」がこのまとめの主眼だからです。

2015-02-18 23:45:18
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

また、これは育児に限らないことですが、精神的なきつさ・つらさの訴えは「甘え」であったり「未熟さ」であったり「努力不足」であったりと、具体的な支援よりも当事者を責める方向になってしまいがちな現状もあります。

2015-02-18 23:45:27
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

特に育児においては「子供への愛情があれば育児は楽しいものだ」という図式が固定化していて「育児がつらい自分には子供に対する愛情がないのではないか」など、よりその精神的負担を大きくしてしまいやすい社会環境があります。

2015-02-18 23:45:36
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

この体験談で語られる「育児不安」もそういったものの一種として扱われてきたと思うのですが、この体験談を通して、少なくともまず育児不安を、そういった「気の持ち様」と切り離して考える必要性と、それによって可能になる社会的なサポートは何かということを具体化するきっかけになればと考えます。

2015-02-18 23:45:48
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

次に、育児に関わる人の現状ですが、現在でも当然、望む望まざるに関わらず女性が育児を担当する割合が圧倒的に多いことから、女性からは「育児がきつい・つらい(つらかった)」という意見が出てくる割合はどうしても高くなると考えるのが妥当だと思います。

2015-02-18 23:46:00
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

一方、男性が(特に専業で)育児に関わる場合は逆に、そもそも積極的に関わる意思がなければ育児に参加できない現状があるため、育児を楽しいと感じる人の割合が増えると考えられます。この非対称性には注意が必要だと思います。

2015-02-18 23:46:09
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

つまり女性と男性では、育児に関わる際のそもそもの立脚点が違う場合が多くなるので「きつい・つらい」という言葉の指すものが違う可能性があり、それは今回のコメント欄からも見て取れるかと思います。

2015-02-18 23:46:18
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

そして繰り返しになりますが「育児が楽しいものであるか、きついものであるか」も、このまとめ内では議論する必要のないことだと個人的には考えています。その理由は先に、育児をめぐる現状への否定的なコメントを控えていただきたい理由として述べたものと基本的に同じです。

2015-02-18 23:46:29
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「育児の問題」と一言で表しても、そこに含まれる問題点は、実は一人ひとり違うものですし、それぞれの問題を総論として議論しても簡単に結論は出ないと思いますので、ここでは体験談が指摘する「育児不安の社会的構造改善による軽減・解消の可能性」について引き続き議論していただければと思います。

2015-02-18 23:48:54