とりっくんさんの、「人文研究の作業工程」

個人の覚書としてまとめました。私自身は人文研究者ではないので妥当性について判断できません。悪しからずご了承のほどを。
14
tricken@暁月6.0済 @tricken

0. [positioning] 1.[critical reading]&[digestive reading] 2.[review]&[annotation] 3. [contribution](for X) みたいなことを考えていた。

2015-02-21 01:31:42
tricken@暁月6.0済 @tricken

0→1ab→2ab→3のどこで躓いているかを考えるのが脳内掃除。

2015-02-21 01:32:14
tricken@暁月6.0済 @tricken

人文の演ることって。「ポジションを整理して(※これがあやふやだと意味なし)」→「精確に/沢山、読んで(※同時にできないと意味なし)」→「読んだ結果を適切にまとめつつ/その結果導出される仮説を形成して(これも同時にできないと意味なし)」→これらを結果にしてまとめる、という無理ゲー。

2015-02-21 01:34:01
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken それらをそれぞれ{0,1a,1b,2a,2b,3}と並べてみると、この6段階のどこでエラーが起きているのかが結構な頻度でわからなくなる。しかも人文で研究が詰まると、だいたいその叩かれ方は自己責任になるので、メンタルも弱る。よくない。

2015-02-21 01:35:38
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 事例: 「沢山読んで沢山書いているのに、それが何のポジションから言われているのか評価されない【段階0のエラー】) 「沢山読んでいるようだが読み方が恣意的過ぎて読んだことになっていない【段階1aのエラー】」

2015-02-21 01:37:10
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken (承前) 「精読しているが分量が少ないせいで、プロとして求められる水準の読書量に達していない【1bのエラー】」 「精読も多読も習慣として続いているが、それらを適切にレビューとして記述するだけの体系的整理能力が示せていない【2aの欠如】」

2015-02-21 01:37:58
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken (承前) 「沢山書き沢山読んでおりレビューも書けるが、既知の知識からuniqueな論点を出すことができず、まとめ屋で止まる【2bの欠如】」 「0,1ab,2abのいずれかで詰まったために、文章の成果がcontributionとして受け取られない【3のエラー】

2015-02-21 01:39:42
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 人文研究における研究行為のエラーは、この6過程の内部で(しばしば同時多発的なかたちで)故障してしまうのではないか、ということを考えていたのだった。

2015-02-21 01:43:08
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken そもそも研究論文というものは、この6過程を一周した系として、系同士が相互に批判継承を繰り返すことで新しいものを作ることを念頭に置いているわけだが、実のところこの系の内部のエラーを探索するということについては、論文技法とか院生活本でも巧くは書かれていないのでは。

2015-02-21 01:45:04
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 逆に言えば、この6過程を限定された分野で回せれば、在野だろうと院内徒弟だろうと、スランプに陥った職業研究者だろうと、それは立派なacademic contributionの系をその場で一単位構築できたと言ってよいのではないか。

2015-02-21 01:46:40
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken その最初の一周目からの、数周回をうまくコーチングしたりエラーチェックしたりするhowtoが求められる。

2015-02-21 01:47:25
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken もうちょっとだけ書く。先の6過程で、研究訓練を受けると0,3はかなりわかりやすくなる。それが仕事でありdisciplineだと仕込まれるからね。でも間の1abと2abは、それぞれの達成の目標ランクに応じて取りうる戦術や努力量がまるで変わってきて、対応が難しい。

2015-02-21 02:05:24
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken たとえば、「研究者は精読できなきゃクソだ」と言われて丁寧に読んでたら「そんな風にちんたら読んでたらろくな発表にならんぞ」と言われる。これ #どうせいっちゅんじゃ だけど、正解は「可能な限り成立させる」が研究生活として唯一の正解なのよね。どっちが欠けてても叱られる

2015-02-21 02:07:04
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 2abも同じ。「好き勝手にお前の思いつきの思想を書いても誰も興味ないから」という批判と、「これ単にまとめただけで学部生のレポートじゃないんだから」という批判とは、実は両方を躱す唯一の手段がある。しっかり文献をレビューし、かつ新規に意義づけること。

2015-02-21 02:09:01
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 言葉のキツさに騙されて、あっちが立てばこっちが立たずになって路頭に迷わされることが多いわけだけど(自分が実際そうだったわけだけど)、「沢山の文献を正確に読むこと」と「正確な読みの結果報告を元に論を導出すること」は、二段階それぞれの両天秤を保つ以外に正解はないわけ

2015-02-21 02:11:02
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken もちろん当座は「正確に読み、その結果を正確に文章/発話として出力する」つまり「精読結果の描出」を基礎訓練単位とするしかないわけだけど、一定以上の成果を出すためには、その基礎訓練単位を熟せる量を、同業者に認められる程度には増やしていかないといけない。

2015-02-21 02:13:29
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken この「その時々の機会における“文系”の正確さ」と、「コンスタントに出力を出し続ける時の(そこそこの正確さを所与のものとした)平均的出力量」とを、両方を伸ばして当たり前だと見なされ、それに少しでも瑕瑾があったらぶっ叩かれまくる、というのが文系の高等教育なんですね。

2015-02-21 02:16:46
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken だから、ぶっ叩かれた時に、ぶっ叩かれた理由を糞真面目に考えるのではなく、「どこかで研究作業の日々の運営で複数箇所エラーがある」と考えられるフレームワークを常に脳みそのダッシュボードに入れておく、というのが、健全な立ち戻りにつながるんじゃないかと思います。

2015-02-21 02:21:26
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken それがどういうものか自分で考えた結果として、0,1ab,2ab,3というものがあったわけです。自分は最初1aと2bが弱かったので3にたどり着けなかったんですが、その弱点を補修している間に今度は1bと2aに致命的な困難を抱えて、どんどん具合が悪くなりました。

2015-02-21 02:24:29
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 平文で書くと、「むかしは濫読した結果としての思いつきでモノを言っていた」が、今度は「精読水準を上げるプレッシャーのために読むべきものを読むだけの行動量が削り取られて、いつまでも3にたどり着けない無力感にやられていった」という感じですね。

2015-02-21 02:26:29
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 読めなくなった外部要因も色々あるんですが(そしてそれらは修復期間を通じて個別撃破できる程度に分割し撃破できるくらいに可知のものになりつつあるわけですが)、とりあえずはこんな感じ。

2015-02-21 02:28:01
tricken@暁月6.0済 @tricken

そうそう、言説介入作業のエラーチェックは先の6段階でいいけど、それ以前の人間のエラーとして α 経済苦 β時間不足 γ人間関係の支障 δ心身不調 の4つは、一つだけならともかく二つ以上だと作業どころではなくなり、4つ満貫になると確実に緩慢に死ねるので全作業撤収しすぐ逃げろ。

2015-02-21 03:09:23
tricken@暁月6.0済 @tricken

まとめると「生活費、心身の健康、人間関係、少なすぎない程度の時間」を確保できているか確かめた上で「言説空間での位置取り、正確な読み、系統的かつ大量な読み、適切な要約記述、有意義な注釈記述、以上を総合して言説空間への新たな貢献を為す」までの一周を遂行する際の際限なきバグ取りが研究。

2015-02-21 03:14:29
tricken@暁月6.0済 @tricken

@tricken 4つの(人間としての)性能維持基盤と、6つの(研究活動における)機能不全リスクのある作業工程、合計10の項目でエラーが出ていないかを常に考えなければ、躓いた時になかなか戻ってこられない。最悪そのまま脱落する。

2015-02-21 03:17:01