コーヒーは救われるべきなのか。 ~日経サイエンス4月号発売記念~

日経サイエンス4月号発売記念まとめ。 ちょっと検証みたいになったけど、古田さんはきっと怒らないはず(笑)。 実は珈琲に関するまとめはこれが初めてです。
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Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 実用化されてる(=商業用に農園で栽培されている)ものはないです。研究所レベルでは、例えば日本で、カフェイン生合成酵素の遺伝子を潰してやって、カフェインを作らないコーヒーノキを作らせたりとかいう報告はある。

2015-02-26 20:06:44

Dominique_Domonさんは遺伝資源系の研究者さん。
大麦のご専門家です。

Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

@Butayama3 @y_tambe 奈良先端大の佐野先生(既に退職)が、遺伝子組換えデカフェ・コーヒーを作ってたっけ。(実物を見たことある)

2015-02-26 20:08:03
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@y_tambe @Dominique_Domon あらまあ。 大豆やトウモロコシでできるなら、珈琲豆だって既に商品化してそうなのに。

2015-02-26 20:10:26
Y Tambe @y_tambe

@Dominique_Domon @Butayama3 そもそも、特定されてる遺伝子が少なかったですからね。耐さび病遺伝子だって、まだ特定されてるわけではない。そのあたりが、去年のロブスタ・ゲノム解読で、一気に進む可能性があるので、みんな騒いでるというか。

2015-02-26 20:11:48
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 @Dominique_Domon 組換えで出来たヤツのカフェイン量は確かに減ってはいたのだけど、デカフェの基準値にはちょっと及ばなかったと記憶してます。あと遺伝子組換え作物を植えるには、いろいろクリアしないといけない条件も多い上、反感も大きいし。

2015-02-26 20:13:36
Y Tambe @y_tambe

まあ、耐さび病遺伝子の研究が進んだり、謎に包まれているコーヒーさび病菌の生態が明らかになれば、個人的にはいろいろと面白いのだが。論文チェックしがいがあるというもの。

2015-02-26 20:15:49
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 @Dominique_Domon あとまぁ、圧倒的に不利なのが、作ってから収穫できるまでに4年かかるんよ。

2015-02-26 20:16:42
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 @Dominique_Domon 最近の早生品種なら2-3年のものもあるのだけど、それ使ってもきちんとF6世代まで交配つづけて、安定した「品種」にするまで10-25年。息の長い「アグリビジネス」でないと、厳しい。

2015-02-26 20:20:30
Y Tambe @y_tambe

2006年時点のCoffea属、106種の解説 sites.google.com/site/coffeetam… その後、Psilunthus属と統合されて126種に twilog.org/y_tambe/date-1… twilog.org/y_tambe/date-1…

2015-02-26 20:25:52
Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

@y_tambe しかも生産に繋げるには増殖もしないといけないし。遺伝的にでき上がってからも結構時間がかかる。

2015-02-26 20:28:21
Y Tambe @y_tambe

@Dominique_Domon はい。それを生産諸国は、これまでコツコツと地道につづけてきたわけで。1970-80年代に、コーヒーさび病が中南米に侵入してから、HdTというロブスタxアラビカ4倍体との交配育種に取組み、90年代以降になって、やっと耐病品種がリリースされた。

2015-02-26 20:31:53

あれ、耐病品種が既にあるんだ。

Y Tambe @y_tambe

@Dominique_Domon @Butayama3 ここらへん、じつは『田口護のスペシャルティコーヒー大全』に提供した品種チャートに、見る人が見れば、ちゃんと流れがわかるように書いてたりする。「こんなこともあろうかと」案件。

2015-02-26 20:34:12
Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

@Butayama3 @y_tambe しかも、遺伝子組換え作物の場合は安全性評価試験や生物多様性影響評価(その制度がある国では)もしなければならないので、余計にコストがかさむのです。よって、長期間の投資を支えられる安定な資本がないと実用化は難しいところ。

2015-02-26 20:48:17

なるほど。遺伝子組み換えの珈琲豆を実用化するには時間がかかりすぎたりお金がかかりすぎたり。

Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

色々な画像を見ると、コーヒーは実生苗ではなく接ぎ木苗で増やすようだ。木本には多いスタイルだけど、そこがまた手間がかかるのでトウモロコシやダイズのようにはなかなか行かない。

2015-02-26 20:45:16
Y Tambe @y_tambe

@Dominique_Domon 両方可能なんですが、接ぎ木にするのは主にセンチュウ対策が多いかと。アラビカはセンチュウにも弱いのですが、ロブスタは強い。

2015-02-26 20:54:18
Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

@y_tambe そうすると、穂木の方は必ずしもクローン苗ではない(実生の)ことも?

2015-02-26 20:58:04
Y Tambe @y_tambe

@Dominique_Domon どれくらいの割合かまでの具体例については詳しくないですが、写真では見た覚えがあります。と言っても、コーヒーの場合はアラビカ種での自家受粉率が90%以上と言われてるので、普通でもかなりクローン化するっちゃするのですが。

2015-02-26 21:01:56
Eiji Domon/ Bernardo Domorno @Dominique_Domon

@y_tambe なるほど。同じ接ぎ木でも遺伝的に均一な実生苗を穂木に使えると。それなら成木の枝先から穂木を取るより増殖効率は良いですね。ありがとうございます。

2015-02-26 21:04:42