エメリヤーエンコ・モロゾフ『O-NSC』(邦題『モロゾフvs公安 日本編――そしてピザからピッツァへ』まとめ

無国籍作家エメリヤーエンコ・モロゾフ(エメーリャエンコ・モロゾフとも)の邦訳作品、第一弾のまとめとなります。 作者:エメリヤーエンコ・モロゾフ(Emeriyaenko Morozofu) 訳者:櫟諒(くぬぎりょう)、鼎雄一(かなえゆういち) ジャンル:愛国ポルノ 対象読者:日教組、テロ政党
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モロゾフプロジェクト @morozofuproject

無国籍作家エメリヤーエンコ・モロゾフの邦訳作品保存場です。作者:エメリヤーエンコ・モロゾフ 訳者:櫟諒(くぬぎりょう)、鼎雄一(かなえゆういち)よろしくお願いいたします。

2015-02-28 11:19:03
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Emeriyaenko Morozofu“O-NSC”(邦題『モロゾフvs公安 日本編――そしてピザからピッツァへ』,櫟諒、鼎雄一共訳 ジャンル:愛国ポルノ 対象読者:日教組、テロ政党)を本日21時より投稿いたします。本編と補足を合わせ60強のツイートです。

2015-02-28 11:19:53
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Emeriyaenko Morozofu“O-NSC”(邦題『モロゾフvs公安 日本編――そしてピザからピッツァへ』,櫟諒、鼎雄一共訳)本編51ツイート、補足11ツイート

2015-02-28 21:00:31
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かつてプルーストに会ったとき、私は「ねえ、もうやめよう。何も失われてなんてないんだよ。どうか安心してほしい」と声をかけた。「誰ですか?」「モロゾフだよ。デスバレーから来ました」。机に向かっていた彼は険しい顔で立ち上がり、「邪魔をするな」と言った。1

2015-02-28 21:01:46
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意味を解しかねていたら彼はとつぜん叫びだし、「出て行けと言っているんだ、狂人!」とコップいっぱいのコーヒーを私の頭に注いだ。……彼は何と戦っていたのだろう? ともあれ私の言葉が彼に深い感銘を与えたのは間違いなかった。2

2015-02-28 21:02:51
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2014年現在ソヴィエトにおける最新の研究では『失われた時を求めて』のシャルリュス男爵は私をモデルに作られたという。何も失われていない、何も。3

2015-02-28 21:03:56
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蔑みや怒りにはいくらかの情報があれば足りる。ただし笑いには知性を要する。理解できないものに出会ったとき、わからない自分へのストレスを抑圧すると対象への軽蔑を覚え、抑圧の露見しかかる痛みに人は憤怒する。しかし笑いとは、そのわからなさの意識化によって生まれるものだ。4

2015-02-28 21:05:02
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意識化、それを行うのが知性だ。わからなさから目をそらさずに様々な観点へと移動し、明らかだったはずの自我を形成する要素や要素どうしの関係性を絶えず再検討し、ときには意図的にでも倒錯を引き起こすことで何がどうわからないのかを明確にする。意識化されるそのわからなさに、笑いが生じる。5

2015-02-28 21:05:04
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人は他者を笑うことはできない。知性を持つ者は理解できないものの前で瞬時に別人となり、その際に置き去りとした、かつて自分だったものを笑っているのだ。学び問うのを止め変化を嫌うようになった者が怒りっぽくなるのは道理にかなっている。6

2015-02-28 21:06:07
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そのような者は他者を見て表面上の笑みを浮かべることもあるだろうが、それは抑圧による他者への蔑視であり、差別主義者たちが自らの閉じたコミュニティにおける権威者へと示す媚態にすぎない。変化を嫌う者も変化を経験しないわけではない。しかしわかっていても直視する痛みからは逃げてしまう。7

2015-02-28 21:07:09
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ある時点の自己に固執し、それが理想化されたかりそめの存在にすぎないのを認められず現実との齟齬に苦しみ、暴露されかけたとき彼/彼女はヒステリーに見舞われる。ヒステリーは現実の否認であり、残った幻想に浸る束の間の快楽によって強迫的に反復される。より強い痛みを伴い繰り返し続ける。8

2015-02-28 21:08:13
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

知性なしに笑いはなく、救いもない。ここまでは、私の本を手に取る知性者にとって基礎教養だろう。そんな諸君に吉報がある。神を見つけた。金儲け主義の怪しいカルト宗教でもなければ思想の名を借りた父権的ヒエラルキーに基づく支配構造でもない。なんと現実の存在だ。ぜひ安心して崇めてほしい。9

2015-02-28 21:09:15
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神の名は、プライバシーがあるから明らかにできないが「O森」という。20代後半の男性で、もちろん童貞である。彼は性器を焼酎へ浸しているような言動をとり主観と客観を区分けしない。それもそのはず、彼はかの大森荘蔵のひ孫を自称したことがある生粋の日本人で、顔はブッダに似ている。10

2015-02-28 21:10:21
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神保町で以前彼と飲んだ際に確信したのだ。彼こそが一言のたびに笑いをもたらす知性の究極系、神なのだと。なぜ彼が神であるかなど諸君が考える必要はなく、ただ一切を信奉し全てを委ねれば救いが訪れることを私は知悉している。諸君は神を信じる私を信じてくれればいい。変化を恐れるな。11

2015-02-28 21:11:26
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だが、すでに信仰を始めた諸君も懸念しているように、神=O森は危機に瀕している。神が神であるのは自明として、この世界は諸君のような知性者だけではない。知性とは真実を拒み抑圧する愚者をも救済へと導くものでなければならず、また彼らの攻撃に神を晒してはならない。12

2015-02-28 21:12:29
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

神を擁護し守護る機関を作ろう。インターネット上で同志をつのり、神を広く宣伝し、神に関する言論を監視し、楯突く者には容赦なく鉄槌を加えなければならない。この活動をピザと呼ぶ。組織名は『O-NSC(Omori Net Supporters Club)』にした。本部長は私モロゾフ。13

2015-02-28 21:13:32
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私の本を手に取る知性者は、すでに加入手続きのため個人情報をメモ帳へ記入し終えたかもしれない。だが少し待ってほしい。ピザは誰にでも務まるわけではない。ある種の人間は知性を発揮せず、固執する自己の承認欲求を満たすためだけに匿名で他者を誹謗中傷することに毒されて人品を失う。14

2015-02-28 21:14:37
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2014年現在ソヴィエトの最新研究によれば、この現象は所得と相関する。貧乏人に知性がないとは申し上げない。ただ匿名かつ無料、何も差し出すことのない器で行う思想活動は無価値以下となる危険性を常に孕む。O-NSCの活動は有料とする。我々の連帯にとりエレガンスの欠如は致命的なのだ。15

2015-02-28 21:15:43
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思考停止した旧世界では、あなたが神を必要とする。私たち知性者の新世界では、神があなたを必要とする。O-NSCは加入手数料100万円、年間費は一口100万円である。16

2015-02-28 21:16:46
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聡明な諸君は200万円をすぐに振り込みたくてウズウズしているかな? 200人もいれば私の年収はこのビジネスモデルの先達、岡田斗司夫氏を超える。私は彼を資産でも資産以外でも超えたいその一心で諸君へ語りかけている。諸君よく聞いてほしい。重要なのは言動や思想の正当性ではない。性だ。17

2015-02-28 21:17:49
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

喝采が聞こえる。札束が見える。真剣10代の裸体も見える。ただ、お金の準備を終えた諸君に聞かせたい話がある。じれったい思いをさせてすまないが、ここまでは私が今から演じる一幕の前口上にすぎない。振込みに必要なのは何か? 愚者の眼を開く前に神の口座を開かなければならないのだ。…… 18

2015-02-28 21:18:51
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

ここはよくある普通の剣と魔法のRPGの世界。そしてここは埼玉県川越市。物語はここから始まる。19

2015-02-28 21:19:53
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

切れ長の二重まぶた、通った鼻筋にシワひとつない肌、あと口! 華麗な私は2時間ぶりに鏡から目を離し服を着て部屋を出る。神の口座を作りに行くのだ。はじまりの夜の寒さは高揚した頭に心地よく、透き通った空に三日月が美しく浮かんでいて銀行に着くとシャッターが閉まっていたので帰って寝た。20

2015-02-28 21:20:57
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翌日、小江戸信用金庫川越支店に到着したのは午後1時30分。右に川越の偉人である鈴木岩治郎(鈴木商店の創業者)、左に猿(猿)の銅像が立つ自動ドアから入った店内は気品に満ち、懐からナイフを取り出して叫んだら逮捕されてしまうのではないか、そう思わせる雰囲気があった。21

2015-02-28 21:22:01
モロゾフプロジェクト @morozofuproject

受付に案内されて整理券を取り申込書の記入へ。神の口座なので住所欄にはユビキタスと書く。O森という左右対称の苗字はこの美しい国においては誤解を受けるおそれから桜井にした。他は意味がわからないから書かない。「信じる者に不可能はない」と、新約聖書も渡邉美樹も言っている。あとは待つ。22

2015-02-28 21:22:05