【艦これ連載SS】秋雲さんと東方小説書き提督　その３

浅木原忍@31日西う25ab @asagihara_s

「それだけではないぞ、戦艦棲姫。赤城と加賀、蒼龍と飛龍、鈴谷と熊野、響と電。戻ってくる面々から百合っぷるはよりどりみどりだ」 「ナン……ダト……」 センカちゃん、「オオ……！　世界ニ百合ガ満チル……！」と両手を広げて歓喜にむせぶ。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「……アノセンカガ、一体ドウシテコウナッタンデショウネ？」 「私ニ訊カレテモ……イイコトダト思ウケド」 リトちゃんとワンコちゃんも困惑気味。そりゃそうか。秋雲だって呉に戻ってあの呉の堅物提督が百合厨になってたら何事かと思うよ。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「デモ、センカ。忘レナイデ」 と、ワンコちゃんが歩み寄って言った。 「イツマデモ、コノ鎮守府ニイルワケニハ、イカナイノ」 「…………」 センカちゃん、瞬時に真顔。 「くーガ不審ニ思ウ前ニ、戻ラナイト」 「くーって空母棲姫のこと？」と秋雲。 「ソウ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「くーニハ私ガヨク言イ聞カセテオキマシタカラ、シバラクハ誤魔化セマスケドネ」 リトちゃんが言う。そういえばセンカちゃんの脱出を助けたんだっけ。 「ケド、イツマデモセンカガ戻ラナケレバ、マタ癇癪ヲ起コシテ攻メ込ンデクルデショウネ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「…………」 「ダカラ、センカ。近イウチニ戻ルコトハ理解シテ」 「嫌ダ」 「エ？」 「嫌ダ！　嫌ダ嫌ダ嫌ダ！　私ハココニ残ル！　百合ヲ！　百合ヲ見ルノ！　ヤダヤダヤダ！　きまし！　きましノ塔ガ建タナイナンテ嫌ダァー！　イヤァァァァァァ！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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センカちゃん、絶叫。暴れ出したのを、慌ててワンコちゃんとリトちゃんが押さえ込む。 「センカ、ドウドウ」 「ウッ、ウウ……嫌ダ……百合ヲ……私カラ百合ヲ取リ上ゲルナ……百合……百合ガナキャヤダ……ヤダヤダヤダァ……帰リタクナイ……」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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ダメだこの戦艦棲姫、早くなんとかしないと……。 皆が呆然と見守る中で、センカちゃん、突然がばっと跳ね起きた。 「ソウダ！　イイコトヲ思イツイタ！」 「エ？」 「港湾！　離島！　オ前タチガ百合ニナレ！　ソシテ私ニきましノ塔ヲ提供シロ！」 「ファッ！？」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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ワンコちゃんとリトちゃんが顔を見合わせる。 「それは名案ですねえ！」 おいこら漣、急に活き活きとしだすなよぉ！ 「センカさん！　不肖漣もその名案に助力を惜しみません！　深海棲艦にも百合を！　百合を伝道するのです！　漣とセンカさんで！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「オオ、漣、解ッテクレルカ……！」 「それはもう！　この世に百合っぷるを増やすためなら漣は地の果て海の底までもお付き合いします！」 「サザナミ……！」 がしっ。ああ、百合の伝道師と三次百合厨が手を組んでしまった……！　怖ろしいことが起こる……！ #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ソウダ……百合ヲ、きましノ塔ヲ深海ニ広メルノダ……」 センカちゃんは満足げに頷いて、それからその場にいる面々をぐるりと見回す。まず秋雲と菊月ちゃんに目を留めて、ひとつ頷いた。それから時雨と夕立の方に視線を向ける。 「ソコノ……ホモ！」 「僕！？」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ホモデハナカッタカ。港湾ガソウ言ッテイタ気ガスルガ」 「いや書いてるのはホモだけど僕はホモじゃないよ！？　僕は時雨！」 「時雨カ。貴様ハ百合カ」 「えっ！？　あ、い、いや、僕は……その……」 時雨、赤くなって俯く。あれ、時雨って特定の相手いたっけ？ #秋雲さんと東方小説書き提督

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「あ、相手はいる……けど……ここの鎮守府にはいないから……」 「おっと、それは初耳だぞ時雨。水臭いな。相手は誰だ、呼び寄せよう」 「提督！？　い、いや、あの……」 「時雨の相手なら、山城っぽい？」 「夕立！」 時雨が真っ赤になって吠えた。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「山城か……戦艦を呼び寄せるのは難しいが、佐世保と交渉してみるか」 「え、て、提督、いいよそんな……山城とはいつもスカイプで話してるし……」 「夕立が寝てる横でスカイプでテレフォンセックスするのやめてほしいっぽいー」 「だから夕立ー！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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うわあ、時雨の秘密が怒濤の勢いで暴露されていく……。 「コウイウノヲ、ナントイウノダッタカ」 「……遠距離恋愛？」 「ソウ、ソウダ。ナルホド……相手ガコノ場ニ居ナクテモ百合ハ成リ立ツ……フムン……」 また何かセンカちゃんが学んでしまったし。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ソウイエバ、ジウ＝サンノ男体化ホモ、言葉責メ多イ……」 ワンコちゃん、ぽっと赤らめた頬に手を当てて時雨を見やる。 「アレ、アアイウノ実際ニヤッテルノ……？」 「訊かないでー！？」 「時雨の山城への言葉攻め、毎晩すごいっぽいー」 「夕立ぃぃぃぃ！！」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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時雨、がっくりとその場に膝をついて失意体前屈。ご愁傷様……。 「フムン。時雨、イズレ詳シク聞カセテモラオウ」 「やめてぇ……」 センカちゃんの言葉に時雨は丸くなって震える。センカちゃんは構わず夕立の方を向いた。 「夕立トイナッタ。オ前ハ百合カ」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「ぽい？　夕立は彼女いないっぽいー」 「ナンダソウカ」 終了。百合関係ない相手にはとことん興味ないんだなセンカちゃん！ 「木曾、オ前ハ」 「残念だが、俺もそっちの期待には答えられん」 「ツマラン」 そいや木曾さん、普通なら一番彼女いそうなのに。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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それからセンカちゃんは朧を振り向く。 「オ前……ハ、消毒薬ヤ絆創膏ノフェチダッタナ。百合デハナイナ」 「バラさないでー！？」 朧、悲鳴。 フムン、とセンカちゃんは提督に向き直り、提督へ歩み寄った。 「提督ヨ。相談ガアル」 「聞こう」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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「私ハ百合ヲ深海ニ広メネバナラン。ソノタメニハ、私ガ感ジタきましノ塔ヲ、深海棲艦ノ仲間タチニ伝エルタメノさんぷるガ必要ダ」 「つまり？」 「コノ鎮守府ノ百合ップルヲ、何組カ借リ受ケタイ。ソシテソノチュッチュヲ以テ、深海ニきましノ塔ヲ乱立サセル」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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提督はニヤリと笑って、その言葉に頷いた。 「よかろう」 「って、提督！？」 「戦艦棲姫もあと数日はここにいられるだろう。明日にはＡＬ組とＭＩ組が戻ってくる。しばらくは大規模作戦もない。その間に連れて行く百合っぷるを選定するといい」 #秋雲さんと東方小説書き提督

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――そう。そういうわけで、夏コミ後に始まったのがセンカちゃんによる、百合っぷるオーディションだったわけよぉ。 そこに新しく着任した連中も加わって、まあ色々あって……次からはそのへんの話してくねぇ。よろしくー。 #秋雲さんと東方小説書き提督

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（つづく） #秋雲さんと東方小説書き提督

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さて、センカちゃんの百合っぷるオーディションの話だっけ。 そう、そっちに艦娘の百合っぷる連れてって三次百合を布教しようっていうさあ、センカちゃんどうしてこうなった。わりと漣のせいのような気もするんだけど。え、秋雲たちのせいじゃないかって？　違うよ！ #秋雲さんと東方小説書き提督