忍殺二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯2(実況付き)
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「……ニンジャスレイヤーの位置はアマクダリ上層部も把握していない。が、その協力者と思しき連中は何人か確認されている」写真を見たニンジャ一同が目を丸くした。口笛を鳴らすものさえいる。貼られた写真がどちらも女のものだったからだ。31 #4215tk
2015-03-02 21:09:04「まず、こっちが」と、ニードルシューターが示したのは金髪コーカソイド女性の写真。「ナンシー・リー。ニンジャスレイヤーを電子面でサポートするヤバイ級ハッカーだ」説明を終えた彼は肩を竦める。「捉えればキンボシ・オオキイだが、居場所を掴ませぬ」32 #4215tk
2015-03-02 21:12:17「そのハッカーも探すのか?」トランキライザーが問う。「可能ならばな。だが難しいだろう……こちらはまだ発見の可能性が有る」そう言ったニードルシューターが示したのは、眉の位置に彫られたイバラめいたタトゥーの目立つ少女の写真。33 #4215tk
2015-03-02 21:15:07「エーリアス・ディクタス。ニンジャだ。なんらかのニューロンに作用するジツの使い手と考えられている」ニードルシューターの説明を聞きつつ、一同は視線を写真に集中させる。「反面、カラテはさほどでもなし!ひとまず今後の目標として彼女の捕獲を設定したい」34 #4215tk
2015-03-02 21:18:06「捕獲?」ワンヒットワンダーが訝しむ。「殺してはいかんのか、そのニンジャ」「面倒なことにな」ニードルシューターがうんざりと返す。「なんでもアマクダリの協力者が興味を示しているらしく、生け捕りの指示が出されているのだ」「それはそれは……」35 #4215tk
2015-03-02 21:21:08「だが……御誂え向きなことに、ここには捕獲のスペシャリストが二人もいる」ニードルシューターはスライハンドとトランキライザーを交互に見やった。「故にこのニンジャ捕獲には、二人に協力してもらいたい」「ヨロコンデー」「アイ、アイ」二人のニンジャが頷く。36 #4215tk
2015-03-02 21:24:08「シーリングファン=サンも手伝ってくれるか。ニンジャスレイヤー襲撃への備えだ」「構わんぜ?俺のピストル・ナギナタでネギトロにしてやる!」「話を聞いてましたか、シーリングファン=サン」スライハンドが呆れたように言った。「彼女は生け捕りです」「わかってるよ!」37 #4215tk
2015-03-02 21:27:12「……そうなると、俺たちは待機か」クレヴィースの呟きに、苦笑していたニードルシューターが表情を引き締めた。「いや。悪いが残った者には別のミッションに当たってもらう」そして彼は、もう一枚の写真をホワイトボードへ貼り付けた。ウエスタンハットを目深に被る男の。38 #4215tk
2015-03-02 21:30:06クレヴィースらの視線が集中したのを確認し、ニードルシューターは口を開く。「ニンジャスレイヤーとは別口に、アマクダリと敵対したニンジャがこの区域に潜伏したとの報告があった。近辺のバーに潜伏していると考えられる。見つけ次第、始末を」39 #4215tk
2015-03-02 21:33:12「成る程、俺ら向けの仕事だな!」ビッグウィリーが破顔する。スプリンクラーは首を傾げ、写真を見つめる。「で?このニンジャはなんて名前なんだ?」「ジェノサイド」ニードルシューターは言った。「諸君らの火力が必要だ。灰にするつもりでかかってくれ」40 #4215tk
2015-03-02 21:36:07「ハァー……」カウンター席に座った女が、困ったように溜息をついている。「どうしようかなあ」彼女は額に手を当て、呻くように言葉をこぼした。カウンターの向こうのスモトリ崩れマスターは、奥ゆかしく沈黙を保っている。彼は女の前にそっと注文の品を出した。43 #4215tk
2015-03-02 21:42:42「あ、ドーモ」女はマスターの差し出したホット・ミルクを受け取り、ちびちびと口をつける。「……まったく、みんなどこ行っちゃったんだか。サヤカ=センセイも断りなしに外出しちゃうし……」彼女の独り言がまた再開する。もっとも、バーの中でそれを気に留める者はない。44 #4215tk
2015-03-02 21:45:13女の出で立ちは少し風変わりだ。店内にも関わらず、防雨用のPVCガッパを着込んだまま。編笠は外され、首に引っ掛けられている。それさえ除けば、まだ幼さの残る普通の女と言えた。自らのオサゲ・ヘアーをいじりながら、彼女はなおも呟く。「どうするかなあ、もう」45 #4215tk
2015-03-02 21:48:10「おい」不意に声をかけられた彼女は、慌てて左右を見渡した。そしてすぐに声の主を見つける。カウンター席の端、薄暗い闇の中に座るカソックコートの男。「……さっきからうるせェぞ、嬢ちゃん」「ア……ゴメンナサイ!」女は慌てて頭を下げた。46 #4215tk
2015-03-02 21:51:40男は低く鼻を鳴らす。「悩みごとなら、口を閉じてやるか、他でやるか。どっちかにするんだな」女はこくこくと頷いてみせた。男はゆっくりと視線を自らの前に置かれたグラスへと移し、それを一息に呷る。女は小さく息を吐き、自らを戒めるように額を指で叩いた。47 #4215tk
2015-03-02 21:54:16またホット・ミルクに口をつけ、女はしばし沈思黙考する。ややあって彼女はマスターを手招きした。「ハイ」「あのね、あっちの人に何か適当なサケを奢っておげて」女は先ほど声をかけてきた男をこっそりと視線で示し、小声で言った。マスターが怪訝な顔をする。48 #4215tk
2015-03-02 21:57:20「さっき迷惑かけちゃったから。お詫びを」「ハイ、ヨロコンデー」得心顔で頷いたマスターはのそのそと移動していく。それを見送り、再び女は思案をしようと「ワイルドウェスト?」不意に背後からかかった声に、彼女は驚き、振り向いた。49 #4215tk
2015-03-02 22:00:14