忍殺二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯2(実況付き)
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ガンドーはおどけたように目を見開く。「なンだ、俺がいなくても大して問題なさそうだな」「ここまでは、の話だ」大してサヤカの顔は厳しい。「事の次第によっちゃあ、あのバカ弟子どもとイクサをせにゃならん。坊やにはその時のボディガードも務めてもらうつもりさ」12 #4215tk
2015-03-02 20:15:14サヤカの言葉に、ガンドーは眼を細める。「……なァ、サヤカ=サン。もし弟子が見つかったら、あんたどうするんだ」「説得はする」「……失敗したら?」サヤカはゆっくりと探偵を見上げる。その目は冷酷なまでに暗い。「イクサだね。あンたにも手伝ってもらう。生死は問わない」13 #4215tk
2015-03-02 20:18:15「……薄情に聞こえるな」ガンドーは呟くように言った。サヤカが肩を竦める。「いいのさ。あンた、一応はニンジャだろ?」「わかっちまうか」「わかるさ。伊達にニンジャを弟子にとってない」サヤカが口角を吊り上げた。「それもただのニンジャじゃない。イクサ慣れしてるね」14 #4215tk
2015-03-02 20:21:02ガンドーは答えない。大仰に肩を竦めて見せただけだ。サヤカが笑みを消す。「あンたみたいなニンジャとやり合う前に、状況判断もできないような弟子に育てた覚えはない。そこで死んだら所詮それまでの連中ってことさ」「オイオイ……俺がやられた場合はどうすんだ」15 #4215tk
2015-03-02 20:24:04「弱気だねェ、坊や。……万が一そうなったら、奴らに免許皆伝をくれてやるさ」サヤカが喉を鳴らして笑う。「あたしはね。インストラクションも満足に果たせないで粋がる連中を、弟子として扱うつもりはないんだよ」ガンドーは思わず苦い顔を浮かべた。16 #4215tk
2015-03-02 20:27:08「アー……参考までに聞いときたいんだがよ。あんたが教えたインストラクションってのは、なんだ?」「簡単さ」サヤカはあっさりと言った。「『勝てない奴にイクサを仕掛けるな』。シンプルだろ?」「シンプルだな。涙が出てくるくらいに」ガンドーが溜息をつく。17 #4215tk
2015-03-02 20:30:06「さ、無駄話はこれくらいにするかね!あンた、食べ終えたかい」「ああ、済んでる。……代金はどうする?俺が払うか」「いんや、あたしが払う」「そりゃありがたいな」ガンドーが笑みを浮かべる。サヤカも意地悪げな笑みを返した。「あンたに払う料金から差っ引いておくよ」18 #4215tk
2015-03-02 20:33:11バメンテンカン!それってガンドー=サンが払っても変わらな…アッハイ、サヤカ婆さんはとても気前がいいです。 #4215tk
2015-03-02 20:36:04ほぼ同時刻、ネオサイタマ某所のヤクザ事務所会議室!そこに集結するは、サンガ・ピストルカラテ・ドージョーを出奔した七人のニンジャたちだ。彼らはテーブルに置かれたスシ・パックからスシをつまみながら、会議室前方に立つニードルシューターを眺めている。20 #4215tk
2015-03-02 20:36:09「諸君らの働きに感謝する。この区画一帯のヤクザクランはほぼ沈静化し、アマクダリへと忠誠を誓った」「ああ、そのことなんだがな。ニードルシューター=サン」口を開いたのはワンヒットワンダーだ。彼は訝しげな視線を赤茶色装束のニンジャへと向ける。21 #4215tk
2015-03-02 20:39:11「こう言っちゃなんだが、戦力の割り振りに無駄が多すぎないか?そこらのヤクザなど、多くても二人がかりであればどうとでもなる」その一言に、ニンジャたちは頷きあう。ニードルシューターは基本的に三人組か四人組での行動を指示していたからだ。22 #4215tk
2015-03-02 20:42:09「理由がある」ニードルシューターが言った。「俺が以前に話したことを覚えているか?」「以前?……凶悪なテロリストがどうこうという、あれか」発言したのはクレヴィース。「そうだ。これまで多人数での行動を厳命したのは、テロリスト……ニンジャスレイヤー襲撃への備え」23 #4215tk
2015-03-02 20:45:20クレヴィースは些細な会話もしっかり把握していて頭もよく回る賢い奴だな、こいつは強そうだぜ! #バカ #4215tk
2015-03-02 20:47:55ニードルシューターの言葉に、サンガ・ドージョーの面々は視線を交わし合う。「ニンジャスレイヤー、ねえ。ご大層な名前じゃねえか」器用に椅子でバランスをとりながら言ったのはシーリングファン。「強いのかよ、ソイツ」「強い」ニードルシューターは迷うことなく言った。24 #4215tk
2015-03-02 20:48:15「奴はかつてネオサイタマを牛耳っていたソウカイヤを崩壊せしめ、さらにキョートのニンジャ秘密結社、ザイバツをも壊滅させた」誰かが小さく息を呑む音が会議室に響く。到底信じられぬ所業!「それは……事実ですか」スライハンドが緊迫した声で訊く。25 #4215tk
2015-03-02 20:51:06ニードルシューターは肩を竦めた。「そういう噂がある」その一言に、ニンジャたちの肩からどっと力が抜けた。「オイオイ!冗談キツイぜ、ニードルシューター=サン」苦笑混じりに言葉を投げかけたトランキライザーに、しかしニードルシューターは硬い表情を向ける。26 #4215tk
2015-03-02 20:54:05「あながち冗談とも言い切れん。そもそも、そのような噂が流れる時点で奴の力量が測り知れるというもの!」一同の表情が引き締まった。ニードルシューターがサンガ・ドージョーの面々を見渡す。「俺が諸君らに最終的に頼みたいのは、そのニンジャスレイヤーの始末なのだ」27 #4215tk
2015-03-02 20:57:02「が、奴とて手練れ!一対一の状況に持ち込まれ、各個撃破というのが最悪のシナリオだ」「だからグループ行動か」腕組みをしたビッグウィリーが唸る。ニードルシューターが頷き返した。「その通りだ。決して諸君らのワザマエを侮っているわけではない。それはわかってくれ」28 #4215tk
2015-03-02 21:00:05一同が頷くのを待ってから、ニードルシューターは背後のホワイトボードに何枚かの紙を貼り付ける。一番目立つ位置に貼られたのは、赤黒装束のニンジャの顔写真。そのメンポには威圧的な「忍」「殺」の文字が彫られている!「これが、ニンジャスレイヤーだ」29 #4215tk
2015-03-02 21:03:06「ネオサイタマで活動する以上、奴はいつ出現してもおかしくない」「都市伝説みたいな野郎だな……」スプリンクラーが漏らした呟きに、ニードルシューターは頷いてみせた。「だが実在する。気を抜かないでくれ」「アイ、アイ」続いて彼はその下に何枚かの写真を追加した。30 #4215tk
2015-03-02 21:06:11