胡蝶巡りし希いの淵 三日目の夢

集いの時。選択の時。
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悪魔《アルセム》 @fid_abs

「 さて 」  向き直りた先は、 湖水の眼差し。 「 礼には及ばないさ、 僕は僕の感じた侭を 君に促したに過ぎないのだから。 ロマンスグレーは あちらの花を ご所望のようだけれど。 君は如何だい、 クイーン・オブ・ハート? 」

2015-03-07 11:57:58
悪魔《アルセム》 @fid_abs

「 スノーホワイトの話を聞いて、 何か 視得たかな。 望む形は 」  其の先が 変わったのであれ 否であれ。 己を選ぶのであれば、 其の準備は出来て居る、と───云うよに。  銀の蛇が、 珊瑚の色を目指して 這い寄らん。

2015-03-07 11:59:13
人間《リリディアナ》 @LiliDiana_06

目を閉じて言う内容の詳細は解らずとも。そう、と頷いて聞いて。 「思うの。神様は、そこに在るだけよ。等しく見守るかも知れないけど、等しく手を貸してくれない存在だわ」 全てを投げ出したくなる日々に思った事。 「だから、言ったの。手を貸してくれる悪魔は、私にとってはお伽噺の神様みたい」

2015-03-07 12:53:10
人間《リリディアナ》 @LiliDiana_06

悪魔からしたら、全然褒め言葉なんかじゃないのでしょうけど、と小さく笑って。 「ねえ。その神さまは。『誰にとっての』神?」 不思議そうに尋ねる。あるいは、セレナの世界の人間からしたら異端すぎる問いであり考えかもしれない事。

2015-03-07 12:57:57
人間《リリディアナ》 @LiliDiana_06

「神は、手が届かず届けてくれないから神なのよ。理不尽なまでに平等に何もしない存在。私はそう思ってるの」 這い寄る蛇へ、僅かに屈み手を伸ばしながら。 「あなたは、どう思うかしら」

2015-03-07 13:00:49
人間《オド》 @fallin_odo

ディアドラの選択に目を細める。 「――君の選択に幸あらん事を」 神へではなく、ただあの少女の幸福を祈って口にする。 きっと何が合っても彼女は幸福だと言い張るだろうけれど。 「さて、二度目だな」 最初の夢のを思い出しながら、視線をトリトマへと向けて姿勢を正す。

2015-03-07 18:50:48
人間《オド》 @fallin_odo

「私はやはり、友人が欲しい」 願いの根底は揺るぎなく。 「でもその為に私は自社に関わる人々の信頼を放り出すということが出来ない。友が欲しくて作った会社だったが、逆に枷になってしまった。がむしゃらに投げだすことすら、今のままでは二の足を踏む」

2015-03-07 18:51:59
人間《オド》 @fallin_odo

「さて、人の心を操るのが得意だといったなトリトマ」 青が、赤い悪魔をまっすぐに見る。 「まず数が多くて悪いんだが、うちの社員と取引先、それから――新しく社長になる人物を紹介しよう。彼らと、私の心を操ってもらいたい」

2015-03-07 18:52:17
人間《オド》 @fallin_odo

「彼らには私がいなくても会社が機能するように。今、私へと向けられている信頼や気持ちを新しい社長へと。そしてその信頼を裏切らぬように新しい社長には彼らに向ける信用と義務感を」 「私には、親愛というものが何かというのを教えてくれ。すぐに消してくれて構わん。その感覚を知りたいだけだ」

2015-03-07 18:52:52
人間《オド》 @fallin_odo

「すべてを欲する為に、私は私の築いたあの場所を手放そう」 「そして私自身は足りない部品を、ただ買うだけではきっと無意味だ。私がそれを知って、自分で探さなくてはきっと何も大切になど出来まい」 完成されているなら壊せばいい。空いた場所へと必要な部品(こころ)を探せるように。

2015-03-07 18:55:11
人間《オド》 @fallin_odo

「だから私は、ただ『友人を得ること』ではなく、『友を得る環境《せかい》』を願おう」 淡々と、告げる。 「ちゃんと友を欲するだけではなく、友を必要と思えるような環境だ」 「お前が気に入ってくれる願いかどうかは分からないが、これが私の結論だ」

2015-03-07 18:55:47
悪魔《トリトマ》 @DemonKniphofia

聞けば、私は笑みを深める。腕を組んで、緩む頬に手を当てる。 「あなたの答えはわかったわ。随分、面白く、賢くなったじゃない?」 友達というものが何かを知らないまま、考えないまま、ただ欲しいと言っていた最初と、並べ比べてみたいと思うほど。 「それを私に願うなら、困ることが、ふたつ」

2015-03-07 19:53:17
悪魔《トリトマ》 @DemonKniphofia

指を一本、立ててみせる。 「あなたに紹介してもらうための時間が、私には少しも残っていないの。日が昇れば消えてしまうというのは、喩え話ではなくてね」 目を伏せ、肩を竦めて。 「私が勝手にするのを良く思わないなら、お金以外のものを用立ててもらわないといけないわ。これがひとつめ」

2015-03-07 19:53:26
悪魔《トリトマ》 @DemonKniphofia

伏した目を開いて、二本目の指を立てる。 「ふたつめ、仮初めの親愛を向ける相手を誰にするか」 「仮初めとはいえ抱いた感情は、完全に取り除いて忘れてしまわないかぎり、根を残すものよ。だから、あまり身近すぎると戸惑うし、あまり疎遠すぎると――」

2015-03-07 19:53:32
悪魔《トリトマ》 @DemonKniphofia

言葉選びに、少し悩んで。 「ううん……そうね、節操がなくなる、とでも言おうかしら……」 あまりいい表現は浮かばなかった。頭を振る。 「そういう変質をことごとく防ごうと思ったら、あなたという人格の同一性が疑わしくなるくらい、手を入れなきゃいけないわ。私、あんまり好きじゃないのよね」

2015-03-07 19:53:37
悪魔《トリトマ》 @DemonKniphofia

あまり手を加えると、出来すぎてしまうのがつまらない。最後だというのに、そんな叶え方をしたくはない。第一、彼が悪魔に望むことは、環境(せかい)の操作であって自己の変革ではない。 「さあ、このふたつの問題、オドはどうしたい?」 立てた二本の指を、ちょきちょきと動かして問う。

2015-03-07 19:53:42
人間《セレナ》 @selenite_bride

銀の蛇の迎えを受け入れる淵の女王の手を、そっと離して。 「……みなさんの話を聞いていて、不思議に思っていたんです。みなさんは、どうして……」

2015-03-07 20:11:57
人間《セレナ》 @selenite_bride

. 「悪魔がこうして眼前に現れたのに、何故、神の存在を、曖昧な物として語るのか」 .

2015-03-07 20:12:02
人間《セレナ》 @selenite_bride

「……私の神は、元より『祟る』もの。信じる者に加護を与えるか与えないかは主の気まぐれ次第ですが、不信心な者には等しく罰を与えます」 「……ある時代の王が、巫女として生まれた自分の娘可愛さに、竜を殺そうとしたことがありました。竜に刃を向けることは、神への冒涜と同じこと」

2015-03-07 20:12:04
人間《セレナ》 @selenite_bride

「……王は、報いを受けました。計り知れない犠牲を出して、人々は、神への畏怖を心に刻みました。……これは、私の世界の、紛れもない『史実』なのです」

2015-03-07 20:12:06
人間《セレナ》 @selenite_bride

「私は……」 「神とは、世界の支配者にして、我々より遥か高次元の存在であると、考えています」 「例えるなら、羊を放した遊牧地に茂る草。それが、神にとっての、人間です」 「私たちは、神にとって、竜を育てる餌として、たまたま適性があったから、生かされているだけなのです」

2015-03-07 20:12:07
悪魔《アルセム》 @fid_abs

「 全く、 君の云う通りだと 僕も考えて居るよ 」  蛇は 触れた手に擦り寄るよに 絡み付くよに 頭を寄せる。 「 神とは 何もしない。 それもそうさ、 人が願う 理想の偶像でしか無いのだから───スノーホワイトには 違うのかも知れないけどね 」

2015-03-07 20:13:45
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「悪魔は目の前にいるけど、神様は目の前にいないでしょ。それだけよ」 ハンカチを手にしたまま、白雪を見やる。 「あんたの世界とわたしの世界は違うわ。  同列に扱えない。わたしの世界に、神はいない。いるとして、それは民草が勝手に誂えた偶像よ」 ただそれだけだ、と。

2015-03-07 20:18:40
悪魔《アルセム》 @fid_abs

「 ───スノーホワイト。 君達が呼ぶ神が 神ではないと云うことでは無いのだろうさ。 人が そう呼べば 人にとっての其れと成る。 其れだけの事さ、恐らくね 」  蛇の這いた跡に 広がる 葉の 銀緑。 「 僕が悪魔であるのは 誰かが 悪魔と名付けたからであるのと 同じように 」

2015-03-07 20:19:33
悪魔《アルセム》 @fid_abs

「 嗚呼 お嬢さんと声が重なってしまったね、 これは失礼。  ───まあ、 雪白の君が 何を怖れるのか 僕には判らないけどね。 人が理に抗えないと云うならば、 人以外を使えば良いと 僕は思うよ 」  笑いて、

2015-03-07 20:22:59
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