二振り目の薬研藤四郎・日記1

二振り目の薬研藤四郎bot @second_Yagen

薬研「千切りというには太すぎるが、ともかく全部切り終えたぜ…」燭台「最初にしては上手だよ。お疲れさま」薬研「回数こなしゃ上手くなるかねぇ？」燭台「うん」薬研「じゃあ練習あるのみ、ってやつだな。教えてくれてありがとな、燭台切の旦那」燭台「どういたしまして」

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燭台「じゃあ、そろそろ夕飯の時間だから、配膳の手伝いをしてもらっていいかい？」薬研「勿論。手間かけちまった分も手伝わせてもらうぜ」

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千切り講座は一応無事に終わったぜ。これから晩飯だから、そっちの手伝いをしてくるな。

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…に、しても。千切りを教わってる間も時々、燭台切の視線を感じたんだよなぁ。手元を案じてるのとも違う、物言いたげな視線だった気がするんだが…俺の気のせいかねぇ？

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鯰尾「やっげーん！」薬研「ぅおわっ」骨喰「…(声の低さは相変わらずだな)」薬研「背後からいきなり飛び付いてくんな、驚くだろうが」鯰尾「悪い悪い！それより一緒に風呂入ろう！」薬研「別に構いやしねえが…風呂で泳ぐなよ？」鯰尾「あいあいさー！」薬研「(…泳ぐな)」骨喰「(…泳ぐぞ)」

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風呂だ。 あんだけ言ったのに、鯰尾はやっぱり泳いでるぜ…。ちったぁ予想裏切ってくれてもいいんだぜ…？ あと骨喰はアレを止めろ。

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骨喰「止めるだけ無駄だ」薬研「そうかよ…」骨喰「…薬研」薬研「ん？」骨喰「聞きたい事がある」薬研「何だ？」骨喰「…その」薬研「？」骨喰「…燭台切とは、どうだ」薬研「？どうだ、ってのはどういう意味だ？」骨喰「…親しくしているか」薬研「親しくってほどじゃねえが、良くしてもらってるぜ」

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骨喰「…そうか。なら、いい」薬研「…？ 燭台切の旦那がどうかしたってのか？」骨喰「……」鯰尾「あーっ！二人で何内緒話してるのさー！俺もまぜてよ！(ｻﾞﾊﾞｱｯ)」薬研「別に内緒話なんかしてねえよ。それより風呂で泳ぐな」鯰尾「何で？楽しいのになー」骨喰「…そのへんにしておけ、兄弟」

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骨喰(……燭台切がそれを選んだなら、俺が言う必要はない……か)

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さあて、そろそろいち兄が遠征から帰還する頃合いだ。迎えに出なきゃならねえな。

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一期「ただ今帰還致しました。薬研はどこにおりますでしょうか」薬研「お帰りいち兄」一期「薬研！ただいま。今日はどうだった？危険な事などしていないだろうね？」薬研「今日もいつも通りに手入れ部屋の手伝いしたり、家事や稽古やってただけだぜ、いち兄」一期「そうか、それなら良かった…」

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薬研「ほらいち兄、大将に遠征の結果報告しなくていいのか？」一期「ああ、そうだね。すぐに行くよ。薬研、くれぐれもーー」薬研「一人で本丸外に出たりしねえから、心配いらねえよ、いち兄。そら行った行った！」一期「…また、後でね。薬研」薬研「おう」

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…何とか出迎えに間に合ったな。前に、畑仕事に夢中になって出迎え忘れてたら、いち兄が真っ青になって俺を探し回った事があったんだよな。あん時ゃほとんど強硬状態だったらしい。他の兄弟達に対しても、度が過ぎるほどの心配性でな。 だが、前はあそこまでじゃなかったらしい。

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一振り目の薬研藤四郎が折れてから、ああなっちまったんだとさ。

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焼失された上に、さらに折れたとあっちゃ、衝撃がでかすぎたのかもなあ。 …さて、出迎えはすんだし、そろそろ…ん？

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…………。 燭台切の旦那と目が合った。すぐにどっか行っちまったが…誰か出迎えにでも来てたのか？この時間帯に帰還すんのは、いち兄らだけだったと思ったが…。

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まあいいか。厨房の手伝いに行こう。

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薬研「あっ」燭台「あっ」薬研「…黙ってちゃくれねえか、燭台切の旦那…」燭台「…隠れタバコ？」薬研「いち兄に見つかるとうるさいんだ、ナイショにしといてくれ」燭台「…うん、いいよ。でも吸い過ぎは毒だからね」薬研「おー。節度は心得ておくぜ」燭台「うん」薬研「…なあ、燭台切の旦那」

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燭台「ん？なあに？」薬研「旦那は俺のこと苦手かい」燭台「……どうして？」薬研「んー…避けられてるような遠巻きにされてるような観察されてるような、ンな感じがしてね」燭台「…ごめん。そんなつもりは、なかったんだけど」薬研「そうか。ならまあいいさ。…一本吸ってくかい？」燭台「…うん」

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薬研「ほら旦那、火」燭台「ありがとう」薬研「…ふー(煙吐き出して)。勧めといて何だが、タバコ吸うんだな、燭台切の旦那」燭台「たまにね」薬研「そうか。俺も一日数本ってとこだな」燭台「君こそ、タバコ吸うとは思わなかったよ」薬研「そうかい？まあこのナリだしな。そう思われても仕方ねえか」

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燭台「…うん。少し驚いた」薬研「そうか、驚かせちまって悪かったな。…しっかしまあ…」燭台「ん？何？」薬研「色男ってのはタバコ吸う姿もサマになるもんだな」燭台「？！(ｹﾞﾎｺﾞﾎｯ)」薬研「大丈夫か、燭台切の旦那(背中さすさす)」燭台「急に変な事言わないでほしいな…(ｺﾞﾎｯ)」

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薬研「変な事なんか言ってねえぞ？」燭台「…ああ、もう…。…僕は、もう行くよ。タバコごちそうさま。一期くん達には黙っておくから、そこは心配いらないよ」薬研「悪いな、頼んだぜ、旦那」燭台「まだ夜は冷えるからね。ほどほどにして中に戻りなよ？…じゃ、おやすみ」薬研「おう、おやすみー」

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………。 警戒、ってわけでもなさそうだが。一定距離を保ちつつ、観察されてる…とみて、間違いなさそうだな。うーん、何なんだろうなあ。俺、何かやらかしたか？覚えがねえなあ…。

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……もう一本吸ったら、戻るか。いち兄がまた血相変えて探しに来ちまうかもしれねえしな。