二振り目の薬研藤四郎・日記1

二振り目の薬研藤四郎bot @second_Yagen

明日は花見って事で、その準備で本丸はてんてこ舞いだ。一番大騒ぎになってるのは、やっぱり厨房だな。調理担当が勢揃いで仕込みだ何だと大忙しだ。俺はまだンなに調理できるわけじゃねえから、買い出し組だ。てなわけで、御手杵の旦那と厚と一緒に出掛けてくるぜ。

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薬研「しっかし、すげえな」厚「お買い物メモが壮絶な量になってるな…」薬研「これ、調理するだけでも大仕事じゃねえか」御手杵「だなー。厨房の連中はホントにすげえよな…。ま、荷物持ちは俺に任せてくれよ」薬研「ああ。頼りにしてるぜ、御手杵の旦那」厚「酒とかは近くまで配達してもらえってさ」

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薬研「んで、どの店で何を買えばいいんだ？俺はまだそのへんの事がさっぱり分からねえんだが」厚「それは俺に任せとけ！」薬研「ああ。頼りにしてるぜ、厚」厚「…へへっ」薬研「ん？どうした？」厚「やー、何ていうか。薬研に頼りにされるのってこう…こそばゆい気分だな」御手杵「あー、分かる」

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御手杵「薬研には何だかんだと面倒見てもらってばっかりだったからなー。頼りにしてもらえんのは嬉しいな」厚「うん！だから、分からない事とかあったら何でも聞いてくくれていいし、頼りにしてくれていいんだぜ！」薬研「…ん、ありがとよ。これからもめいっぱい頼りにさせてもらう」

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一振り目の俺は、この本丸の中でもかなりの古株だったらしい。なもんだから、色んな連中の世話役みてえなもんだったみてえだが…今の俺は皆にあれこれ教えられる立場だからな。何だか変な気分だぜ。

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厚「あと、大将から小遣いもらった。買い出し組は何か好きなもん買っていいって！」薬研「マジか。んじゃあ御手杵の旦那」御手杵「んー？」薬研「俺の代わりにタバコ買ってくれ」御手杵「…あー。薬研の見目じゃあ未成年者認定されて売ってもらえないのか」厚「タバコ、ほどほどにしとけよ？」

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薬研「分かってる。あ、いち兄には内緒な」厚「おー。でもあんま吸いすぎると、タバコの匂いって染みついちまうからバレると思うぜ？」薬研「気ぃつける」御手杵「そもそも薬研ってどうしてタバコ吸い出したんだ？お前んとこの兄弟連中に吸う奴いないだろ」薬研「にっかりの旦那にもらってハマった」

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厚「青江のせいか…」御手杵「ま、まーまー。吸いすぎなきゃ別にいいんじゃないか？」薬研「たまに吸うぐらい勘弁してくれよ、厚」厚「まあ、ンなにうるさく言うつもりはないけどさ。んじゃ、ちゃちゃっと買い出し済ませようぜー」薬研「おー」御手杵「買い物の順番はお前らに任せたー」

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夕飯が終わったから、平野と前田と俺の三人で洗い物をしてるんだが…。厨房が、戦場だぜ…。

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薬研「大変そうだな…」歌仙「今日できる事は今日のうちにやっておかないとね」蜂須賀「明日も朝から大わらわだろうからな」歌仙「まあ、花見なんて雅なものの為だからね、労苦は惜しまないよ」薬研「(花見ってのは雅なもんなのか…)」蜂須賀「(それ、口に出さないでくれよ)」薬研「(了解)」

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他にも堀川の旦那とかにっかりの旦那とかが駆り出されて大忙しだ。…さて、燭台切の旦那は、と……あ、いたいた。

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薬研「燭台切の旦那(くいくい)」燭台「え？どうかした？」薬研「ちょいとこっち」燭台「え？えええ？」 めんどくせえから引っ張ってっちまうか。(ｽﾞﾙｽﾞﾙ)

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燭台「…な、何？」薬研「…手にボウルと菜箸持ったまんまだな、燭台切の旦那…」燭台「置いてくるヒマもなく引っ張り出されたんだから仕方ないじゃないか…。僕に、何か用事？」薬研「ん、ああ。えーとな、ちょいと口開けてくれや、燭台切の旦那」燭台「口？…こう？(あー)」

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薬研「ほいよっと(口の中にﾎﾟｲ)」燭台「ふぇ？」薬研「(何だその可愛らしい反応…って口にしたら反論されそうだから黙っとくか)」燭台「…甘い、けど、何これ」薬研「きゃらめる」燭台「キャラメル」薬研「買い出し行った先でもらってな。旦那にもオスソワケだ」燭台「…どうして僕に？」

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薬研「いつもあれこれ頑張ってくれてるあんたを労いてえなって思ったからだな」燭台「そんなの、僕だけが特別なわけじゃないよ」薬研「細かい事は気にしなさんな。俺があんたを労いたいって思っただけさ。大した事はしてねえんだ、遠慮せず労われてくれよ」燭台「…どうして」薬研「ん？」

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燭台「…なんでもない。…キャラメル、ありがとう」薬研「どういたしまして。もらいもので悪いな」燭台「美味しいよ。それに、疲労回復には甘いもの、っていうのが定番だし。…あんまり厨房あけてると他の皆に怒られてしまうから、そろそろ戻るね」薬研「ああ、悪かったな」燭台「ううん、じゃあね」

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燭台切(どうして、彼と同じことをするのかな)

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…俺には雅な事はとんと分からんが。花見ってのは、雅なもんなんだよな？

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薬研「そうか…これが雅ってやつか…」歌仙「認めない！これが花見とは、僕は認めないよ！」蜂須賀「…薬研。これは単なるどんちゃん騒ぎだ。雅とは何の関係もないから、頼むから歌仙を刺激しないでくれ」薬研「…悪ぃ」

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本丸の庭で、大将いわくの「花見」が開催中だ。歌仙の旦那は頑として花見とは認めてないらしいが。 …まあ。うん。単なる盛大な酒盛りだよな、これ。賑やかで楽しそうだから、俺はちっとも構わねえんだけどよ。むしろ歌仙の旦那は、どんな花見を想定してたんだか。

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ちなみに俺は今、花見の席から逃亡中だ。

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次郎姐さんが「あんたも飲みな！」って酒瓶手にして勧めてきたのに、いち兄が「弟に大酒を勧めるのはやめて下さい」ってつっかかっていって、そのまま大騒ぎだ。…三日月の爺さまたちに飲まされて、既に酔ってたからなあ、いち兄…。まあ次郎姐さんなら上手い事なだめすかしてくれるだろうさ。

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宴席からはだいぶ離れたから、このへんは静かだな…。…と思ったら、話し声がするな。花見に参加してない奴か？