便利だからついやっちゃうんだけど、マンガでもラノベでも、表現されたものをお店の料理にたとえるのって限界があると思うんだよね。食べものやさんでも、チェーン店と個人経営でちがうわけだし。
2015-03-18 20:51:49あと勘違いしているひとが多いからよく言っておくけど「学術的研究」て、対象に権威を与えたり、顕彰する目的でやってるんじゃないからね。「よくわからなくなっていること・わからないこと」を「わかるところまで持っていく」が目的。
2015-03-18 20:53:33批評や研究の対象になると一定の権威を帯びてしまったように見えることはある。でもそれは、批評や研究のことばが、作品そのものより寿命がちょっと長いからってだけ。ただそのせいで世代を超える。先行研究の参照という作法があるためだけど、すると古いものは古いという理由で権威っぽく見える。
2015-03-18 20:58:22作品であれなんであれ、「権威」があるのどうのというと、抑圧的だったり欺瞞的だったりするものと受け取られがちだと思うけれど、「権威」とは、人間の一生の時間を超えて、次の世代、また次の世代に受け渡していくためのタグみたいなもんと考えれば腑に落ちるのではないかと思う。
2015-03-18 21:17:09そのタグを強引にむしりとって、オレがわからないから、嫌いだから、こんなもん捨ててしまえ、というのが、たとえば橋下徹氏がやろうとしたこと。あるいはISILがやっていること。
2015-03-18 21:18:42「ラノベは文学か」の鼎談、実は一番びっくりしたのは「ラノベの勃興の時期と同じ20年ほど前に純文学も衰退した」的な話だった。純文学の衰退ってそんな最近のこと(という認識)なのかと。
2015-03-19 00:03:40まあ、純文学を素材とする文芸批評の衰退はその時期なのかもしれん。マンガ表現論によって、マンガ論が「マンガの現在」に付随するものから自立して、それ自体が「批評」として評価されるようになったのもその頃な感じもある。
2015-03-19 00:05:24マンガ批評は1960~70年代に一度興って、その後それが上手く継承されず伏在していたのが、90年代にふたたび顕在化したという感じだと思う。では80年代はどうだったかといえば、「批評」を「ファン」が分厚く覆ってしまった時代と言えるだろうか。
2015-03-19 00:20:52で、10年代の現在のマンガ批評はどうかといえば、同時代的な批評が縮退し(あるいはネットのそこここに散在し)、一方でアカデミックな研究の側に大きくシフトした感がある。わたしを含めてプレイヤーの多くが大学に職を得て学事に忙殺されているというのもあるが、批評自体の弱体化もあるだろう。
2015-03-19 00:25:36@GoITO だいたい、事情もまだはっきりしてないのに学歴云々いってもしょうがないですよね。十数年前なら逆に「高学歴で勉強しかせずに象牙の塔にこもっているからこうなるんだ」的なこの方が言われてた気もしますが。
2015-03-19 00:29:29@iwa_jose そうそう。「赤とんぼの研究」という、いかにも浮世離れした研究ってあたりをテコにね。そっちの紋切型には行かなかったんだなと。
2015-03-19 00:30:21TIDは「マンガの現在を語る」ために書かれたものだけど、結果的には「マンガの現在の成立要件」をめぐる研究を後押しして、その企図は消化不良になった感はあって、それはTIDが批判した「ぼくら語り」の引いた線が、まさに「マンガの現在」にコミットするためだったこととも関わってるのかなと。
2015-03-19 00:37:53「ライトノベルは文学か」というタイトルで連想したのは、『中央公論』1978年11月号の「劇画を認知すべきか」特集。そこで中島梓は「おとなはマンガを読まないで」という挑発的な文章を書いているので、この件に関しても誰かが「おとなはラノベを読まないで」と言ったらいいのでは。
2015-03-19 00:45:28今手元にないから記憶違いかもしれないけど「おとなはマンガを読まないで」では、『思想の科学』78年9月号の「生きのこった青年文化:漫画」特集を旧世代としてdisっていて、でもそこに村上知彦さんが「青年まんがとしての少女まんが」を寄稿してたりするのも面白い。
2015-03-19 00:53:59ちなみに『早稲田文学』1978年1月号の中島梓「文学はマンガに何をもたらしたかーマンガ表現論序説」は表現論というよりもキャラクター論として再評価できると思う。
2015-03-19 00:57:14「マンガの現在」と批評がどう関わっていけるのかしら、というのは興味がある(人ごとのように語るひとですが、「マンガ」論史的に興味あるわけです)
2015-03-19 01:08:41フィクションの設定としてはともかく、現実の問題として、完璧なメンタルケアって可能なんだろうか。「完璧」なんてありえないという話は脇に置いて、たとえばいまの医療が内科領域の疾患に対して行えているような水準の精神医療は可能なのか?
2015-03-19 00:55:57@GoITO は? そんな無茶な。それでは富沢雅彦や村雨ケンジ辺りの仕事が丸ごとなかったことになるよ。「80年代はレビューの時代」くらいならまだ理解できるけど。
2015-03-19 01:02:22@smallboxman いや同じことを言わんとして「伏在」という言い方をしたのだけれど。小田切さんがよく言ってる、いろんな雑誌に細かい文章が散ってて追いにくい、という状況と、コミックボックスあたりの読者欄を合わせて言うとこんな感じなるのかなと。
2015-03-19 01:04:41@smallboxman 読者欄に特化して言う必要はないか(そこにはっきり顕れていた ものはあるにせよ)。コミックボックスやぱふの推移をみると、くらいですね。
2015-03-19 01:06:27