第1回日本漢文学総合討論

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忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

金起台さんの質問。七言絶句の流行を「日本化」とおっしゃったが、韓国でも同様だと思うが。福島さん、黒川洋一先生は、入門として五言絶句より七言絶句が作りやすいと教わったという話を披露。

2015-03-23 14:15:05
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合山さん。浅見発言を受けて「江戸漢詩人は、漢詩の歴史に参加しているという意識はないだろう。とくに初期はレベルが低かったが、古文辞学派でだいぶレベルが上がった。もっとも歴史に参画しているというのとは別の喜び(少しは近づいたとか)や悲しみがあったのだろう。」

2015-03-23 14:18:52
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新稲さん。浅見さんのコメントを受けて、「江戸時代における、文学に関する感覚がいまとは違うのでは?文学を創るとか、歴史に参加するという意識はそんなにないでしょう」。福島さん、「さまざまな階層の人たちを一律に「漢詩人」と呼ぶのはどうか」?

2015-03-23 14:23:19
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福島さん「李白は杜甫に伍するなんてはもちろん思わないでしょうが、詩をつくることで、何か世の中を変えることができるのではないかなー、くらいは思ったのではないか」

2015-03-23 14:25:59
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雑俳を研究している中井陽一さんから、漢詩に点取俳諧のような公募のようなものはないのか?また、町人が作詩するのはいつごろか?鷲原さんや福島さんがお答え。以下パネリスト同士でいくつかやりとりがあったが省略。予定時間ちょうどに近世チームの発表終了。

2015-03-23 14:31:46
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休憩をはさんで、第3パネルに突入。「日本漢文学の基層―宗教・学問・歴史―」。滝川さんがコーディネーター。日本漢文学史の構想を、作品の羅列ではなく、漢文学が生じる基層(宗教・学問・歴史・作者・場など)に注目して。ここも楽しみです。

2015-03-23 14:43:21
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早速滝川さんから。「大学寮紀伝道と漢詩人たち―平安朝漢文史を捉えなおす」。大学寮紀伝道は、今でいう「文学部」。ここの出身の儒家が「詩人無用論」を唱えている。それは「政事・実務にとって詩など無用」と理解すべき。一方道真は宮廷詩宴の詩臣。宮廷詩宴もまた政治システムの内。

2015-03-23 14:59:35
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つまり、詩が政事・実務に関わるかどうかという議論の前提は、詩の有用無用を問わず、共有されている。国家に関わり、政事に有益なことで詩文は意義をもつのであった。

2015-03-23 15:04:50
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ついで仁木夏実さん。「詩合小考―句題詩研究の一助として―」。句題詩は、漢字五文字からなる詩題に基づく七言律詩で、日本で独自の詠法があり、マニュアル書も存在。しかし詩の矮小化を招き衰退する。この句題詩の日本漢詩文史における意味・役割とは?内閣文庫の「十番詩合」を材料に。

2015-03-23 15:30:12
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ついで中本大さんはご欠席でハンドアウトのみ。これを滝川さんが読んで紹介。壮大な「五山文学史」の構想が示される。

2015-03-23 15:34:10
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締めは、町泉寿郎さんが、近代の漢学の問題。「儒者と漢学者はどうちがうのか?」「日本の学術史を構築できるのか?」「日本近代において、漢学は洋学にとって代わられて衰退したと考えるべきか」。日本近代化過程における「漢学」の再編。

2015-03-23 15:39:30
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江戸時代の私塾・教育における漢学からはじめて、明治期における漢学の形成を大学や学会の生成展開、教育における私塾(たとえば二松学舎など)の役割などを絡めながら、多岐にわたって論じた。漢学は明治になって作られた日本の教学。

2015-03-23 16:03:13
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

コメンテーターは中国哲学の湯浅邦弘さん。滝川さんの発表の「実務官僚」に関して、孔子学団が就活のために詩経・書経を学んでいたことを連想したと。仁木さんの発表に関しては漢学基盤というテーマとどう関連するのか?町さんの発表に関しては、洋学の基礎としての漢学素養については如何?

2015-03-23 16:10:49
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また、日清・日露戦争に勝ったことが、西洋に対する東洋の優位、あるいは中国への蔑視が始まるという観点はいかがか。昭和天皇実録によれば天皇教育における漢書・和書・洋書の枠組みが昭和28年まで。それ以後は人文・社会・自然科学に分類されるという情報提供があった。

2015-03-23 16:14:18
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

湯浅さんのコメントに対して、滝川さんが「実務官僚」の意味などについて、仁木さんが句題詩の形成における和歌との関わりなどについて、町さんが洋学と漢学の関係が対立する関係ではないことなどについて、それぞれ補足した。

2015-03-23 16:21:34
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

5分の休憩をはさんで、いよいよ全体討論。「新しい日本漢文学の通史を考える」。本プロジェクトの目標である日本漢文学の通史をどう書くかということを議論する。日本文学の中での漢文学史ではなく、中国・韓国・欧米の人も合意できる漢文学史を目指すということ。

2015-03-23 16:41:43
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

たとえば内藤湖南は、中国にいけば、立派な漢詩人。このあたりを取り込んでいくかどうか?

2015-03-23 16:43:30
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

最初のご質問をさせていただいた。諸外国ではそもそも日本漢文学という枠組みもないところで、中国や韓国や欧米を意識したテキストは可能であるのか?と(内藤湖南くらいしか具体的にないのでは?)

2015-03-23 16:48:35
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

町さんから関連発言。また高さんから、中国において、やはり日本人として有名な人が取り上げられるという話。また中国のことをよく知っている人。内藤湖南とか吉川幸次郎。

2015-03-23 16:50:16
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

福島さん。これから行う中国でのシンポジウムで近世チームは「エクソフォ「ニー」という概念を打ち出していこうとしている(多和田葉子さんの本にある)。母語でない言語での発信。概念を使うことで俄然面白くなるという好例である。

2015-03-23 16:57:09
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

高さん。中国で「比較」ということが大事。両足で歩くこと。常にそういう意識を持ってやればよい。合山さん、外国の人に説明する気持ちでやることが大事。

2015-03-23 17:00:10
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

合山さん。やはり中村真一郎とか富士川英郎の選んだ詩には学生の反応がよい。従来の「心情的」文学観というのを乗り越えるのはなかなか大変。滝川さん。今読んで面白い作品と、当時読んで面白かった作品という観点をいつも持っていたいと。

2015-03-23 17:06:24
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

勉誠出版の吉田さん。漢文学を学ぶことがどうモチベートされてきたのか?それを軸にした文学史を。町さん、江戸時代、医学を学ぶ者は漢学が必須だった。需要の方から考えてゆく。合山さん、今の「漢詩文」はその場合の漢学とは乖離していて、情緒的なもの。

2015-03-23 17:12:42
忘却散人(Yoichi IIKURA) @iikurayoichi

福島さん。漢学をやることで階層を越えることもできてそこに夢をかけることもできた。康さん。漢詩の作詩とは交流のためにするものではないか(すばらしい意見だな!)。わかってくれる人がいるからではないか。金さんから関連コメント。

2015-03-23 17:19:15