赤軍の火薬式火炎放射器と火炎放射戦車と

火炎放射器というと高圧ガスボンベやポンプを使う方式がよく知られていますが、火薬を用いて放射するタイプもちらほら……とか
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車載火炎放射器

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-4に50mm後装迫撃砲を装備する計画があった、なんて話を見かけて色々ほじくりかえしてたものの、どうも見間違えだったらしく、それらしい話は出て来ず。しかし……

2015-03-28 19:18:00
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-4火炎放射戦車なんてのは実際計画されてたんですね。1946年末あたりからの計画で、ソ連としてはちょっと珍しいことに焼夷剤タンクはチャーチルクロコダイルめいて牽引式を予定。容量1500lで、これは100~150回分の放射回数に相当する

2015-03-28 19:22:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

赤軍て本当に火炎放射戦車が大好きであるなあ

2015-03-28 19:22:37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-4火炎放射戦車計画でトレーラー式焼夷剤タンクが選ばれたのには幾つか理由があるようで。まず、赤軍的な火炎放射戦車の使い方なら200~300L程度の小さなタンクを車内に設ける方式でも足りるんだけど、これだと戦車の内部構造の大幅な変更が必要になるし、弾薬搭載数が非常に圧迫される

2015-03-28 19:28:44
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

トレーラー式焼夷剤タンクのメリットは他にもある。化学戦のための撒毒あるいは消毒機材として、または発煙剤を撒くのに使ったり、柔軟な運用ができる、と。車内タンクに化学兵器を入れとくのは、確かにあんまりやりたくない気はする

2015-03-28 19:33:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

さらに別の利点として、トレーラー式のほうが火災の危険が少ないとも。車内タンク式では200~300Lの焼夷剤が車内に鎮座する事になるけど、トレーラー式なら放射シリンダ内の10Lとパイプ内の2Lだけ。この程度の量なら、自動消火装置を装備すれば火災の危険は大して高まらない、と

2015-03-28 19:37:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

トレーラー式焼夷剤タンクの欠点としては、火炎放射戦車自体が無事でもタンクを被弾して失う可能性があること。でも赤軍としては、トレーラーは十分に小さく、また戦車の影になって守られてもいるので、被弾率は十分に小さいと考えていたようで。ただ、タンクの高さを出来るだけ抑えるべきともしてる

2015-03-28 19:40:49
☁️𝘗𝘢𝘵𝘰𝘳𝘪𝘰𝘵𝘵𝘰 ໒꒱🌐 @Petoriotto

チャークロのトレーラは中から切り離せたはず。 全長は長くなるけど被弾して対爆発する前に処理できる仕組みだったはず。

2015-03-28 19:42:00
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そうそう、IS-4火炎放射戦車でも切り離しは考慮されていたようです。万一焼夷剤を満載したトレーラーが被弾し炎上した場合でも、乗員が車外に出ることなく戦車から切り離せるようにしておけば、大量の焼夷剤を積んでいても戦車本体には危険は及ばないだろうとされていました

2015-03-28 19:46:51
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

先にシリンダって言葉がちょっと出ましたが、IS-4火炎放射戦車計画もどうやら従来の赤軍の火炎放射戦車同様に火薬式の予定だったようです。1回あたり10リットル程度の燃料をシリンダ内に空気圧で送り込んで、そのあとで装薬の燃焼ガスでこれを押し出す。なので火薬式でも小さいエアポンプはある

2015-03-28 19:56:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

火薬式火炎放射器のメリットは長射程だけど、ではデメリットって何だろう? てな疑問が先日出てましたが、ひとつには放射後に排出した薬莢から出てくる残留燃焼ガスの問題があったようです。装薬の燃焼ガスは人体に有害なため普通の火砲でも問題になるんですが、同じ事が火薬式火炎放射器でも起きると

2015-03-28 19:58:37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

火薬式火炎放射器の装薬量は普通の火砲より少ないはずですが、どうして殊更に残留燃焼ガスが問題視されたんでしょうか。想像するに、普通の火砲では装薬の燃焼ガスは相当量が砲口から出ていく筈ですが、火薬式火炎放射器の場合は密閉したシリンダを駆動する都合、車外にガスが逃げる構造でないのかも

2015-03-28 20:01:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

装薬の残留燃焼ガス問題はKV-8火炎放射戦車で既に問題になっていて、放射後に乗員が昏倒した例さえあったようです。このためにベンチレータを強化することや、残留ガスそのものを減らすなどの改良が必要であるとされました。ひょっとすると戦後の赤軍火炎放射戦車では、このへん改良されてるのかも

2015-03-28 20:04:20
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

赤軍の火炎放射戦車の使い方はどうだったんだろう? てな疑問もありましたが、彼らは大量にばら撒くような使い方はしなかったようです。例えばKV-8では焼夷剤を車体に450L、砲塔に240L積んでいましたが、前者で十分足りたようです。後者は被弾率が高く、衝撃で漏洩しやすく危険とも

2015-03-28 20:08:35
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

実戦でのKV-8の火炎放射回数を見ると、一戦で4回とか15回とかいう程度のようです。一回の放射で10L消費ですから焼夷剤タンクを690L満タンにすれば69回の放射分はある訳ですから、余裕を考えても十分過ぎる搭載量だった訳です。それ故か(?)後継のKV-8Sでは搭載量は600Lに

2015-03-28 20:20:23
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

KV-8では焼夷剤の搭載量は690Lで、OT-34では110L。一方で米英軍の火炎放射車両を見ると、あの小さなユニバーサルキャリアへの車載火炎放射器でさえ300L、シャーマンPOAでは1100Lとか、えらい大量です。米英とソ連とでは火炎放射戦車の使い方がだいぶ違いそうな?

2015-03-28 20:25:34
タルパ @talpacc

イタリア軍の火炎放射戦車は専門の部隊が使う特殊な機材ではなく、通常の軽戦車大隊に配属されるものだった。画像最後列が火炎放射戦車である pic.twitter.com/tKWxfxYGrg

2015-03-25 18:04:23
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タルパ @talpacc

L3火炎放射戦車の焼夷剤はトレーラー型で500L、タンク背負い型で60Lだそうな pic.twitter.com/OF4ay24owE

2015-03-28 21:41:19
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タルパ @talpacc

なお米軍のハンドブックにはロシア戦線でL3火炎放射戦車が使われているという記述がある。

2015-03-28 22:53:36
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

赤軍の火炎放射戦車はそれ専門の火炎放射戦車大隊として編成されましたけども、これは実際やってみたらイマイチだったようです。火炎放射戦車ばかり大隊規模でまとめちゃうよりは、突破戦時に普通の戦車部隊に火炎放射戦車の小部隊をつけたほうが有用であるとの戦訓が出てきてます

2015-03-28 22:08:52
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

KV-8は火炎放射戦車と言えど砲がついてる。とは言っても元の76mm砲じゃなくて45mm砲になっちゃってますし、独立して用いるにはちょっと火力が足らないんだとか。それでもKVなんで、相手の対戦車装備が貧弱な場合は大暴れしちゃうんですが

2015-03-28 22:10:52
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

他方、OT-34は砲はそのまま76mmが残ってるんで、火力は通常型据え置き。でも車体銃手の居場所がごっそり削られて火炎放射器に埋められてるんで、火炎放射したいときは操縦手が横から操作するしかない。走行中は到底無理なんで、火炎放射できる場面が非常に限られるんだとか

2015-03-28 22:13:43
タルパ @talpacc

そういや米軍のハンドブックだとL3火炎放射戦車を戦車扱いしてなかったような気がするが気のせいかもしれない #調べろよ

2015-03-28 23:06:04