【ニンジャの二次創作】アイ・ハヴ・ナッシング #3

ニンジャスレイヤー二次創作小説です。 報われぬサンシタニンジャの悲哀のお話。 #1:http://togetter.com/li/792898 #2:http://togetter.com/li/800059 続きを読む
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篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「イケジマ=サン、あなたはこの装置の被検体となったのです」トリダと呼ばれた背の高い男が指差す先には、巨大な釜のような名状しがたい機械が威圧的にそびえている。「大変でしたよ、組織とは関係の無いニンジャを探し出すのは」トリダが肩を竦め、リー先生を見る。 20

2015-03-30 22:06:45
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「この装置は被検体からニンジャソウルを剥がすもの…、うまく行けばあなたはニンジャではなくモータルとして生きられる」(((なんだ?何を言っている…?)))イケジマが全身の力を込めるが、拘束具は外れない。「フブキ君、装置の調子はどうかね?」「良好ですわ、先生」 21

2015-03-30 22:12:16
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

フブキと呼ばれた豊満な胸を持つ看護婦がイケジマの元へ近づき、おもむろに首筋へ注射をする。イケジマの体の動きが止まる。「しばらく静かにしましょうね」「では実験を開始したまえ」「ヨロコンデー!」フブキが装置のディスプレイにあるレバーを引く。ガゴン!ゴゴゴ…。振動が辺りを包む。 22

2015-03-30 22:16:35
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

イケジマはただただ戦慄する。(((俺は一体どうなるんだ、何が起きるんだ)))イケジマはベッドごと装置に備え付けられたクレーンで運ばれていく。釜の上部が開き、クレーンは釜の真上で停止すると突然拘束具が外れ、イケジマは釜の内部へ落ちていく。 23

2015-03-30 22:20:16
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

バタン!釜の蓋が無慈悲に閉じられ、装置の振動がひどくなる。「さて、ニンジャソウルを抽出しよう」(((やめろ!やめてくれ!)))突如、釜の内部で激しいスパークが走る!「グワーッ!」イケジマの体内を激しいスパークが走る! 24

2015-03-30 22:24:48
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

身が二つに引き裂かれる衝撃!「アバーッ!アバーッ!アバーッ!」何かが、自分の命を繋ぐ決定的な何かが抜けていく!イケジマは吐血!意識が薄れていく! 25

2015-03-30 22:28:49
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

…イケジマの目の前にソーマト・リコールが見える。はねられた老人。コケシマートの店長。ヤクザたち。パルクール・ヒキャク。かつての上司、同僚。一同に揃い、無表情に自分を眺めている。 26

2015-03-30 22:34:57
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

混濁する意識の中、イケジマはバイオスズメとなって飛翔するイメージを見た。かつてアパートから幾度となく眺めた景色。自由。人生。全ては虚無だった。だが、この実験が何かの形で役に立つならそれはそれで良い。イケジマは誰へともなく感謝し…、永遠の眠りについた。 27

2015-03-30 22:38:08