「ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ」 #5

B・ボンド&P・モーゼズ作。ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」の私家翻訳物 詳細はこちら http://togetter.com/li/73867
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
第1巻「ネオサイタマ炎上」より 「ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ」#5
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(前回までのあらすじ:ニンジャスレイヤーとナンシー・リーは、ヨロシサン製薬のトップシークレットを盗み出すべく、第1プラントに侵入。だが彼らは、偶然にも高純度バイオ・インゴットを求めて潜入してきたサヴァイヴァー・ドージョーのニンジャ、師範サワタリと四本腕のノトーリアスに遭遇する)
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(卑劣なトラップを回避しながら奥へと進むニンジャスレイヤーとナンシー。彼らを無慈悲に追跡するサワタリとノトーリアス。そこへさらに、ヨロシサン製薬を援護すべく、第1プラントのセキュリティ管理システム内に、ソウカイヤの刺客ダイダロスが遠隔ログインを果たした。まさに一触即発の状況!)
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ニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジは、黒いキャットスーツ姿のナンシーを仰向けに抱きかかえたまま、真白いコリドーを駆け抜けてゆく。「イヤーッ!」壁の両側からバイオバンブーのヤリトラップが突き出したが、ニンジャスレイヤーはそれを屈伸ジャンプで巧みにかわし、勢いを殺さず走り抜ける。
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危険を承知の強行突破だ。サヴァイヴァー・ドージョーの目的は不明だが、彼らが敵であることに変わりはない、とフジキドは考えた。敵は2人。フォレスト・サワタリは、ベトコンじみた不可思議なカラテをマスターしている。無敵のバイオ・イアイドを使うという四本腕のノトーリアスも、強敵に違いない。
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次のトラップだ。左右の壁に、斜めに切られたバイオバンブーの先端が見える。ヤリトラップが長さ10メートルに渡って続いているのだ! ナムサン! 「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはナンシーを胸の上に抱きかかえたまま、リュージュ選手のような滑らかさでスライディングを決め、これを回避した!
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L字路を曲がる手前で、ニンジャスレイヤーは背後を一瞥する。思ったとおり、サヴァイヴァー・ドージョーの連中も、数々のトラップを容易に突破してきているようだ。江戸時代に禁止されて久しい非人道武器、マキビシを撒いてこなかったウカツさを悔いるが、足を止めている時間などもはや無い。
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L字路を曲がってすぐの場所には、『たいへん危険』と恐ろしい警句が書かれた赤いノレンが。いよいよ施設心臓部が近い証拠だ。 「この先の地図は……無いわ」ナンシーが左腕のウェアラブルUNIX画面を見ながら言う。意を決してノレンをくぐると、100メートルほどの白い直線回廊が姿を現した。
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これまでのコリドーとは、いささか趣が異なった。白い強化セルロイドで作られている点は同じだが、回廊の左右には白砂と石で幅三メートルほどの情緒豊かな庭がしつらえられ、オーガニック・バンブーが生えているのだ。そして回廊の突き当たりは……掛け軸が吊られた壁! まさか、デッドエンドなのか?
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警告ノレンをくぐったサワタリとノトーリアスは、状況を把握するため、しばしその場に立ち止まらねばならなかった。彼らの目の前には、ニンジャスレイヤーたちが見たのと同じ直線回廊と屋内庭園が続いていたが、突き当たりの掛け軸の下には、刺激的なキャットスーツ姿のナンシーが横たわっていたのだ。
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「スリケンを投げてみるかい? 大将!」ノトーリアスが100メートル先のナンシーに対して無慈悲なスリケン投擲姿勢を取る。 「やめろ馬鹿者! あの美女は俺のヨメにするのだ」血気盛んな弟子を諌めながら、サワタリは中腰でじりじりと前進する。「ニンジャスレイヤーがどこかに潜んでおるはずだ」
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左右に生い茂るオーガニック・バンブーは、サワタリの偽りのトラウマを狂おしいほど刺激する。「気をつけろ、どこにベトコンが潜んでいるかわからんぞ。俺たちはこの過酷なバンブー・ジャングルの中で、生き延びねばならん。俺があの地獄のごときナムの日々をどうやって生き延びたか、教えてやる!」
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サワタリは手ごろなバンブーをひとつ切断し、即席のタケヤリを作った。また、腰に吊られていたバイオヒョウタンを手に取り、それをおもむろに広げると、オーカー色の編み笠が完成した。編み笠を目深に被って装備を整えたサワタリは、タケヤリをしごきながら威嚇的な奇声を発する。「ジェロニモ!」
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サワタリが先に進み、背中合わせでノトーリアスが続く。(((どこから襲い掛かってくる、ニンジャスレイヤー?))) 胃を掴まれたような緊張感が走り、じっとりと汗が滲む。(((あの美女は明らかに囮だ。左右に広がるバンブー・ジャングルのどこかに、必ずやニンジャスレイヤーは潜んでいる)))
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ナンシーまであと50メートル。サワタリはタケヤリの切先を左右に動かしながら、状況を観察する。ナンシーは耳の後ろからLANケーブルを生やし、その反対側は掛け軸の裏へと伸びていた。恐らくLAN直結でハッキング中のため、意識は無いだろう。ほとんど白目をむいてよだれを垂らしている。
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(((ニンジャスレイヤーは何処だ……?))) サワタリの両目が編み笠の陰で光る。左右のバンブー庭園には、大きなコケシや灯篭もいくつか配置されているが、ニンジャスレイヤーが隠れられるほど大きなものは少ない。そうした大きな遮蔽物を発見するたびに、サワタリはタケヤリでそれらを破壊した。
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「ジェロニモ!」サワタリのタケヤリが3個目の灯篭を破壊したが、その物陰にはやはり何も隠れてはいない。これでもう、目ぼしい遮蔽物は何一つ残ってはいない。どういうことだ? ニンジャスレイヤーはこの回廊にはいないのか? サワタリが一瞬の油断を見せた、その時! 
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「イヤーッ!」竹と竹の間、何も存在しないはずの空間からニンジャスレイヤーが現れ、ナンシーの胸に視線を集中させていたサワタリの側面へとトビゲリ・アンブッシュを炸裂させる! インガオホー! サワタリの野生的索敵能力すらも欺いたそれは、白いニンジャフロシキを使った巧妙な潜伏であった!
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「グワーッ!」サワタリの体は回廊に対して斜め45度の角度で吹き飛ばされ、左右の庭園に立ち並ぶオーガニック・バンブーによってバウンドしながら、ピンボールのごとく後方へと飛んでいった。最終的にサワタリの体は回廊の入口にあったノレンの下に落下し、目を剥いてぴくぴくと痙攣する。サツバツ!
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トビゲリ・アンブッシュを決め終えたニンジャスレイヤーは、素早くバク転を3回決めて体勢を立て直す。そして両手を腰にぴったりと添え、ノトーリアスの機先を制するように、素早くオジギを決めて精神的優位に立った。「ドーモ、サヴァイヴァー・ドージョー=サン。ニンジャスレイヤーです」
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ノトーリアスです」ノトーリアスも電撃的なオジギを返す。そしてノトーリアスの下げた頭が上がりきるのとほぼ同時に、ニンジャスレイヤーはカラテの構えで突き進んだ! ハッキョーホー! 並の敵であれば、オジギから戦闘態勢に入る事すらできず絶命する速さだ!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イアイ!」ノトーリアスのセラミック製カタナが閃く! 何と彼は、両手を胸の前で合掌してオジギしながらニンジャスレイヤーを油断させ、残る二本の手で抜かりなく腰のイアイ・カタナを握っていたのだ! 「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは間一髪でそれに気付き、タイドー・バックフリップで回避!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」着地と同時にニンジャスレイヤーは片膝をつき、バズーカ砲射手のごとき安定姿勢でスリケンを連射する! 「ダブルイアイド!」ノトーリアスは印象的な掛け声とともに、残る2本の腕で2本目のイアイ・カタナを引き抜く! ナムアミダブツ! スリケンは2本のカタナで次々と切断された!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「見たかニンジャスレイヤー=サン、オレのバイオ・イアイドは無敵なのだ!」ノトーリアスは2本の右手に1本のカタナ、さらに2本の左手にもう1本のカタナを握り、神像のごとき威圧感をもって頭上で交差させた。弾き損ねた1枚のスリケンが左腿に刺さり、緑色の血を滲ませていたが、傷は極めて浅い。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2010年12月19日
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