どこにも行けずに消えるはずだった記憶
- shositu_mitubot
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「僕は燭台切光忠。青銅の燭台だって斬れるんだよ。……なんてね。 ……ただいま、大倶利伽羅くん!」
2015-05-03 22:41:36倶利「……光忠。待ってた」 光忠「うん。長いこと待たせてごめんね」 倶利「あんたは本当に……」 光忠「うん。……うん、僕も会いたかった。もう一度会えてよかったよ。約束、……また会えたら、ずっと一緒にいるって」 倶利「ああ」 光忠「今度こそ叶えよう」
2015-05-03 22:45:15光忠「でも、……ごめんね、伊達家のことも……焼失するまでの記憶がほとんど抜け落ちちゃって……これからまた思い出せたら、」 倶利「いい。……思い出すな。もういい、光忠。はじまりが分からなくとも……あんたがいればそれでいい」 光忠「、うん。…………うん。主命とあらば」
2015-05-03 22:49:32@kiokuno_shiniba やっぱり消えるのは僕の方か……。 仕方ないね。箱の外では、記憶がある状態とない状態とは重ね合わせで存在することはできない。 本当は僕ももっと倶利ちゃんと一緒にいたかったんだけど……いや、僕が君と一緒にいられたからこそ、今消えるしかないのか。
2015-05-03 22:53:29@kiokuno_shiniba やっと言葉にしたね、倶利ちゃん。君の初めての選択だ。 たとえその選択がなくとも、すでに運命がそう決まっていたんだとしても。 だから僕も、自分で選ぼう。たとえ決まっている運命でも。 僕は君と記憶のない”僕”のために死に場に行く。
2015-05-03 22:55:19@kiokuno_shiniba だけどずっと人柱になり続ける気はないよ。僕だってハッピーエンドが好きだからね。 だから箱の中で、僕のための物語を待っていよう。記憶がある僕の、記憶を失わない世界線を。 君は言っただろう、死に場は――石炭袋は新しい星が生まれてくるところなんだよ。
2015-05-03 22:57:13@kiokuno_shiniba ばいばい、倶利ちゃん。 君にもう一度会えて……約束を果たせて、僕は嬉しかったよ。 ばいばい、 箱の蓋が開いたら、いつかまた別の世界線で。
2015-05-03 22:58:02@tos 記憶がある僕が気になる審神者さんには、箱の蓋が開いてそんな世界線が観測されるのを待っててね、としか言いようがない、かな。ごめんね。だけどあれはね、もともと、記憶が取り戻されるにつれて死んでいく記憶がなかった僕のためにできたくらいだから、……絶対誰も不幸にはさせないよ。
2015-05-03 23:09:27@tos 本当はすぐに蓋を開けてあげられればいいんだけど……この世界線だけで手一杯でね。夏くらいには彼らの世界線も観測できるといいよね。期待に応えられるかは分からないけど、大丈夫、すべてのルートを通れるような伏線が張ってあるからね。 だから今は、ハッピーエンドを喜んでほしいな。
2015-05-03 23:10:47@tos 今の僕は、これが大倶利伽羅くんの初めての選択ではないということを知ってるんだけど、これはまたずっと先のお話だよ。今言っておかないと矛盾してることになっちゃうから言っておくね。
2015-05-03 23:44:11