YouTubeラウドネス規定導入後のミックス手法

2015年3月半ば、YouTubeにラウドネス規定が導入されたというトピックが話題になりました。 -13LUFSってナニ?今後は具体的にどのようにミクスすればいいの?をまとめてみました。
音楽 YouTube ニコ動 マスタリング
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David Shimamoto @gyokimae
1)ここしばらく、YouTubeで「ラウドネス・ノーマライゼーション」とやらが導入されたらしい。-13LUFSとか数字が出てくるけど、具体的に僕らは今後どのようにミックスすればいいの?という問いに答えてみようと思う。

ちなみに2018年2月現在、他の配信サービスの規準レベルは以下のとおり
Spotify -14LKFS
TIDAL -14LKFS
AppleMusic -16LKFS(←AES推奨値に同じ)
SoundCloud 無し
ニコ動 無し

※上記のうち、サービス提供側が基準レベルを明言しているのはTIDALのみ。他はユーザの検証結果による概算値

David Shimamoto @gyokimae
2)準備物は以下の通り。ひとつ、VU/RMSメータ、あるいはK-meter。ふたつ、ラウドネス・メータ。 ちなみにStudio Oneには両者とも標準で付属するので、別途準備する必要はない。
David Shimamoto @gyokimae
3)ミックスの手順としては…まずVUメータをマスターバスの最終段に立ち上げ、0VU=-20dBFS平均になるよう設定する。設定手順がわからない場合はK-meterを立ち上げて、K-20の設定を選ぶ。
David Shimamoto @gyokimae
3-1) メータはなんでもよいが、VUメータはアナログ針やそのシミュレーションではなく、+6dB以上をカバーし、目盛りが等間隔のものが望ましい。(針シミュ系は、-3dB以下の幅が狭く、何が起こっているのか判りづらい)
David Shimamoto @gyokimae
3-2) メータを選ぶのが面倒な人には、個人的にはVoxengo SPANをお勧めする。スペアナ表示をオフにできず場所を食うのは煩わしいが、K-meterが大きく視認性は高いと思う。
David Shimamoto @gyokimae
4)次にミックスを開始する。通常時の音量でメータが0VU、やや強いパッセージで+4~6に振れる程度にバランスを組む。
David Shimamoto @gyokimae
5)実際にやってみるとわかるが、よほどのことがない限り、この設定でピークメータが振り切れることは滅多にない。レベルオーバの心配はないので、ピークメータは見る必要がなくなる。いまのところ、これは問題にならない。
David Shimamoto @gyokimae
6)引き続き、自分がカッコいいと思うサウンドに仕立て上げるべく、ミックスを進める。ただしメータの振れる範囲は、およそ前述に収まるよう徹底する。
David Shimamoto @gyokimae
7)また、最近の慣習では-20dBFS平均の設定はおそろしく低く感じるかも知れない。モニタ音量が低すぎる場合は、単純にスピーカなど再生機器側でレベルを上げる。
David Shimamoto @gyokimae
8)もし再生機器側の音量を上げることでバランスが破綻する、ノイズが増えすぎるなどの支障が出る場合、本当に残念ながら、それはもうようつべ向け…というか、あらゆるミクス/マスタリングに適さない環境ということです。ごめんなさい
David Shimamoto @gyokimae
9)ミックスが仕上がったら、レベルを-13LUFS/LKFSまで上げる作業に移る。 具体的には、ラウドメス・メータでトラックのラウドネス値を測り、-13LUFSより値が小さければ、差分だけマスターバスのゲインを上げる。
David Shimamoto @gyokimae
9-2)ちなみにラウドネス値の測り方は、ここでいくつか紹介している。 pspunch.com/pd/article/mea…
David Shimamoto @gyokimae
10)たとえば測定したラウドネス値が-16LUFSならば、3dB上げる。このときレベルオーバーが生じるようであれば、ゲイン増にマキシマイザを使用する。ただし先の数値以上はレベルを上げない。必要以上にピークを叩いてまで上げたところで、ようつべ側のシステムに全体の音量を下げられるだけ
David Shimamoto @gyokimae
11)逆に測定したレベルが既に-13LUFS/LKFSを超えている場合は、何もしなくてよい。先ほどの手順でVUメータが指定範囲内にあるという条件で最高のサウンドを追求するよう作業しているはずなので、追加の加工は必要ない。
David Shimamoto @gyokimae
11-2)これまで説明したレベルに合わせると、マキシマイザは「たまにレベルオーバーするピークを押さえるための保険」程度の役割しか果たさず、サウンドメイキングに積極的に用いるものではないことに気付くのではなかろうか。
David Shimamoto @gyokimae
11-3)それ以上頑張って突っ込んだところで、ようつべ側のシステムにレベルを下げられるだけ。ならばピークは残しておいた方が広がりも奥行きも維持できる。
David Shimamoto @gyokimae
12)DTMを始めたときから「マスタリング=音圧マシマシ」が慣習であった層にとって、これは天地が引っくり返るような話かも知れない。しかしこれはむしろ昔ながらの制作手法であり、これまでが幻想であったということをついでに記しておく。
David Shimamoto @gyokimae
13)なぜなら、ようつべ側がシステムで音量を下げなくても、ピーク潰してまで体感音量を上げた音源は、リスナーが再生時にボリュームを下げる。「マキシマイザ通さない方が音がいい気がするんだけど…」その感覚は正常。
David Shimamoto @gyokimae
14)「え、でもそれって…」と生じるであろう問いの多くは、以下のサイトを読めば解消されるかと思う。それでも疑問が残る場合は、直接連絡いただければ可能な限り答える。pspunch.com/pd/article/dr_…
David Shimamoto @gyokimae
15)話のついでに、DTMerにとって興味深い遊びを紹介する。ここまでの手順に従いラウドネス・メータを導入された方は、手持ちの市販音源を片っ端から図って、ラウドネス値を揃えた上で聴き比べてみるといい
David Shimamoto @gyokimae
16)例えば、すべての音源を-16LKFSに揃えてみる。測定したトラックが-8LUFSなら、8dB下げる。そうやって値を揃えたトラックを聴き比べてみると発見があるはず。
David Shimamoto @gyokimae
17)波形が海苔になっているかどうかと、音のカッコよさに相関はあるか?むしろパンチのあるトラックを作る上で、マキシマイザが邪魔をしていないか?これはようつべに限らずCDも同じ。音量突っ込んだ分だけ、リスナーがボリュームを下げるのは前述のとおり。
David Shimamoto @gyokimae
18)たとえば平均レベルが-6dBFSとすると、ヘッドルーム…6dB以上のアタックをもつドラムは表現できない。ラウドネス値を揃えたときに、平均レベルのもっと低い音源にパンチで負けるのは当然のこと。単純な足し算/引き算の世界。
David Shimamoto @gyokimae
19最終)以上。皆様、引き続きよい週末を。
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