日本古代研究の再検討を

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『道教と日本思想』福永光司著‥（徳間書房刊） p５４～‥Ⅱ鬼道と神道…中国古代の宗教思想と日本古代… ・中国古代宗教思想誌の研究はなぜ必要か ・中国の神仙道教と「天皇」 ・伊勢神宮のご神体はなぜ鏡か ・日本古代研究の再検討を ・中国古代思想史の四重構造 →

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@fukuebisu_tao →『道教と日本思想』福永光司著‥（目次続き） ・シャーマニズムとしての鬼道 ・教理学としての神道 ・「鬼道」という言葉の意味変遷 ・「神道」という言葉の意味変遷 ・神道と「三玄（易・老・荘）」の学 ・仏教一辺倒の日本古代宗教思想の研究 →

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『道教と日本思想』福永光司著‥（徳間書店１９８５年刊）より Ⅱ章‥鬼道と神道…中国古代の宗教思想と日本古代… ・日本古代研究の再検討

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→p６３ ところで、日本古代の宗教思想の機能的な中枢ともいえる天皇と、その位を象徴する二種の神器…鏡と剣。また天皇家の御先祖である天照皇大宮をお祭りする伊勢神宮およびそのご神体としての鏡、これらが中国古代の宗教思想（道教）と密接な関連を持つという私の考え方がもし正しいとするなら→

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→ば、日本古代の宗教思想ないし宗教思想史の研究は、これまで本居宣長や平田篤胤などのいわゆる国学者と呼ばれる人たちが主張していた学説、ないしは、その学説をプラスの方向であれ、あるいはマイナスの方向であれ、継承していると思われる津田左右吉さんや戦後の日本史学者たちの学説は、→

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→私に言わせますと、これはやはり本居宣長をひっくり返しているだけであって、基盤はやはり同じところに立っている。→

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→さらにまた柳田学説も折口学説も、本居学説と方向は反対であるかもしれないが、やはり、反対の方向にひっくり返しただけであって、中国古代の宗教思想（道教）を十分に視野の中に入れないという点では本居説と同じところに立っているというふうに私は考えるわけです。→

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→p６４ 　それから、また明治以後の日本古代学、文化史学、文芸学、民俗学などの研究者たちの日本古代の宗教思想に関する学説というものも、もし私のように考えるならば、大きく検討し直す必要があるのではないか。→

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→なぜかといえば、それらはほとんどの場合に、中国古代の宗教思想との関連を学問的に究明するという配慮を欠いている。→

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（明治以後この島国では‥中国古代の宗教思想との関連を学問的に究明するという配慮を欠いている） →日本の古代に影響があるにせよないにせよ、とにかく、海を隔ててすぐ隣り、もしくは朝鮮を経由してすぐ隣りにつながっている中国古代の宗教思想史というものを、無視するということは許されない。→

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（中国古代の宗教思想史を‥） →その宗教思想史を学問的に具体的な事実として確認する必要がある。確認した上で、関連があるとかないとかという議論であれば説得性を持つが、その確認を怠っていて関連がないというふうに決めてかかるのであれば、これは学問ではなかろうというのが私の考え方です。→

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（中国古代の宗教思想の日本の古代への影響の検討） →そして、もしそのように大きく検討し直す必要があるとするならば、その検討は、中国古代の宗教思想ないし宗教思想史を学問的に正確に検討し直す、ということが重要な条件になると思います。→

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→そこで私が本日「鬼道と神道」…日本古代と中国古代の宗教思想と題しまして、まだ研究も十分熟していないんですけれども、一応の私の考え方を皆様の前で申し上げて、色々とお教えをいただき、ご批判をいただくことにしましたしだいです。→

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→もちろん、以上申しましたような、中国古代の宗教思想をなんとかして学問的に研究整理し、道教の教理、神学を思想史的に認識し直そうという、そういう努力と試みの一端にほかなりません。（了）