#完全ノープラン艦これ与太話 【イン・ザ・ファイナル・デイ・オブ・オミナント】１２２５０３５５【コール・ザット・アボミナブル・ネーム】#1～#2

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#完全ノープラン艦これ与太話 【イン・ザ・ファイナル・デイ・オブ・オミナント】１２２５０３５５【コール・ザット・アボミナブル・ネーム】#1終わり。#2に続く。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【イン・ザ・ファイナル・デイ・オブ・オミナント】１２２５０３５５【コール・ザット・アボミナブル・ネーム】#2 #KZNPLN

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*beep,beep* #KZNPLN

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無線機の鳴動を確認し、一拍遅れ、空母水鬼は無線機をサイドボックスから取り出した。「……ドーモ、ランダマイザだ」『ドーモ、不知火です』荒波でホバー艤装が乱れる。ランダマイザはシャカリキ・タブレットを乱暴に取り出し、噛み砕いた。「――アー、よし。おう。ドーモ」 #KZNPLN

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『先程から総司令への直通無線が通じないのですが、これは私の機器側の障害でしょうか』ランダマイザは咽奥から持ち上がる胃液を飲み込み、大きく息を吐く。「アー、それなら心配無用だ。こっちも繋がらんからな。機器は正常だ」『……そう、ですか』 #KZNPLN

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ランダマイザは無意識にアクセルを踏み込む。『では、作戦は』「予定通り、だろうな。少なくとも、変更指示は受けてねェ」『――総司令が、変更指示の出せない状況にある可能性は』「……ま、自分が死んだら作戦変えろ、とも言われてねェし。いいんじゃねェかな。続行で」『了解』 #KZNPLN

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「今から座標を送る。合流ルートは臨機応変に頼むぞ」ランダマイザはＧＰＳを操作し、位置情報を送信した。「安心しなよ。あいつは殺して死ぬ艦じゃない。そこは信頼して貰っていい」『……流石ですね』「長い付き合いだからな。あいつとは」ランダマイザはシャカリキを噛み砕いた。 #KZNPLN

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「イヤーッ！」「な、グワーッ！？」筑摩は眼前の警邏アサルトキリシマが他の警邏アサルトキリシマの死角に入った瞬間、電撃的回し蹴りでアサルトキリシマの頚椎を破壊。即座に襟を掴んで死体を倉庫へと引き込み、手早く生体反応偽装用ナノマシンを注入した。 #KZNPLN

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ロケット基地の下層部セキュリティは大本営側の管轄である。プロジェクト・サタン中枢構成員である筑摩の権限とハッキング能力があれば、ここまでの潜入は容易だった。だが、この先はオミナント管轄との境界領域。一層の警戒を要する。筑摩は倉庫に身を隠し、周囲の状況を伺った。 #KZNPLN

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ここまでの道中はほぼクローンキリシマによる警備であったが、この先には大本営とオミナント直轄の艦艇のほか、大本営が外部から雇った戦闘艦も配備されている。完全な大本営所属艦の割合が極端に低い。恐らくは、あきつ丸とキョウリョク・カンケイとのパワーゲームの影響だろう。 #KZNPLN

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今回のロケット計画は、プロジェクト・サタン側からオミナントへ助力を求めた形だ。対外的には大本営が上の立場になるが、内情は異なる。あきつ丸はオミナントを完全には信用しておらず、それは相手も同じだろう。その妥協案として、大本営が雇った軍外戦力でバランスを保つ。 #KZNPLN

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この判断は筑摩にとって向かい風となる。内輪の艦艇であれば多少なりと誤魔化しが効くが、軍外部の艦艇となればそうもいくまい。連中には軍でのネンコも、ハバツも何も関係ない。考えようによっては、オミナント艦より厄介な存在だ。各自の持場を多少把握できるのが、不幸中の幸いか。 #KZNPLN

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筑摩は倉庫のロッカーを足場にして天井のダクトへ潜り込み、排気口付近の警戒網を特に注視しながら、音を立てぬよう慎重に匍匐前進で進む。目の前に、金網。真下の丁字路を右に入れば、上階への階段。ここは特に警戒が厳重だが、幸い上階に用は無い。隙を見て、丁字路上を直進する。 #KZNPLN

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直後。「う、ぷ……！」どすり、と、筑摩の腹を何らかの物体が刺し貫いた。内臓を抉られる激痛と、急激な嘔吐感と尿意を、筑摩はカブトムシの幼虫じみて丸まり、抑え、丁字路側の死角に転がり込んだ。そこで違和感。自らの腹部を摩る。傷一つない。幻覚。筑摩は混乱した。 #KZNPLN

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「う、あ……あぐ……」だが身悶えするような、全身の内臓を一つひとつ裏返していくような痛みは収まらない。意識が飛び飛びになりながら、筑摩は必死で脳内インプラントした記憶素子から警備状態を確認し、電探と併用しながら、生存本能のみで金網地帯を抜ける。 #KZNPLN

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金網を抜ける瞬間。階段側から、おぞましい４つの視線がこちらを突き刺した気がした。筑摩は予定を変更し、倉庫より手前、トイレに転がり込み、その場で失禁しながら便器に嘔吐した。「オゴーッ！……ッハァーッ！ハァーッ！」身体の震えが止まらない。今のは、何だ！？ #KZNPLN

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筑摩は鼻水と涎と吐瀉物で顔の下半分を汚しながら、荒い息で先の階段前の警備状況を、電探ログと重ねて再確認した。恐らくオミナント側のクローンキリシマが数隻。否。このような雑魚の話ではない。さらにデータをスクロールする。 #KZNPLN

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階段前に配備された、2隻の艦艇。大本営の雇った外部艦。先の４つの視線……2隻ぶんの双眸からの、突き刺すような殺気は、この2隻か。見られたのか？だが動きは無い。気のせい、思い過ごしか？……そもそも、この2隻は何者だ！？……考えるな。もう過ぎた事だ。筑摩は深呼吸した。 #KZNPLN

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カンケイは野分への通信を終え、注意深くキョウリョクの様子を伺った。苛立ちは随分と引いたようだ。深呼吸で落ち着こうとする様子を見せ、カンケイはニューロンのロックを解除。姉の暴挙に怯えニューロンに閉じ篭った妹が、頃合を見て恐る恐る戻る、そう見える挙動で。 #KZNPLN

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直後。カンケイの頭部を、白く冷たい手が鷲掴みにし、執務机に叩き伏せた。「アイエエエ！アイエエエエ！？」己の半身、シャム双生児めいてサイバネ結合した、姉。原子力空母キョウリョクである。「ヤメテ！お姉様！やめてください！コワイ！ヤメテ！」カンケイは泣き叫ぶ。 #KZNPLN

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「……私を、そう簡単に出し抜けると思うな」キョウリョクは低く、強く告げた。「アイエエエ！？何！？何が……コワイ、コワイです……コワイ！」「黙れ」キョウリョクはギリギリと指に力を込める。「私を！そう簡単に！出し抜けると！思うな！」 #KZNPLN

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直後。凄まじい殺気を全身に浴び、心臓を握り潰されたかのような感覚を、死の恐怖を味わったのは。今正に妹を押さえ付けた、キョウリョクの側であった。 #KZNPLN