2015年4月19日

デ・モインの秘密

随分昔に投稿した小話。あくまでこう言う見方もある、ということです。
17
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

鋼鉄のキメラあたりに端を発し、90年代頃から仮想戦記界隈をはじめとして随分とバケモノ扱いされているデ・モイン、実際のところはどうかというと確かにハイテクをふんだんに盛り込んだバケモノなんだけど、ならば「強い重巡」か、と問われると「う~ん……びみょー?」だったり。

2014-06-19 01:24:14
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

確かに、デ・モインはタイマンで殴り合いするなら重巡としては最強の艦だと思う。あの主砲の射撃速度は、なまじっかな火力や防御力の優越では覆せない。その意味では、デ・モインは「巡洋艦以下と1対1で戦う」という限定が付いている限り、格上と殴り合っても勝てる。

2014-06-19 01:24:38
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

ところが、だ。重巡同士だけが1対1で殴り合う戦闘なんてのは近代海戦史上「そんなんあったっけ」というレベルで珍しい。実際には、戦場で暴れている重巡には駆逐艦がウン隻単位で突っ込んできたりするわけだ。実はデ・モイン、こういうシチュエーションだと途端にボロが出た可能性がある。

2014-06-19 01:24:53
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

どういうことかと言うと、あの8インチ自動砲は確かに6秒に1発なんぞという初期の機関銃かおまいわ、と言いたくなる発射レートを誇る超連射なシロモノなんだが、調子に乗って連射していると、どんどん射撃諸元が狂っていくのだ。原因は主砲用のMk.54GFCSにある。

2014-06-19 01:25:10
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

コヤツ、本来の対水上用射撃装置が開発大炎上して間に合わなかったため、5インチ対空砲用のMk.37を強引にツギハギして積んでいるのだな。そら射撃精度もアレになろう。なにせ測的は8インチ砲基準なのに、そこから弾き出される諸元は5インチ砲基準の数字なのだから。

2014-06-19 01:25:21
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

んで、デ・モインが真にアレな理由は、このフランケンシュタインみたいなGFCSの運用にある。一発撃つごとにMk.37が弾き出した5インチ砲用の諸元を8インチ砲用に人間が修正していたのだ。大事なことなので繰り返すが、デ・モインの機械的性能上の斉射間隔は最速6秒である。

2014-06-19 01:25:35
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

主砲を自動モードで全開射撃していると修正が追い付かなくなって砲術科は頭煮える、周辺に流れ弾飛びまくる、とイイトコロなしである。1対1なら確かに無敵だが、駆逐艦多数に囲まれるとさっぱり、という艦であった可能性は高い。多分、最盛期の二水戦なら高確率で仕留められるんじゃね?

2014-06-19 01:26:50
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

そして、このタコな運用は結局最後まで改善されることがなかった。理由は、電探盲従式で省力化された新型Mk.68GFCSの登場が間近に迫っていたから。先が見えており人手も掛かるMk.54をこれ以上弄っているカネとヒマは平時の合衆国海軍にはなかった、ということなのだろう。

2014-06-19 01:25:50
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

ならばその新型GFCSがデ・モインに搭載されたかというと、さにあらず。中途半端に光学系とレトロフィッティングしてしまったMk.54は、艦そのもののハードウェア的特性に依存する部分が大きく、そうそう簡単に他のシステムで置き換えられるものではなかった。

2014-06-19 01:26:03
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

というわけでデ・モインの砲戦方針は、外れ弾多数でいいから人間が計算できている最初の数分間の弾量で圧倒して勝負付けろ。ただし勝負は常に1対1に持ち込んでね! ……という実にヤンキーらしい力技の発露の結果生まれたフネだったりする。

2014-06-19 01:26:20
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

ちなみに一番救いがないオチは、先述のMk.54における光学系とのレトロフィッティングは、現場部隊からの強い要望により決定した仕様だということ。つまり客先の現場からの要求を鵜呑みにした結果プロジェクトがデスマった末に欠陥製品が生まれたという、つい最近も何処かで聞いたような話……

2014-06-19 01:27:07
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

まぁ現場部隊としては、それまで営々と半世紀近く積み上げた光学照準射撃のノウハウはそう簡単に捨てられるものじゃなかったんだろうけど、それにしても相手とタイミングが悪すぎたとしか言いようがない。Mk.68が電探盲従になった理由は、来るミサイル時代を見据えての仕様決定だったわけで……

2014-06-19 01:28:52
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

@g255_twoline 近距離の夜戦なら多少ずれてても問題ないんじゃね(いや5インチ砲とだと仰角ズレは相当あるはずだがw

2014-06-19 01:30:15
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

@sudo_simoigusa ソロモン以降の米海軍は「その状況を全力で回避する」方向に舵を切っていた筈なんですがそれは(だって駆逐艦一隻たりとて取り逃がした日にはソロモンの悪夢なことになってしまうわけで……)

2014-06-19 01:33:59
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

@g255_twoline 実戦で電探が見つけられなくて撃てなかったとかやってますから、電探は完全に信用しきれなかったんでしょうね

2014-06-19 01:45:16
二行緑@横須賀鎮守府万年大将 @g255_twoline

@sudo_simoigusa まぁ、実際それでフィリピン~沖縄戦に至るまで何度も痛い目見てますから、信用おけんと思っていたのは確かでしょうね。「艦砲による有視界戦闘」という土俵そのものの終焉がそれ以上の決定的転換だったということでしょうか

2014-06-19 01:48:20

コメント

二行緑@横須賀鎮守府万年大将:土曜日東ロ-16b @g255_twoline 2015年4月19日
そもそもデ・モインが単艦で行動する機会はないだろうにせよ、単艦での高性能を追求する余り、その肝心の集団戦闘に適応できてないんじゃないのコイツ、という疑問提示でした
1
オブジェクト@図書館はいいぞ @oixi_soredeiino 2015年4月22日
な、ならば、仮想戦記で第二次大戦が延長されて徹底的に改良されたデ・モインが獅子奮迅の活躍をするというですね(グルグル目
0