ヨーロッパ中世の写本における「騎士対蝸牛」図像の謎

ヨーロッパ中世の写本に頻出する図案「騎士体蝸牛」について考察しているサイトの紹介と、みなさんの反応・ご意見ツイートをまとめました。
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小山田浩史 @magonia00

@magonia00 大英図書館はこの図案について「キリストの復活を象徴しているか、またはランゴバルド人のような、「中世初期において、反抗的な態度や高利貸しの罪、その他一般的に”反・騎士道的なふるまい”とされたもののために卑しめられた集団」の代役として描かれている」と解説している

2015-04-25 11:07:20
小山田浩史 @magonia00

「騎士対蝸牛」、騎士が劣勢の図像もある。どうしてこうなった。 (出典未確認) pic.twitter.com/VWegHv76VI

2015-04-25 18:13:17
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小山田浩史 @magonia00

「騎士対蝸牛」からはやや外れるが、鳥獣戯画っぽくウサギや犬と蝸牛が闘うの図。 Decretals of Gregory IX with glossa ordinaria(14世紀)より pic.twitter.com/N3Jn0BCRC4

2015-04-25 18:19:23
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小山田浩史 @magonia00

おまけ:蝸牛の天敵は騎士ではなくやはり鳥だった……? Decretals of Gregory IX with glossa ordinaria(14世紀)より pic.twitter.com/NJyCMmQ3U1

2015-04-25 18:29:02
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小山田浩史 @magonia00

おまけ:蝸牛と人間が悪魔合体したサムシングに、獅子に騎乗したウサギさん(片手剣・盾装備)が挑む!(出典未確認) pic.twitter.com/86c3zqVx1n

2015-04-25 18:44:45
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小山田浩史 @magonia00

パーティーを組んで蝸牛と闘う冒険者たち。Missale Romanum(14世紀)より。 pic.twitter.com/qprVg4LKEd

2015-04-25 20:57:21
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小山田浩史 @magonia00

パーティーを組んで蝸牛と闘う冒険者たちその二。 出典未確認。 pic.twitter.com/54LeXXPrSl

2015-04-25 21:00:01
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おまけ:人間対蝸牛(日本編)

氷厘亭氷泉 @hyousen

@magonia00 手許で見渡したところ日本のバトル蝸牛はこんなところです。(上・『日本のユーモア』より。下・嵯峨本『扇の草子』やせ牛に踏まれな道のかたつぶりつのありとても身をな頼みそ) pic.twitter.com/wHGyVmGqeS

2015-04-25 09:58:51
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氷厘亭氷泉 @hyousen

北斎漫画にもかたつむりいた気がするな。

2015-04-25 10:08:22
氷厘亭氷泉 @hyousen

北斎漫画、バトルな感じのはかたつむりじゃなくて蛙だった。記憶混成 pic.twitter.com/dWuVoOzpoj

2015-04-25 10:20:56
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氷厘亭氷泉 @hyousen

みんなだいすき耳鳥斎 『絵本古鳥図賀比』の蝸牛もあげておかう。コワイヨコワイヨ。 pic.twitter.com/AbHOjxLWwJ

2015-04-25 10:36:16
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おまけ:まとめた人の雑感

小山田浩史 @magonia00

「騎士対蝸牛」のまとめがおかげさまで現在1万3千viewを超えております。コメントも真面目な考察ありネタとして楽しむ方ありと盛況なようでなによりです。ただ、図像としての蝸牛の象徴的意味と、それが中世写本の余白に「騎士と闘う」形で頻出することは完全にはイコールではないと私は思います

2015-04-25 17:31:03
小山田浩史 @magonia00

中世ヨーロッパにおける蝸牛の象徴的意味は現代まで伝わっているので、それだけならとっくにこのこと(写本の余白に頻出する「蝸牛対騎士」の意味)は解決済みのこととして話題にはならないでしょう。私なりに整理してみると、これは二つの問題に分かれるのだと考えられます。

2015-04-25 17:35:33
小山田浩史 @magonia00

ひとつは、「騎士対蝸牛」という図案の(象徴的)意味はなにか、ということ。もうひとつは、そこから派生して、なぜ「騎士対蝸牛」の図案が中世写本の余白に頻繁に描かれるのか(なぜこの図案が好まれたのか)、ということ。このふたつが組み合わさって魅力的な謎を形成しているのだと思います。

2015-04-25 17:42:27