佐藤正美Tweet_20150416_30

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佐藤正美 @satou_masami

文体の中から気の利いた表現を外して見よ、一体何が残るか。「尊い物は此胸一ツ」(近松門左衛門)。自身を晒すとは、そういう事かもしれない。のっぴきならない思いを抱え込まずには思考も上滑りするのは確かである。

2015-04-20 20:55:40
佐藤正美 @satou_masami

他人(ひと)よりも悧巧だと思っている人物や馬鹿げた事をやらないで生きてきたというような人物とは つきあわないほうがいい。本人が考えているほど賢くはない。

2015-04-20 20:58:42
佐藤正美 @satou_masami

他人――怖れるにあたらない。自分自身の姿見だと思えばいい。

2015-04-20 20:59:44
佐藤正美 @satou_masami

私は生活の舞台に立っていながら、役らしい役を演じた事がないようだ、、、それゆえに、他人(ひと)を困惑させる事を多くしでかして来た。どうか注目されぬように――舞台の中央に立とうとする愚かな沙汰を起こさぬように。

2015-04-20 21:03:16
佐藤正美 @satou_masami

他人を批評して、己れを批評できぬ悧巧な連中が わんさと居(お)る。

2015-04-20 21:04:26
佐藤正美 @satou_masami

じぶん(のヘマ)を晒すのはいいが、他人を晒してはいけない。

2015-04-20 21:05:12
佐藤正美 @satou_masami

貧乏の中でも「考える」事を止めないとなるには、自分で自身を嘲(あざけ)り嗤う覚悟がないと、とても堪えられるものではない。精神的飢餓よりも生活的窮乏が面持ちに出たら、卑しくなってしまう。

2015-04-20 21:11:36
佐藤正美 @satou_masami

悲しかったら働け。それが一番の療治法だ。それでも悲しみは消えなかったけれど、仕事に専念したので自暴自棄に陥る事はなかった。

2015-04-20 21:14:05
佐藤正美 @satou_masami

「私はただ貧乏で自意識を持っているだけで、私の真実な心を語るのに不足はしないのだ」と小林秀雄氏が或るエッセーの中で綴っていたが、共感できる。でも、彼は「評論文学」という新しいジャンルを切り開いた天才だ、天才の猿真似は止めたほうがいいョ。

2015-04-20 21:17:56
佐藤正美 @satou_masami

61才にもなっては、まごまごしていれば忽ち時流に置き去りにされてしまう。私は近頃の世の中をわからない。否、わからないのではない、わかりたくないのだ。

2015-04-20 21:20:32
佐藤正美 @satou_masami

文学に毒されたヤツは、暗くて危ない深淵の中を降りてゆき、戻れなくなっても意に介さない。底辺に到れば何かが手に入ると思って、ひたすら降りてゆく。その最大のスリルは、滑落するのではないかという期待感に存する。不意の事故として滑落したい、と。芸に游ぶのは危ないョ。

2015-04-20 21:24:39
佐藤正美 @satou_masami

破滅したくないと思っている人間は、まだ救うことができる。でも、悲劇に「美」を感じて、破滅自体が救いであるように思い込んでいるヤツは、けっして救えない。自己破滅は、人々が云うよりも、もっと浪漫的な力を持っているのかもしれない。

2015-04-20 21:26:54
佐藤正美 @satou_masami

仕事をもたぬ才知は死物であろう。が、才知をもたぬ仕事は更に悪い。それは時間の浪費以外の何物でもない。私のような凡人が色気をだして仕事すると身の程を知らされるが、もう後には退けない。それも片意地か、しかし、つっぱるなら、惑わないで、つっぱり通せ。

2015-04-20 21:30:14
佐藤正美 @satou_masami

断崖に立った時、腰抜けかどうかはわかる。でも、軽率ゆえに怖れを抱かない事もある。私がそうだった。だったら、事ここに及んで後退りするつもりか?

2015-04-20 21:32:22
佐藤正美 @satou_masami

一途だったゆえに、強烈な記憶となる。そして、記憶は否応でも消せない。

2015-04-20 21:33:07
佐藤正美 @satou_masami

祭り(愉悦)のあとの うら哀しさは堪えられないわなあ、、、。

2015-04-20 21:34:15
佐藤正美 @satou_masami

老いた文学青年っていうのは度し難いね、堕ちることを いまだに夢みている。普通なら不幸にならないように骨を折るのにさ。

2015-04-20 21:35:27
佐藤正美 @satou_masami

正確に上手にしゃべる才識を持たず、そうかといって、黙って聴いているだけの我慢もできない小悧巧な人って痛いなあ。他人(ひと)がしゃべった後で、世間を見透かしたような一言を颯爽と披露してくれる、本人いっぱし批評家のつもりでいる。

2015-04-20 21:38:57
佐藤正美 @satou_masami

他人に対して賢く振る舞う事は、自身に対して悧巧でいる事に較べたら簡単な事だ。そして、自分が賢いと錯覚する。

2015-04-20 21:40:19
佐藤正美 @satou_masami

私は「話しかた教室」で学んだような演説を大嫌いだ。話しかたが上手だ(話すなんてチョロいもんだ)という臭味を感じる。下手でも訴えたい事を懸命に伝えればいい、懸命な人を嗤うようなヤツはいない。

2015-04-20 21:44:05
佐藤正美 @satou_masami

一事を成した人は確かに自身の判断を信頼した人だけど、でも、愚かな人もまた同じことをした。

2015-04-20 21:45:08
佐藤正美 @satou_masami

30才を越えれば、性根の入れ替えなんぞできるもんじゃない。他人(ひと)の本性なんてわからない。他人に嘘をつく代わりに、自分自身に嘘をついていることって多いのかもしれないのだから。

2015-04-20 21:48:03
佐藤正美 @satou_masami

相手が賢しらな事を言っているなら、相手の顔を眺めながら他の事を考えていれば宜しい。腹も立たない。

2015-04-20 21:49:40
佐藤正美 @satou_masami

私の野心は支配欲以外のなにものでもない。それが故に、私は独りで仕事することを選んだ――そうしなければ、私は常に他人を罵倒し、苛立ち、竟(つい)には憤懣やるかたない状態に陥ったであろう。そして、私は世の喧騒を免れたが、年相応の社会的昇進から外れてしまった。

2015-04-23 21:41:59
佐藤正美 @satou_masami

「現実」とか「事実」とか云っても、我々はめいめいがそれぞれに見える物を見えると言い、見えない物を見えないと言っているだけだ。「物の見かた」に絶対的定則など無い、視点は幾つも存する。人の数と同じ視点がある―― その視点をいかに正確に表すかが個性(文体)なのである。

2015-04-23 21:46:20