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NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
……噫! 生は我が牢獄! ニンジャソウルは我が呪い! 1
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【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101526:フェアウェル・マイ・シャドウ】#1
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重金属酸性雨。ネオサイタマの夜を往く、黒塗りリムジンの列。車中にはアマクダリ・セクトの若き首領、ラオモト・チバ。その側近ネヴァーモア。そしていささか離れた場所に、執事アガメムノン。 2
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緊急IRCアラートが鳴るのとほぼ同時に、黒い隕石めいた何かが、最前列のリムジンへ墜落した。爆発と火柱が上がった。チバは大きく目を見開き、グンバイを握った。ネヴァーモアは拳を握り、誰よりも早く車外へ飛び出した。そして見た。もつれ合い、狂乱めいたカラテ交戦状態にあるニンジャ達を。 3
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影の竜人めいたその異形のニンジャは、爆炎に照らされながら、穴だらけの大翼を広げ咆哮した。そして鉤爪を備えた両腕で、交戦中だった片方のアマクダリ・ニンジャの胴と頭を掴み、掲げ、ねじ切った。「サヨナラ!」ウカツにもチバを危険に晒したこのサンシタは、セプクの代わりに爆発四散した。 4
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「ARRRRRRRGH!」影の竜は、己にカタナを突き刺したもう一人のアマクダリ・ニンジャを睨めつけた。所属不明のこの異形ニンジャに対して軽率にも攻撃を仕掛け、このリムジン列に墜落させることになった、もう一人の愚かなアマクダリ・ニンジャを。そこへ、ネヴァーモアが殴り掛かった。 5
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たちまち、狂犬と夜の怪物は正面きっての熾烈な殴り合いを開始した。怪物はシャドウドラゴンと名乗った。「カス札どもが……!この僕を危険にさらしおって!」チバは遅れて届けられたIRCログを見ながら、後部座席で歯ぎしりした。「ザイバツ撤退で浮かれたクズどもが多い!引き締めが必要だ!」 6
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「その判断を支持いたします。アマクダリは次の段階へと進む時です」アガメムノンがドアに手をかけ、席を立ちながら言った。「ネヴァーモアだけでは無理なのか?」チバが問うた。リムジン爆煙の向こうでは、影の嵐めいた凄まじいカラテ戦闘が続いていた。「あれは手に負えませんな」 7
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殴り合いは一方的殺戮へ変わろうとするところだった。ジツで影を縫われた狂犬は、闘士彫像めいてその場に凍りつき、顔面にカラテを叩き込まれていた。その時、アガメムノンの指先からデン・ジツが閃き、怪物を三度打った。アーク放電の火花が散った。だが影は雷を拒み、怪物は蹌踉めいただけだった。8
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再び狂犬の怒声が聞こえた。殴り合いが再開されたのだ。チバはグンバイを握る手にベットリと汗を滲ませた。直後、車内のUNIX画面がホタルめいて明滅して消え、電力が失われた。その停電は、ビルの配電盤に触れるアガメムノンから、同心円状に広がっていた。そして強大なデン・ジツが放たれた。 9
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放電の矢の一本が、影の鎧を貫き、シャドウドラゴンの頭部に刺さった。それは倒れ、獣めいてもがいた。アガメムノンは表情読めぬ笑顔を浮かべたまま、つかつかと歩み寄った。彼の白スーツには些かの乱れもなかった。彼は竜人の横に立ち、五本全ての指からその頭部へと、情け容赦ない放電を行った。10
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何事か呟きながら、アガメムノンは放電を止めた。シャドウドラゴンはピクリとも動かぬ。だが未だ息があった。執事はこの怪物を殴り殺さんと大股で歩み寄る血みどろの狂犬を“制止”し、笑顔でチバの車へと戻った。「なぜ始末せん」「私が調律します。貴方にはもう一人ほどボディガードが必要だ」 11
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ラオモト邸。暗く広大なワンハンドレッド・タタミ部屋。スポット・ボンボリは、紫ベルベット玉座で足を組むラオモト・チバ、そして彼の左右に威圧的に立つネヴァーモアとシャドウドラゴンだけを、朧げに照らし出す。他には誰もいない。カモイに掛けられたUNIX時計の時刻は10101526。 13
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ラオモト邸。暗く広大なワンハンドレッド・タタミ部屋。スポット・ボンボリは、紫ベルベット玉座で足を組むラオモト・チバ、そして彼の左右に威圧的に立つネヴァーモアとシャドウドラゴンだけを、朧げに照らし出す。他には誰もいない。カモイに掛けられたUNIX時計の時刻は10101526。 13
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葉巻をくわえたチバは、コマンド・グンバイ上にホロ投影される3D球状モニタを見ていた。そこに表示される無数のIRCアラートを……システム警句を……そしてアルゴスからの緊急報告を。このわずか三十分足らずのうちにアマクダリ・セクトという支配システムが受けた、強烈なショックの爪痕を。14
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チバは右を見た。ネヴァーモアは平時のように、厳めしい表情のまま不測の事態に備え続けている。十二人がたとえ何人ニンジャスレイヤーの手に掛かって殺されようとも、この狂犬は取り乱さない。この狂犬は戦略的な視野で物事など見れない。主君チバが平静を保つ限り、この狂犬は鳴りを潜めている。15
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次いでチバは左を見た。シャドウドラゴンもまた、命じられた通り沈黙を守り、侵入者に備えるべく直立不動の姿勢を取っている。だが、何かが平時と異なっていた。その影の体表は、しばしば細波めいて揺らめく。黒い顎がしばしば開かれ、あたかもハイクを唱えたがっているかのように、小さく唸る。 16
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この怪物は稀に、謎めいたハイクを詠んだ。初めてチバがそれを聞いたのは、サツバツナイトなる謎のニンジャがアマクダリ勢と交戦した時のことだ。アガメムノンの電撃によってマシンめいて規律正しい従順さを与えられたこの怪物が、命令に対する応答以外の何かを口走るのは、それが初めてであった。17
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その度、影の獣は再調律を施された。あたかも、メモリ不全を起こしたUNIXを再起動するかのように。そして今夜、彼はまたハイクを詠んだ。掲げられた忍殺旗の群れに対し、荒々しい唸り声とともに。(((……夜モ破レ/明クル墓標ニ/黒キ陽ノ花……)))そして今夜、アガメムノンは居ない。 18
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「アルゴスの報告を聞いたな?YCNANの手によって天下網から機密データが外部転送された。アマクダリの支配を根幹から揺るがしかねぬデータだ」チバが舌打ちする。「転送先のIP座標はネオサイタマ。詳細を解析中」チバは左右を一瞥し、短い思案の後に命じる。「シャドウドラゴン、出撃しろ」19
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「そのような命令は受けていません」シャドウドラゴンはAIめいて応えた。「ここでの護衛のみを命じられています」「相変わらず融通のきかん奴だな。……タイムイズマネー!緊急事態下だ!お前は未だアクシス所属でもあるだろう」「ハイ」「緊急対応プロトコルに照らし、アクシスとして出ろ」 20
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「了解しました」シャドウドラゴンは高く跳躍した。そして天窓の防弾フスマから、ラオモト邸のカワラ屋根の上へと消えた。アクシス専用の高速輸送ヘリ編隊が、シャドウドラゴンや他のアクシス構成員をピックアップしIP座標まで輸送すべく、冷酷なローター回転音とともに飛来してきていた。 21
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2015年5月24日
ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101526:フェアウェル・マイ・シャドウ #2 http://togetter.com/li/825914
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