「20世紀末・日本の美術」から「新しき場所」へ

ART DIVER刊『20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から』(中村ケンゴ編著)の、主に第二部の批評と共同性に関する話題から始まった対話の記録です。 まとめ主は「20世紀末・日本の美術」の共著者の一人です。 90年代以後ゼロ年代にかけて新自由主義的経済が学校・会社や地域社会といった中間集団を解体した後の美術/批評の在り方と、美術/批評がもたらしうる繋がりと切断の契機が「新しき場所」(書中の言葉を使えば「ネクストステップ」ですが)を開示できるか、という僕の関心からまとめています。 続きを読む
3
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter これは今回の「20世紀末・日本の美術」での僕の「文体」への反省も含まれています。2012年の「20世紀末」シンポの後に出した「組立-転回」誌の「今、ここにある美術批評(誌)」対談でも言ったことですが、僕はまだその「文体」を持ててません。

2015-05-06 22:57:53
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter 大山様のツイートで触発されたのは「時間の遅延」を言われている箇所ですね。一度作品への言葉を独立して捉えて感情面を抑えつつ、時間をかけて「新しい人格の糧」とするという所。大変アクチュアルに思えました。

2015-05-06 22:58:14
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter 切断と接続のサイクル、というお話も首肯できます。僕としては、切断・接続というモーメントと同時に(これも上山さんから示唆された言葉ですが)「交渉」という考え方も方法化(文体化)できないかと考えています。

2015-05-06 22:58:26
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter 「交渉」というと一定の利害の調整と捉えられるかもですが、ここではむしろ批評する側・される側の「立場」というものを一度かっこにくくって、双方の間においてモチーフ化する、というようなイメージです。これによって大山様のいう「新陳代謝」の契機にできないかと。

2015-05-06 22:59:05
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter 「接続と切断のサイクル」という大山様の発言には、千葉雅也さんの著作との響き合いも想起しました(僕は読めてないので単に想像でしかないんですが)。いずれにせよ、ヒントとなるツイート、ありがとうござました。

2015-05-06 22:59:45
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@EnricoLetter 沢山リプしてしまいましたが、制作の邪魔かと思いますので、ご返信は無用です。機会がありましたら又意見交換させてください。

2015-05-06 23:00:41
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

@ueyamakzk 上山さま、こんにちは。昨晩の私の連続ツイートで、上山さまからご示唆頂いた「交渉」「技法化」といったキーワードを元に、幾つか考えを述べました。

2015-05-07 06:00:55
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

@ueyamakzk (以前もお話したように)やや恣意的な援用と思われる箇所もあるかと思います。問題ありましたらご指摘ください。

2015-05-07 06:03:05
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

@nagasek 永瀬さま。丁寧な応答ありがとうございます。怠惰なものでなかなかきちんとご返事する時間がなく申し訳ないのですが、読ませて頂いております。またゆっくりと応答できればと思っています。いずれにしても『20世紀末・日本の美術』とても勉強になりました。ありがとうございます。

2015-05-07 21:12:24

上山和樹(ひきこもり研究家):
著書「「ひきこもり」だった僕から」http://www.amazon.co.jp/dp/4062110725/ref=cm_sw_r_tw_dp_9RFuvb17GAQSJ
共著:「医療環境を変える」http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=1549

上山和樹 @ueyamakzk

永瀬さん、ありがとうございます。今回いただいた言及に関連して、少しブログのほうに記しました。(お返事を要求するものではないです) @nagasek ★【コミュニティの技法としての文体】 bit.ly/1H3Jt5J twitter.com/nagasek/status…

2015-05-07 23:25:30
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 上山さま、ありがとうございます。当方の関心に即して応答したく存じますが、いましばらくお時間くださいませ。

2015-05-08 14:16:05
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

ちょっと時間無く応答出来てませんが、「20世紀末・日本の美術」含め関心有る方は是非読んでほしいです。コミュニティの技法としての文体 - Freezing Point (id:ueyamakzk / @ueyamakzk) d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/2015…

2015-05-08 14:24:41
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 上山様、改めてブログにて拙ツイート及び「20世紀末・日本の美術」へ言及頂きありがとうございます。「私たちの暮らす集合的な状態をどうするか」という課題に「制作と生活と批評が絡まり合う美術の領域には、このモチーフが先鋭的に現れる」とのご指摘、同意いたします。

2015-05-08 16:46:43
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 感覚的印象論でしかありませんが、権威が解体された事はいいとして、結果「保守的(というよりは順応的)なあり方が強まる傾向があって」という上山様の整理に対応する美術シーンの傾向として「勝ち馬探し」という貧しいゲームがあるように感じています。

2015-05-08 16:48:01
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 「20世紀末-」で触れたのは既に確認された価値判断の再強化、というものです。特に批評のアカデミズム化が、歴史的に確定された作品・作家を、その周辺まで含めて総ざらい的にアーカイヴ化し徹底的に資料化を進める、という状況があるように思います。

2015-05-08 16:48:27
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk ポロックや高松次郎の名前を書中では上げていますが、こういった評価の揺らぎの収まった固有名詞への、一部過剰とも言える周辺資料や事象へのアーカイヴ的「研究」には、確実な「勝ち馬」としての欲望が集中しているように思います。

2015-05-08 16:48:55
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 同時に、同時代への価値判断が手薄になっている、と「20世紀末・日本の美術」では述べていますが、反対の事をいうと「勝ち馬になりそうな同時代の動向」への神経質な「様子見」の傾向もまた、過敏に進んでいるように感じます。

2015-05-08 16:50:10
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk これは作家を除外してその周囲(批評家その他)を批判しているのではなく、むしろ弱い立場の筈の作家にこそ顕著に見られるかもしれません。切ない話で、美術の世界で「弱い」立場の人こそ「保守的・順応的」にふるまいがちだったりはすまいかと(自分を除外してません)。

2015-05-08 16:51:45
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 相対的に「強い」立場の人や職責のある人が規定的価値の再強化を進めるのとパラレルに、「弱い」立場の人がよりディフェンシブにならざるをえない。ここに上山様のおっしゃる「マーケットに承認されるしかなくなり」「生活防衛的」になる、という症候があるかもです。

2015-05-08 16:52:29
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk で、僕が最近使う「新しき場所」という言葉ですが d.hatena.ne.jp/eyck/20150110 こういった「生活防衛的な場所」から距離を隔てた、水準の異なる場所を展開するのが美術、特に近代以後の絵画の問題構成から引き出し得るのではないかと思ってます。

2015-05-08 16:53:41
永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk 「新しき場所」は椹木野衣さんの「悪い場所」、及び松浦寿夫さんの連続講義 arttrace.org/event/renzokuk… 中に出てきた『美しき街』「新しき村」から示唆を得た言葉ですが、まだ十分練れていません。

2015-05-08 17:02:38

松浦寿夫 連続講義「感情のインフラ、あるいは感情というインフラ」http://www.arttrace.org/event/renzokukougi_matsuura_04.html

永瀬恭一(一人組立)11月20日ART TRACE GALLERYでトーク @nagasek

.@ueyamakzk いずれにせよ、規定的に与えられた場(キャンバス)からいかに「新しき場所」を開示するかを近代絵画および同時代絵画の見逃されてきた側面から検討し直すというイメージだけはもっています。

2015-05-08 17:03:06