九段会館を取り壊すのは文明国失格の愚行か！？―歴史的建築物との向き合い方。―

壁|*'ω')〜♪📷ぬころじ〜 @Necologie

建物に詳しくない方も多いだろう。 だが名車や名刀などといったクラシックな者を愛するものであれば、 だいたいの近しい意味は分かると思う。 九段会館は、東京でほぼ九段会館でしか見られぬ価値のあるクラシック建築である。 そしてクラシックホテルでもあった。 壊すのは容易い、失う事だ。

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できればこの九段会館の事を広めて欲しい。 武道館のある北の丸公園を取り囲む堀に面した壮麗な建物である。 靖国神社からも近い。 是非その姿を見て、これがいま失われるのだと、この世代の恥になるのだと、心に留め置いてほしい。 写真に撮ってSNSに流して欲しい、今日も健在であった、と。

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そして遠地にある人は、彼らの写真がアップされなくなった時、もしくは美しい姿でなくなった時、 我々は恥ずべき世代になったのだと、心に刻んで欲しい。 九段会館は守らねばならぬ。 九段会館は守らねばならない。 守れるだろうか？

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いま東京五輪に向けて準備するのはよいのだが、 日本のよいところを見つける、だの 日本らしさをアピールするだの言いながら、 こうやって最も日本らしいものを捨てて行くのだ。 その手で殺して行くのだ

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このまま壊して行って、50年後に昭和の遺産として世界遺産や日本遺産として誇れるものが残るだろうか。 九段会館すら壊すというのに。

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残念ながら何も残らないと思う。 日本はその程度の国なのだ。 先進国でもなんでも無い幼稚さなのだ。

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お金が無いから買えないと言っている子供となんら変わらないのだ。 嫌いだから食べないと言っている子供となんら変わらないのだ。

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九段会館については千代田区景観まちづくり審議会で第１号建築に指定され大変重要視しているが、 city.chiyoda.lg.jp/koho/machizuku… どうやら法案自体が「古賀誠」氏主導の議員立法で進行しているため把握できていない。 報道では取壊後に土地を民間企業に貸し高層建築を建てる模様。

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千代田区の千代田区景観まちづくり審議会の議事や、議員立法を主導した議員のブログを見ても分かる通り、建替えの段取りは 　厚生労働省と財務省 によってのみ行われており、文化財保護法の平成７年改正でも危惧された近代遺産の保護を進める文部科学省は、まったく蚊帳の外で話が進んでいる。

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つまり度々指摘される 「九段会館は文化財保護の選外となっていて、価値もないのでは？」 という指摘は不適当で、 「文化財保護を担当する文部科学省や千代田区をまったく蚊帳の外にして、古賀誠氏主導で話が進んでいる」 が正しい情況把握だと言えます。

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《補足》 金が無いから仕方ない、お金がかかるから潰せ、っていうのは簡単なんです。 なんせこれから生じるであろうコストだけを積み上げて論じている。絶望の論法なんです。 人間だって87歳で死ぬまでの医療費や家賃、ローン、教育費などを積み上げられて見せつけられたら、絶望しかありません。

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人間に例えれば簡単な話で 「金がかかる……金が無い……辛い」 っていう人に、 「そうだ！金がかかるんだよ！氏ね！！ この怪我だって何万かかるか分かんねぇけど、癌になったり心臓病になったり、過労になるたびにもっとかかるんだ！ 今氏ねばチャラだ、さあ氏ね！」 というようなもんです。

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こういう時、絶望の論法は殺しにいく論法です。 「生きて稼いでいたら得られるもの」を計算していない。 生きてまっとうに働けば、得られるものも得られるし、やりようはいくらでも出てくるんです。 また夏にバニーちゃん集めてドッカンドッカンなイベントやればいいんですよ。

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存在することにコストがかかるけれど、存在して営業していれば、 コンサルとかちゃんとやって稼げばやりようはあるんです。 これは人間も建物も変わりません。 九段会館はユニークな建物です。 奇抜という意味ではなく、本来の意味でのユニークな建物。 東京で独特な存在感がありました。

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また健全な経営を取り戻して、パレスサイドの夜風の吹く屋上で、 バニーちゃんとビアガーデンをしたい人もいっぱいいると思いますよ。

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九段会館は日中に散在する帝冠様式の中でも、白眉たる建物なんですね。 そこにも残さねばならない要素がある。 まず配色。 帝冠様式としてよくあがる愛知県庁や神奈川県庁などと比べて、九段会館は白壁の配置が独特なんです。

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他の建物の多くが、レンガや暗色の洋館部分の上に、白壁を1階ぐるっと回して、その上に純和風の瓦屋根を載せているのですね。 それに比べて九段会館は、白壁が地階からスッと立ち上がっているんです。 白壁がレンガに混じり立つことで、一体感がうまれています。

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この垂直の視覚効果は、白壁を立たせることで生まれていて、白壁だけに白眉であります。 次に九段会館は三方正面ということです。 戦前の絵葉書をみると、お堀がわから撮られたものが多いのですね。 事実、掘の水面にうつる事を前提に九段下交差点側のファサードが出来ていると分かります。

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もちろん正面は通り側ですから、背側の堀に面するほうも正面、そして車止のある交差点側も正面として設計され、三方正面であることがわかるのです。 これはつまり見る角度で貌を変えるということでもあります。 桜の時期に、北の丸公園の入り口脇から、堀の水面を挟んで撮る写真の美しいこと！！

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もちろん、来年の桜は迎えられないと思うんですがね。

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そして、シンメトリーで無い構成や、国会議事堂や朝鮮総督府のような中央に塔を持つ構造でないのも独特です。 つまり、その建物を間近で見上げるための作りになっているわけです。 交差点側のファサードから、正面から、そして堀を挟んで遠望するように。 この秀でた設計は珠玉であります。

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ということで、みなさんもいろいろな角度から眺められて、その独特なていかん様式というスタイル、その和洋の融和、美しい姿を見に行ってみてください。