ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101517:ニチョーム・ウォー #1
作戦遂行にあたり、アマクダリ・セクトとの連携は制限されている。大っぴらに破壊活動を行えば不祥事となる。現在、渦中のニチョームの壁外にはヨロシサンの救急ユニットが配置されており、不幸な暴動の巻き添えになった市民を受け入れ、無料で治療するパフォーマンスを行っている。70
2015-05-18 01:34:55ゆえに現在、アマクダリ・ハイデッカー部隊とヨロシサン部隊は別ルートからの攻撃を余儀なくされているのだ。厄介なのは外壁だ。ヨロシサン部隊は地下通路を再制圧し、そこから、バイオニンジャ「マスモーフ」の群体ステルス機能を用いたヤクザを送り込む事に成功した。 71
2015-05-18 01:41:05一方、アマクダリ・ハイデッカー部隊は、生ける壁を無力化するまでは、遠距離攻撃による支援を重点せざるを得ない。ゆえに現在、榴弾による攻撃が継続されているわけだが……。「……」キュアはモニタに映し出されたニチョームを横目で見た。彼女は眉根を寄せた。映っているのは榴弾ユニット。72
2015-05-18 01:43:21ユニットの付近の壁の表面が波打ち、ざわつくのが、遠景カメラの映像でもわかった。キュアは足を止めた。壁の変化は、表面を覆う危険な鉄条網が一時的にでも取り払われた事を示す。アマクダリが何らかの対処を成功させたか?キュアはそうは思わなかった。次の瞬間、桜色の輝きが壁の上に出現した。73
2015-05-18 01:47:02「車を!」キュアが命じた。「ハイヨロコンデー!」ペイシェントが命令を遂行すべく走り去った。入れ違いに別のペイシェントが素早く近づいてきて、キュアにコートを差し出した。キュアは無造作に袖を通し、モニタの中継映像を注視した。 74
2015-05-18 01:54:49成る程、桜色の輝きの持ち主は女のニンジャだ。それが壁の上に立ち、一種のカラテミサイルを召喚したのだ。そしてそれらミサイルが今、下の榴弾砲に降り注いだ。桜色の爆発が立て続けに起こり、榴弾砲を呑み込んだ。戦局が動き出した。それも、好ましくない方向に。キュアは足を速めた。 75
2015-05-18 01:56:27【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101517:ニチョーム・ウォー】#1 終わり。#2 に続く
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