審神者になった聖闘士BOT、小説パートまとめ

中の人が手動で投稿した小説パートのツイートのみまとめました。
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審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

山姥切が言う。初期刀として星矢を見続けて来た彼は、その成長を傍らで感じていたのだ。 「今でこそちゃんと戦略を考えているが、それまでは俺たちと共に戦場に立っていた」 「それが今では、拙いながらも指示を出していく」 鶴丸が話を引き継ぐ。 「彼は、審神者として目覚めつつある」

2016-10-06 22:25:10
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

彼らが話をしている中、星矢は次に刀装を選択している。山姥切たちには投石兵を装備させ、唯一遠距離攻撃用刀装が装備できない鶴丸には、回避と素早く動かすために軽騎兵を装備させる事にした。 「……よし、これで行こう!」 ついに、大倶利伽羅と燭台切光忠の救援部隊が組織されたのだ。そして……

2016-10-06 22:32:08
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

……数時間後、星矢はスペイン・マドリードの空港に降り立っていた。 「……到着だ。まずは、シュラと落ち合おう」 到着手続きを終え、ロビーに出た星矢は、待ち人を探していた。 「星矢」 背後から声をかけられた星矢が振り向くと、シュラがいた。 「待ったか?」 「いいや。行くぞ」

2016-10-06 22:36:06
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

シュラと星矢が空港を出て、タクシーでシュラが住む家に向かう。 「……サムライゴーストがいるぞ」 「……!大倶利伽羅に反応したのか?或いは……俺に反応したか?」 タクシーの窓から見えた遡行軍に対し、2人で小声の作戦会議をする。わざと姿を見せ、誘導する事にする。 「……さあ、来い!」

2016-10-06 22:39:56
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

タクシーを降りると、待ち受けたかのように遡行軍が現れた。 「……予定より早いが、みんな、頼むよ」 『ああ、任せてくれ。既に皆待機している』 端末で日本に連絡を入れると、頼れる初期刀の声がした。 「……よし、行くぞ!こんのすけ、ゲートを開いて!」 『かしこまりました!』

2016-10-06 22:44:03
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

直後、スペインの地にはそぐわない、木製の門がその場に現れ、ギィィィ……と音を立てて開かれた。 「隊長、山姥切国広!」 「任せろ!」 「隊員、宗三左文字、鶴丸国永、薬研藤四郎、五虎退、愛染国俊!」 「行きますよ」 「さあ、大舞台の始まりだ!」 「治療の時間だぜ、大将」

2016-10-06 22:47:23
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「い、行きます!」 「祭りだ祭りだ!」 星矢の声に応じ、部隊が門から躍り出る。 「投石兵、用意!」 山姥切が叫ぶと、7つの球体が複数の人ーそう、大河ドラマに出る足軽のようなーを成し、一斉に紐をブンブンと回し投げる。紐の先には拳より大きめな石が結び付けられ、遡行軍の頭や体に当たる。

2016-10-06 22:52:23
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

当たりどころが悪い遡行軍はこの時点で絶命した。手負いになった遡行軍が一斉に刀剣男士たちに襲いかかる。 「総員、攻撃開始だ!」 『おう!』 薬研、五虎退、愛染が先陣を切り、後に山姥切と宗三、鶴丸が殿を行く。激しいつばぜり合いが起きた。薬研が打刀の首を体と泣き別れにしている。

2016-10-06 22:57:15
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

鶴丸が脇差を真っ二つにし、山姥切と宗三がほぼ同時に太刀を袈裟懸けに斬り伏せている。短刀は愛染と五虎退が片付けた。討ちもらした遡行軍が脇をすり抜けて行くが、シュラのエクスカリバーと星矢の流星拳によりことごとく倒されて行く。 「全員、退避!」 山姥切が何かに気がついて叫び、退く。

2016-10-06 23:00:59
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

直後、その場を二筋の重い太刀筋が走る。大太刀が2振りいたのだ。 「おお、今までより鬼っぽい敵だな」 「大太刀ですよ。一度に3体、余裕でダメージを与えてきます。気をつけましょう」 初めて見る敵に星矢がのんびり反応すると、宗三が注意喚起をした。大太刀が体並みに長い刀を振りかざす。

2016-10-06 23:05:02
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「……俺1人で十分だ」 直後、その懐に新たな一振りの刀が足を踏み込み、腹を薙ぎ切った。 「大倶利伽羅!お前……休んでいろと言ったはずだ!」 シュラが叫ぶ。そう、身体に傷を負って痛々しい姿だが、そこにいたのはメッセージアプリに表示された画像の人物……太刀男士・大倶利伽羅だったのだ。

2016-10-06 23:08:41
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「俺の死に場所は、俺が決める」 「……強がってるなあ、伽羅坊」 「鶴丸か。お前には関係ない」 「どうせ、燭台切を守れず中傷を負った己が許せずに、自暴自棄になっているのでしょう?」 「……ちっ……」 「おや、図星でしたか?」 「どうでもいいだろう、宗三左文字」 「無駄口はなしだぜ」

2016-10-06 23:12:19
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「薬研藤四郎……俺は1人で戦う」 縁ある刀が大倶利伽羅に話しかけるが、彼は素っ気ない態度を返す。その間に、手負いになった大太刀は五虎退が胸に短刀を突き刺して倒し、残りの大太刀も山姥切に袈裟懸けにされ、愛染に頸動脈を切り裂かれて倒されている。直後、シュラの身体から小さな光が現れた。

2016-10-06 23:16:21
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「あれは……どうやらまだ僕の出番ではないようですね」 宗三がそれを見やる。光は大太刀の周りをフワフワと漂い刀に入り込むと、大きな刀を背負った少年の姿となった。 「阿蘇神社にあった、蛍丸でーす。じゃーん。真打登場ってね」 「……蛍!」 「おまたせ、国俊!」 愛染と少年が抱き合った。

2016-10-06 23:21:17
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「驚いた、伽羅坊が無茶したと思ったら、大太刀が来たぞ」 「……どうでもいい」 「……大倶利伽羅は光忠を守れずに自棄になっているんですよ、慰めないと」 「……黙れ宗三」 「……おや、そんなこと言って良いんですか?此方は鶴丸の本霊から貴方と光忠を保護するよう依頼されたのですよ?」

2016-10-06 23:25:15
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「……本霊が?」 「ええ。この時代で偶然にも審神者として任務をこなしていた主に、本霊直々に依頼がやってきたのです」 「そういう事だ」 山姥切が蛍丸と愛染、五虎退を連れて戻ってきた。 「何々ー?楽しい事?」 「いや、大事な任務だ」 蛍丸が首を傾げて山姥切を見やった。

2016-10-06 23:28:34
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

星矢とシュラが合流する。 「鶴丸、彼が大倶利伽羅?」 「ああそうだ。これで、任務の半分は終了だ。あとは、伽羅坊と契約して手入れをした上で、万全な状態で光坊の保護を行う」 「助けなどいらない。俺は1人で……っ!」 大倶利伽羅の言葉は遮られた。シュラが彼の鳩尾を力一杯殴ったのだ。

2016-10-06 23:33:28
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「よし、黙らせた。星矢、すぐに手入れしろ」 「え、どうしよう本人の同意は……」 「ここは戦場だ。本人の同意なんて些事、今はとにかく手入れをしてやれ」 シュラが軽々と大倶利伽羅を肩に担いで家に向かう。星矢は蛍丸と契約をし、仲間と共にシュラの後を追ったのだった。

2016-10-06 23:37:26
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「ねえ、あの時のお兄さん元気?」 星矢が大倶利伽羅の手入れに集中し、他の刀剣男士たちが部屋に集まっていた頃、コーヒーを準備しようと台所に立ったシュラに、蛍丸が話しかけた。 「あの時の、とは?」 「……石切劔箭神社。あの時の幽霊に憑かれたお兄さんのことだよ」 シュラの手が止まる。

2016-10-06 23:41:12
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「……あの時は、軽率な行動ごめんなさい。俺があの時、幽霊のお兄さんに石切丸の話をしなかったら、貴方たちに三条の刀たちが目を付ける事はなかったんだ」 シュラの脳裏に一連の出来事が思い出される。あの時、確かにデスマスクは『軍服を着て背中に刀を背負った灰色の髪の少年』に話を聞いた、と。

2016-10-06 23:45:32
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「……あれはあんたのせいじゃない。むしろ、デスマスクを助ける手段を示し、実際に亡霊を切った事に感謝をしている。恨んではいない」 シュラの手が再びコーヒーを入れ始める。蛍丸が涙目になる。 「……俺の事、恨んでいないの?」 「ああ。その後に他の刀に助力してくれただろう、感謝している」

2016-10-06 23:49:10
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

蛍丸は思い当たった。彼と太郎太刀、次郎太刀がにっかり青江に力を注ぎ、デスマスクと接触し三条の縁を薄めた時のことだと。 「デスマスクから一連の顛末は聞いている。あいつが今、別の刀剣男士と行動を共にしていることも」 シュラが戸棚から砂糖壺を、冷蔵庫から牛乳を取り出した。

2016-10-06 23:52:20
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「俺……あの後ずっと後悔していたんだ……自分のせいであなたたちが困った事になっていると」 「過ぎた事だ。それに、結果としてあんたは審神者である俺の後輩と出会ったんだ。後悔はもうやめておけ。今は、星矢の刀剣男士として、全身全霊をかけて戦う事に集中するんだ」 シュラが蛍丸に言う。

2016-10-06 23:55:28
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

「うん……うん……そうだね……ありがとう、許してくれて。それから、導いてくれて」 「礼を言われるような事はしていないぞ」 シュラは蛍丸に牛乳の入ったパックを渡した。彼自身は人数分のコーヒーを注いだカップを載せたお盆を持っている。 「行くぞ」 「うん」

2016-10-06 23:58:53
審神者になった聖闘士bot @NazunaSeiya

袖で涙をぬぐい、シュラに渡された濡れ布巾で軽く目の腫れを抑えると、蛍丸はシュラの後を追って、星矢たちが待機している部屋へと向かったのだった。 【続】

2016-10-07 00:00:36
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