審神者になった聖闘士BOT、小説パートまとめ
- nazuna228967
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「長ったらしい、結論だけを言え」 山姥切がこんのすけを睨みつける。 「ひたすら各地で歴史修正主義者たちと戦え、との時の政府からの伝達です。私からは以上です」 そういうと、こんのすけは審神者となった星矢を見やる。 「彼は戦闘経験があるみたいですし、何かしらの人脈もあるみたいですね」
2015-05-17 23:00:22「聖闘士は世界各地にいますので、彼らの力を借りれば貴方の主人の思惑くらいなら達成できましてよ。しかしながら私たちの目的は世界を守る事」 一度言葉を区切って沙織が言う。 「貴方の主人が世界を破壊しようと目論むならば、私たちは貴方たちを倒しましょう、世界を守るために」
2015-05-17 23:05:34「おお、怖い。しかしながら頼りになりますねえ。とにかく、この時代の事はそちらに任せましたよ」 そう言うと、こんのすけは星矢たちの前から消え去った。 「いう事だけ言って消えてしまいました…」 「あれはああいうものだ」 ボソリと呟く山姥切に、星矢は砥の粉をポンポンとはたき始める。
2015-05-17 23:11:41「別にこれくらいなら…」 「いつ歴史修正主義者が来るかわからないんだから万全にしておくべきだ」 「その通りです。ましてや、今ここには山姥切、あなたとそこの五虎退さんしかいないのですから」 「そ、その通りです!僕らしかいません…」 「…悪かった」 山姥切はガックリとうなだれた。
2015-05-17 23:19:58♩〜 どこからか機械的な音楽が流れ、沙織がポケットからスマートフォンを取り出した。 「もしもし。あら、瞬どうしたの?…え?」 沙織の表情が厳しくなった。「わかったわ、星矢を援護に向かわせます」二言三言会話を交わすと電話を切った。 「…星矢、歴史修正主義者らしきものが現れました」
2015-05-17 23:28:58「瞬から?どこに現れた⁉︎」 「…光が丘病院の近くよ。すぐに行ってあげて」 「わかった!山姥切、五虎退、行こう」 「わかった」 「は、はい!」 辰巳徳丸に車を出してもらい、星矢たちは光が丘病院へ到着した。 「ここにその瞬なる人物が?」 「俺の仲間であり兄弟だ。頼りになる奴だぜ」
2015-05-17 23:36:47星矢は山姥切に言った。病院の前に来ると、既に戦いが始まっていた。星矢と同じ位の栗色の髪の男が、歴史修正主義者を相手取り光の鎖で縛り付けている。 「瞬、大丈夫か⁉︎」 「星矢!見ての通りだ、倒してもすぐ出てくる」 起き上がり襲いかかろうとする歴史修正主義者を、山姥切と五虎退が斬る。
2015-05-17 23:46:14「い、痛かったら言ってください…」 五虎退が敵の急所を素早く斬りつける。 「その目…気に入らないな」 山姥切が敵を深々と貫いていく。 「星矢、彼らは⁉︎」 「あれを倒すために未来から来た日本刀の憑喪神だ。訳あって俺がこの時代での彼らの主人になっている」 「後で過程も聞かせて!」
2015-05-17 23:51:29瞬と星矢が背中合わせに歴史修正主義者を迎撃し、怯んだ相手に山姥切と五虎退がとどめを刺していく。次々と倒されて光の粒となり敵が消えていく。 「星矢、終わりそうだ」 山姥切が言うと、最後の敵を五虎退が切り裂いた。消える敵の中から光に包まれた刀が現れた、その場で人の形を成していく。
2015-05-18 00:00:27それは五虎退とよく似た服を着た、黒いショートカットの少年だった。 「…よう、大将、俺は薬研藤四郎…わっ! 「…や、薬研くん!…よかった…」 「五虎退か?よしよし、大丈夫か?」 自己紹介を待たずに薬研藤四郎と名乗る刀剣男士に、五虎退が嬉しそうに飛びついた。 「彼も憑喪神なのか?」
2015-05-18 00:11:29「瞬、すまないが仕事が終わったら城戸邸に来てくれないか?詳しい説明をするから。あと、さっきは憑喪神だ、と言ったけど、彼らの名称は刀剣男士。そしてさっき戦った怪物は、歴史を改竄しようと目論む、歴史修正主義者だ」 「歴史を変えるだって?そんなの許されないよ」 瞬の表情が厳しくなった。
2015-05-18 00:15:06第三話
「星矢、おまたせ。氷河も連れてきたよ」 「…一体何がどうなった」 光が丘病院の近くで、歴史修正主義者と刀剣男士の戦闘が起きた数時間後。事情を説明するからと城戸邸で星矢と会うことを約束した瞬は、業務終了後にバー「ヴィディアムー」に立ち寄り、開店前の準備をしていた氷河に会った。
2015-05-23 16:25:30瞬から話を聞いた氷河だったが、状況がうまく理解できず、とりあえず城戸邸へ向かう事に決め、本店にいるオーナーに店を任せやってきたのだった。 「なんだ、お前たちも来たのか」 背後から懐かしい声がして、二人が振り向くとそこに一輝がいた。何となく胸騒ぎがしたからきた、という。 「兄さん」
2015-05-23 16:29:56「…あ、さっきの病院の方だ…」 気がつくと、先ほど病院の近くで戦っていた刀剣男士の一人、五虎退が出迎えに来ていた。初対面の人がいるからか、あるいは元々か。オドオドと緊張したような話し方になっている。 「…あ、主さまなら先ほどいらっしゃった僕の兄弟と、お客様とお話ししています…」
2015-05-23 16:33:36「…これがその…刀の神様か?」 氷河が瞬に聞く。瞬がうなづく。 「彼以外にあと二人います。そのうち一人は僕の目の前で具現化しました」 「や…薬研くんのことですね」 「彼は薬研というの?」 「や…薬研藤四郎って名前です。ぼ…僕とは兄弟関係です…えっと…同じ刀鍛冶が造ったから…」
2015-05-23 16:38:40歩きながら五虎退が説明する。 「五虎退君の兄弟なのか」 「き…兄弟はまだたくさんいます…えっと…粟田口派は短刀造りの名手だったので」 しばらく行くと応接間に着いた。五虎退がドアをノックする。 「失礼します…お客様をお連れしました」 音も無くドアが開くと星矢が出迎えた。
2015-05-23 16:43:58「瞬、氷河…それに一輝まで。来てくれて助かった」 「…驚いた。示し合わせたわけでもないのに兄弟が集まるとは」 ソファには既に先客…紫龍がいた。その傍には、先程の戦いで新しく加わった刀剣男士・薬研藤四郎がいる。 「へえ、大将も兄弟が多いんだな」 「異母兄弟って奴だよ」
2015-05-23 16:50:10「御託はいい。とにかく事情を説明しろ」 一輝が頭を押さえている。星矢がコーヒーをいれ、瞬たちに座るよう促した。そこへ沙織もやって来た。一緒に山姥切国広も来たが、ソファに座らずドアの側にもたれ掛かっている。 「…座りなよ、山姥切」 「…俺はいい。何かあった時にすぐ動きたいからな」
2015-05-23 16:57:10「瞬、あいつも刀の神か?」 「そうです。星矢と沙織さんの元に一番始めに現われた方です」 「俺の事はどうでもいいから話を進めろ」 山姥切は相変わらず布で全身を覆ったまま、ぶっきらぼうな態度をとる。 「とりあえず、状況を説明するよ」 星矢がコーヒーを片手に今までの経緯を説明し始めた。
2015-05-23 17:01:11山姥切のかつての主が歴史修正主義者により倒され、その人が最後の力で山姥切を過去に送り込んだ結果、城戸邸の庭に現われた事。 城戸邸に歴史修正主義者が出現しそれを倒すために星矢が審神者になった事、それによって力を発揮した山姥切により五虎退が仲間に加わりそして数時間前の戦いに至った事。
2015-05-23 17:05:43経緯を説明した星矢は、次に今の時点で山姥切たちから聞いた刀剣男士について話した。 刀剣男士には七種類存在し、歴史修正主義者も同じく七種類いて、倒すと歴史修正主義者が刀剣男士として解放される事があること。 「因みに今の時点で、俺っちと五虎退は短刀、山姥切さんは打刀に該当するんだ」
2015-05-23 17:13:28「種類が違うと戦い方も違うのか」 「…短刀や脇差、打刀は夜でも有利に戦える」 「な…薙刀は一気にたくさん敵を攻撃できます…ただし、槍や太刀みたいに後から強くなる種類です」 「太刀や大太刀は体が大きいからか動きが遅めだ。代わりに一撃がかなり効く」 一輝の呟きに刀剣男士たちが答える。
2015-05-23 17:18:28「…とりあえず今の時点ではこんな感じだ」 星矢がふぅ…とため息をつく。慣れない説明で疲れたようだ。 「ありがとう、お疲れ様」 瞬が星矢を労う。 「しかし、かなり厄介な状況だ」 「僕も出来る限り協力するよ。みんなも協力してあげて」 「…できる範囲でならな」 一輝が厳しい顔をする。
2015-05-23 17:23:14話が終わったからとスマホを確認していた氷河の表情がにわかに厳しくなる。 「星矢…これは歴史修正主義者か?」 「え?」 氷河が見せたスマホのメッセージアプリには『買い出しから戻る時に嫌な空気を感じて物陰を見たらおかしな者がいたから早く店に戻るように』とのオーナーからの連絡があった。
2015-05-23 17:29:33