【GC_POD】薔薇と蝶の六時間舞踏会

パンドラ所属魔法師 リギルグレイヴ・クロバキウス 同盟所属魔法師 ゴルディウス・フランチェスカ 続きを読む
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墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m (そう、“見えて”いる) (視覚が闇に閉ざされようとも) 演算開始―― 蝶から得た情報でゴルディウスの挙動を予測;完了。 身体損傷チェック;コード010、ショック症状、機能を一部カット。 外接デバイス動作チェック;可能。 ――演算終了。 →

2015-05-17 01:20:01
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 灰の腕を片方パージし、蔦の拘束に緩みを作る。 コンマ1秒、自由になったもう片方の腕をばねにし、体を無理矢理引き起こす。 (ご褒美だなんて、) 興奮が人間の毛穴を開くように。 表皮に、断面に、衣の繊維に。 蟲たちの無数の貌が現れる。 (もっと欲しくなる) →

2015-05-17 01:26:28
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 慣性の法則に従った肉体は、ゴルディウスの足元に縋るように転がり込む。 (さあ、死の接吻をいたしましょう) 【肉蝕蟲の接吻】21 [5D6] 2,5,4,5,5

2015-05-17 01:27:00
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 喉が引き攣るような悲鳴。 「……ひ」 流石の、長く人間の花壇を作ってきた花の闇魔法師も、これには、思わずそんな反応を示した。その恐怖が判断を鈍らせる。→

2015-05-17 01:50:41
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 普通、恐怖とは目に見えぬもの、自分自身の与り知らぬ者に対して抱かれるものである。自分に浮かんだ恐怖は紛れもなくそれであり、目の前であまりにも見慣れぬ異形に変化した彼を、ただ震えて見ている事しか出来なかった。 「あ゛……イヤ、いやだぁああぁぁっ!」→

2015-05-17 01:51:03
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 顔を両手で覆って絶叫した。数十年ぶりに味わう恐怖に、全身の血が、花が、蔦が凍り付くような感覚に陥った。パニック。そうしている間にも、足元には恐怖の塊。ずるり、ずるりと粘性を持って這い上がってくるそれから、痛みから逃げようともがく。→

2015-05-17 01:51:23
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg . . 頭の先からつま先まで恐怖と痛みに支配される。じくじくと精神が腐敗していく音がする。

2015-05-17 01:51:57
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 『気をつけて、皆で待っているから』 『帰ってこなかったら悲しいからね。帰ったらキョートで美味しいもの食べるんだから』 →

2015-05-17 01:52:20
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg これは、出る前に聞いた声。 大人しい柘榴の青年と、小さくなってしまった相方から言われた。 そうだ、セン。センディス。センディス。

2015-05-17 01:52:38
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg センディス。センディス。センディス センディスセンディスセンディスセンディスセンディスセンディス センディス。 センディスを、連れた、パンドラは、殺せ。殺す。殺せ。愛して愛せ。殺して殺せ。これはいつもの行動だ。ゴルディウス・フランチェスカが行うべき行動だ。

2015-05-17 01:53:07
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 目の前の男は、人  げ ん だ。

2015-05-17 01:53:23
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「いや違う。花壇だな」 へら、と。精神の箍の壊れた音とともに笑みを浮かべる。知ったことか。痛み。痛みは痛みではなく自分にとっての快楽だ。何故それを忘れていたのだろう? 「は………ぁ、あ、気持ち、イイ……うふ、ふふ。ひひっ、ひひひ」 →

2015-05-17 01:53:59
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg ぶるりと身震いする。喘ぎ、笑い、感じる。恐怖と痛覚を悦楽と快感で満たす。その感情に呼応されて、ボロボロと血は花弁となって辺りに巻き散らかされる。 「ロサ。  “ゴルディウス”」 くれてやる。 →

2015-05-17 01:54:23
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 血の蔦が。首の茨が、腕の蔦が、自分の体を貫いて、リギルの体『であろうもの』にどすどすとつながる。 「こういうのはお互い気持ちよくなるもんだろ……ひとつになろうぜ、リギル」 →

2015-05-17 01:54:54
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 繋がった蔦、茨、ありとあらゆる部分が『薔薇の花』に侵蝕される。 ごぼ、と臓腑からせり上がる大量の薔薇の花弁を吐き出しながら、なおも、笑った。 【ロサ:ゴルディウス】22 [6D6] 5,4,4,2,5,2

2015-05-17 01:55:36
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m これが、ゴルディウス。 この花弁が、棘が、快感が、悦楽が。 ザダムの小さな世界に咲いていた花。 ケーブルを通じて、粘膜を介して、情報が奔る。 血よりも濃い、言葉よりも鋭い。 ああ、でも。 こんな入出力デバイス越しの接触では、まだ足りない。 →

2015-05-17 02:24:58
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m (仮想空間に魂の器を定義) (ゴルディウス・フランチェスカ) (素肌と素肌で) (触れ合おうじゃないか) 茫洋と白い闇の中に、素裸のリギルが表示される。 さあ、場所は開いた。アクセスキーは、君の意思一つだ。 おいで、と手を伸ばす。

2015-05-17 02:25:57
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「……ふ」 喉は、ほぼ花弁で圧迫されている。失血と窒息と、脳みそを焼くほどの興奮でふらふらとしている頭では、幻覚かと感じるほどだった。 「…………ぁ」 ふらりと、それでも彼の元に歩み寄る。伸ばされた手に、触れる。

2015-05-17 02:30:20
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 白い皮膚と、皮膚が。お互いが別の人間であることを証明する。 「家族以外で私の秘密に近づいたのは、君が初めてだ」 抱き寄せて、耳元に舌を這わせながら囁く。 脳が焼けそうだ。 ぶちまけたい。秘密を。衝動を。 今。 →

2015-05-17 02:54:00
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「私はね、“世界”にならなきゃいけないんだ。世界をたった一つの家族にしたいから」 「だから、家族以外の人間はみんな“私”にする。そしたら、私とザダムが、たった一つの家族になる」 「二人だけの王国で、永遠に暮らすのさ」

2015-05-17 02:55:50
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「……でも、今、知ってしまった」 快楽を、知ってしまった。 異質であること、未知であること、闇――その境界に。 恐怖で彩られた快感が咲くことを。 私と繋がろうとする、花が咲くことを。 →

2015-05-17 02:56:51
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m そっと押し倒したゴルディウスの肋骨を唇でなぞって、下腹のゆるやかな骨の出っ張りを啄ばむ。 甘い。蟲の味覚。 自分の中で固く蕾んでいた空虚が、少しだけ綻んでいく。 ああ。 受粉する。 二人だけの孤独が終わってしまう。

2015-05-17 03:01:35
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 凍りついた精神の花が、赤く色づき、実を結ぶ。 快楽に熟れた、薔薇色の種子。 魂の破片が、涙の結晶になり、掌の上に落ちる。 小さな赤い実を、唇で啄ばみ。 薔薇を溢すゴルディウスの唇に、自らの唇を重ねる。 →

2015-05-17 03:12:57
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 舌を滑り込ませて。 花弁を掻き分けて。 喉奥の温い粘膜まで、種を流し込む。 「私の種子を。君とともに、咲くように」

2015-05-17 03:13:35
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「…………っ、ふぁ……。ぅん……ん……」 受け入れる。流し込まれた種も、半ば当然のように受け入れて、飲み込む。全身が弛緩して言う事を聞かない。意識だけはそこに。 滑り込んできた舌に、自らのそれを薔薇の花弁と共に絡めるだけ、で。

2015-05-17 03:18:44