【GC_POD】薔薇と蝶の六時間舞踏会

パンドラ所属魔法師 リギルグレイヴ・クロバキウス 同盟所属魔法師 ゴルディウス・フランチェスカ 続きを読む
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ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg センディスがいなくなったのは、パンドラのせいだと半ば確信していた。それならば、パンドラに乗り込んで『一から全て潰していく』のがいい方法である。 闇魔法師は、闇魔法師の殺し方をよく知っている。 黒いドレスを身にまとって、突き止めた一つの廃墟にたどり着いた。→

2015-05-16 22:41:25
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 気味が悪い。一目でそう思った。 武装はしない。向かってこられたら全員薔薇の養分にしてやればいい。 それだけ。それだけだ。いつも通りの、昔と同じ過ごし方だ。 心を無にして、廃墟の方向へ一歩足を踏み出した。

2015-05-16 22:42:45
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m ゴルディウスの鼓膜へと、音が届く。 「おお、深紅のちいさな薔薇よ」――厳かな歌声。 歌は呼んでいる。廃墟の奥から、あなたを呼んでいる。 “あなたは招かれし客人である。私はここにいる”、と。 →

2015-05-16 22:53:27
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m (もしもあなたが廃墟の門を潜り、屋内に侵入するならば、 じっとりとした不快感に見舞われるだろう。 まるで、生物の体内に入り込んでしまったような。)

2015-05-16 22:55:24
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 眉を寄せる。空気が気持ち悪い。 今まで体験したことのない、胎内の心地よさと悪さ。 「ばれている、か」 ぼそりと呟く声は恍惚と悦楽に満ちていた。この人喰い薔薇を前に、逃げないことを賞賛しよう。 「イいな。イイぞぉ」 舌舐めずりをして、一言。 「どこだ?」

2015-05-16 23:00:29
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m あなたの言葉に呼応するかのように、回廊の最奥にある扉が鳴いた。 壁に走る線条の光、そして揺れるシルエット。 呼び声は、さらに、大きく。

2015-05-16 23:05:37
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg かつ、かつ、とわざとらしく、ゆっくりとブーツの音を響かせて、扉へと向かう。 手前で一度立ち止まり、首から左腕へと繋がる蔦を引き抜いた。 そして、名乗りをあげる。 「フランチェスカの人喰い薔薇だ。『ご招待』を受けようではないか」 扉の、向こうへと。

2015-05-16 23:12:24
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 歓喜の悲鳴を開けながら、古びた扉がひとりでに開く。 壁一面の書棚以外はがらんとした殺風景な部屋。男が一人。 「ようこそおいでくださいました、ゴルディウス・フランチェスカ様。今宵はこのリギルグレイヴ・クロバキウスが貴方のお相手を勤めさせていただきます」→

2015-05-16 23:22:43
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 帽子を取り、慇懃に一礼。 「咲き零れる薔薇から時を奪うこの瞬間を、待ち焦がれておりました」 うっとりと杖を撫で、微笑みかける。 杖の円環の中で、囚われた蝶が激しく身悶える。

2015-05-16 23:26:09
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「……私の名前を知っているのか」 ならば、と口調はぞんざい。ぶっきらぼう。 「話が早くて助かるな、リギル。私は貴様を咲かせにきた。現世に生きていては味わえないような、サイコーに『気持ちのいい』咲き方を、体験させてやる」 部屋の探索はその後でもいい。→

2015-05-16 23:30:40
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg カン、と高い音でブーツを鳴らす。踵を打ち付けた場所から、真っ赤な薔薇の花弁が巻き上がる。 「さあ――――」 「 “Shall   we   dance?” 」

2015-05-16 23:32:40
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「Sure, I'd love to.」 蝶が薔薇の馨りに咽び、七色の鱗粉を吐けば。 黒衣の隙間から、隆々とした灰色の腕が一対、優雅に生える。 四本目の腕が、誘うように手を差し伸べて。 「もしも上手に踊れたら、“あなた”と“その箱”を私にくださいますか?」

2015-05-16 23:42:19
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「……あぁ、やはり。箱が目当て…………は? 私?」 キョトン、として数十秒。くっと口の端を吊り上げて、歪んだ笑み。 「ひ、ひ。ひひひひひっ、物好きめ。人食い植物を観葉植物として置いておくご趣味かよ?」 肩を震わせて、右手を出す。 「いいだろう!!」

2015-05-16 23:46:21
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「有難き幸せ。“あなたがいなければ”、意味がないのですよ。私の夢は、ね」 含み笑いに、血糊のようにベタついた狂喜が滲む。 金色の瞳は満月の狂気。 「それではお手合わせ願いましょうか」 空間を満たす混沌が、甘く、凝る。

2015-05-16 23:57:20
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「あぁ、勿論……私が勝ったら、貴様の『夢』とやら教えてもらおう」 手持ちのナイフで、自身の左腕を一閃。滲む赤。 「私はそんな大層な人間になったつもりがなくて、な……ロサ! ペタルム=グラディウス!」 零れる血が花びらに変わる。それは寄り集まって、剣に。→

2015-05-17 00:05:19
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「ぁ、は。開幕一発、イかせてやるよ。すっきりするといい」 ダン、と強く踏み込んで、リギルの胸辺りに向けて、薔薇の剣を突き出した。 当たればそこから茨に覆われる、『拘束術』 【攻撃】12 [5D6] 2,1,1,4,4

2015-05-17 00:07:46
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「はは。欲しければ奪ってごらんなさい、私の秘密を」 悠々とした微笑みのまま、胸に切っ先を受け入れる。 弾けた血は模様へと分解され、再び結像。胸元に現れる、薔薇。 それは誓いの花。散らしあう運命を約束した花。 →

2015-05-17 00:26:09
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「弟に代わって、甘んじて縛られましょう。あなたと交わした約束に、ね」 胸から生えいづる蔦に、全身が拘束される。 それもまた想定の範囲内だ。 花に呼ばれるように、突如として蝶の群れが空間を縫って現出する。 →

2015-05-17 00:32:13
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「い、た、だ、き、ま、す」 舌なめずり。 蝶は妖花の全身に群がり。 針のような口吻を捻じ込み、血液を啜る。 【吸血蝶】24 [5D6] 4,3,5,6,6

2015-05-17 00:33:36
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 拘束されても尚余裕の表情を浮かべる彼に、怪訝な顔をする。こいつ、焦らないのか。 「ウィーティ……」 このまま貫き殺すか。呪いの言葉を呟きかけた途端、急に視界がおおわれた。 「パピリオ……!!」 ぎり、と歯ぎしりする。蝶を払うより早く、全身に。→

2015-05-17 00:42:43
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg ず、と全身に差し込まれる、感触。 「―――――っ!!」 あまりの痛みに、声にもならない悲鳴を上げた。 「ぎ、ぃ……っ、ひぃ、いっ……」 蝶から逃れようともがく。無理やり、肌から、それらを引きちぎる。らちが明かない。 「ぐ、ぁあ、あ……っ……サギッタ!!」→

2015-05-17 00:46:25
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 先程『開幕に』散らした花弁。それらが矢の形となり、自分ごと群がる蝶を貫く。 薔薇の矢は刺さったまま、さらにもう一歩踏み込んで、拘束された体を睨む。 「ウィーティス……!!」 自身の血で染まった地面。そこから生えるは赤黒い蔦。彼を、地面に引きずり倒す。→

2015-05-17 00:49:42
ブリード(同盟) @goldius_m

@steelmgmg 「中は……まだ早いんじゃないか。なァ。『だんなさま』」 薔薇剣でドレスの裾を大幅に裂き。右足を上げ。 だん、とその顔面を踏みつけた。 「はっ……はぁっ……はぁっ、くく、ひひ、ひ、ご褒美だよ。受け取りな」 【踏みつけ】15 [5D6] 1,4,1,4,5

2015-05-17 00:53:35
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 「見え、」 顔面に踵が、血の味が、容赦なくめりこんでくる。 石床とゴルディウスの体重とに挟まれた頭は、やわらかい果実のようにひしゃげた。 ぱしゃ。 肉袋を形作っていた“蟲(タンパク質)”たちが飛び散った。 →

2015-05-17 01:16:18
墓維鈍 @steelmgmg

@goldius_m 蟲は発狂したように、蠢き、のたうち、生命の赤い水を舐める。 ああ、甘美なるかな! →

2015-05-17 01:16:37