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【にまめ講座⑱】それではにまめさんの今作が「どのように残り9割の誤解を解けばよいのか」という問題点も含め、もっと「自分が好きな絵」ではなく「イラストレーション」として昇華できるのかを、具体的に図解しながらご説明してゆきましょう。
2015-05-25 20:27:43【にまめ講座⑲】今作の優れた点①【モチーフのバランスが良い】。これはイラスト講座初回(togetter.com/li/641475)でもご説明した「見やすいイラストはモチーフの大きさがきちんと差別化されている」という事です。 pic.twitter.com/cAbUdADIAa
2015-05-25 20:40:50【にまめ講座⑳】ここまで出来たら、もう一歩。せっかくクジラ(大)がいるのですから、もう少し大きくして、シャチ(中)や主人公(中)と差別化させると、もっと見やすくなり、紙の大きさは同じまま、こじんまりした印象もなくなります。 pic.twitter.com/TedxhSHM71
2015-05-25 20:51:42【にまめ講座21】ここまでモチーフを大きく、画面からはみ出させても、それがクジラだと解るのは、にまめさんが今作で各生物の形をきちんと調べて描いたからです。これもとても良い部分。だからもっと大胆になっても大丈夫です。 pic.twitter.com/SMtZqJnV9x
2015-05-25 20:55:32【にまめ講座22】次に色。写真の都合もあるとは思いますが、今作は明らかに全体が淡すぎます。講座では絵を見る姿勢があるので気付きにくいけど、駅貼りのポスターにするとこんな感じ。ボンヤリして、せっかくの絵も見過ごされてしまいます。 pic.twitter.com/bozDV3ADRr
2015-05-25 21:15:06【にまめ講座23】ということで少しコントラスト(色の明るい・暗いの差)を上げてみました。これで駅張りにしても、通りすがりの人にうっかり見過ごされることは減りそうです。 pic.twitter.com/1fHaAbwfJH
2015-05-25 21:22:09【にまめ講座24】ただしコントラストを上げるということは、白はより白く、黒はより黒くなりますので、この絵で一番目立つのがシャチになってしまいます。彼は主役ではありませんので、そんな出しゃばりの脇役が舞台に立たれては困ります。 pic.twitter.com/QMYTvmo3jf
2015-05-25 21:30:12【にまめ講座25】と言う事で、シャチの【真っ白】と【真っ黒】を【灰色】に近づけ、言うなれば印象を「ぼんやり」させます。これはスーツと似ていて、好みは置いといて、「どちらの方が前に見えるか」みたいなものです。 pic.twitter.com/ODRKa8dKen
2015-05-25 21:43:06【にまめ講座26】全体で見るとこんな感じ(左)。イルカも手前の1匹を少し暗く、奥をもう少し暗くして、見やすくかつ画面に奥行きを出しました。変更前(右)に比べ、主役である女の子に目が行きやすくなったのが、お解りいただけると思います。 pic.twitter.com/rleMqxsmLv
2015-05-25 21:50:03【にまめ講座27】でもポスターにすると、剛力さんに比べ、まだ主役が消極的に見えます。この距離では学生である事も判別できません。なぜなら、制服の青と背景の青が、似た種類と似た濃さなので、カメレオンのように画面に同化し過ぎているのです。 pic.twitter.com/sw7Evou6py
2015-05-25 22:06:25【にまめ講座28】という事で、主役の女の子の着ている制服をまずは濃くする(左→右)。 pic.twitter.com/BbaYrFc9AP
2015-05-25 22:17:34【にまめ講座29】そして設定が壊れない程度に、背景の青から制服の色の種類を離す(左→右)。今回は緑に近づけましたが、逆に紫でも可。ただ今回の場合は紫にすると、彼女の悩みが深すぎる過ぎる印象を与えるので、フワフワという印象に近い緑に。 pic.twitter.com/VjhryssEFp
2015-05-25 22:22:54【にまめ講座30】するとこんな感じ(左)。変更前(右)と比べると、目を細めても(遠くから見ても)、背景と差別化した彼女が、きちんと主役らしく目立ってくれました。髪の毛のオレンジも、近くに緑を置いた方がより鮮やかに見えますよね。 pic.twitter.com/6o2kaW0mXb
2015-05-25 22:29:21【にまめ講座31】では、最後の大きな課題。それは一番はじめのクイズでも正解者がなかなか出なかった「空に見えない」問題。これは今作の特徴として非常に重要な点なので、大方の解答通り「ただ水中を泳いでる絵」に見られる事態だけは、今後、避けたいですよね。
2015-05-25 22:33:41【にまめ講座32】確かに海と空はどちらも青ですが、ほんとうにまったく同じなのでしょうか?「百聞は一見に如かず」という事で、本物を見てみましょう。どちらの写真も非常にシンプルですが、それでもどちらが海で、どちらが空か判別できますよね。 pic.twitter.com/yLQdPOfOIJ
2015-05-25 22:38:29【にまめ講座33】「色の種類が違う?」いいえ、今回の写真上ではそうですが、ならばこうして同じ色味にしてみても、どちらが海でどちらが空か、まだ判別できますよね。 pic.twitter.com/p5taDrYkeZ
2015-05-25 22:42:32【にまめ講座34】「水中には水面の光があって、空には雲がある」それも正解ですが、実はもっと根本的な違いがあります。では更に光も雲も取り払ったこの図なら、解りやすいのではないでしょうか。そう海は(下が濃く)、空は(上が濃い)んですね。 pic.twitter.com/0WGKxHKIyu
2015-05-25 22:48:51【にまめ講座35】では「空」を描かなければいけなかった今作はどうなっているでしょうか。上下とも大差ないですよね。それで魚がいたら「あ、水中だ」と間違えるのは仕方ないです。たったそれだけのことで勿体ないです。 pic.twitter.com/9GtVQ5o6YR
2015-05-25 22:54:53【にまめ講座36】同様に雲を注意深く見てみます。本当に今作品のように、白と青という【色の種類】の差しかないのか。だったらなぜ皆は「(雲があるなら)空だ」と当たり前に思えなかったのでしょうか。 pic.twitter.com/LuKFTRDijr
2015-05-25 22:59:40【にまめ講座37】という訳で今度は、色の種類をなくして(モノクロにして)比べてみましょう。この状態の絵では雲が消えてしまったのに、写真では消えていませんよね。そう、色の種類だけでなく、色の濃さにも意外とはっきりと差があったのです。 pic.twitter.com/HYXR9EdrDB
2015-05-25 23:01:47【にまめ講座38】それでは空の濃度の向き(上が濃い⇔下が薄い)を正しくし、さらに雲以外をきちんと色を塗って差別化をさせてやるとこんな感じ(左)。これでもまだ「水中」という人がいるなら、「責任者出てこい!」でございます。 pic.twitter.com/SGgYTLGHdn
2015-05-25 23:08:37【にまめ講座39】あとは、足元には海ではなく、密集した都会を描いた方がベター。この方がより空の高さや解放感が演出でき、魚達がいる不思議さもアップ。更に少女の抱える悩みにまでイメージは達し、今回のテーマに合った絵になります。 pic.twitter.com/nb4IXL12DF
2015-05-25 23:15:27【にまめ講座40】かなり長時間に及んでしまいましたが、ここで最初に言ったこと「女の子は車やビルも練習しなさい」。はい、こういうことです。女の子は意識しなければ、好みで有機物(自然の風景や生き物)やファッションばかりが得意になり、テーマの合ったモチーフも考え付き難くなるのです。
2015-05-25 23:20:28【にまめ講座41】絵を描かない方でも、元の絵(左)より修正後(右)の方が「何となくプロっぽい!」と感じるのではないしょうか。同じ絵なのに。 pic.twitter.com/tFrzPHVfZc
2015-05-25 23:26:17【にまめ講座42】つまり今回の講座でお伝えしたかったのは、プロのイラストレーターは描写力だけではなく、誤解のない絵を描き「他者にきちんと伝える」事が最も重要だという事です。何の誤解か、それはモチーフであり、テーマ。だから絵にとってテーマって凄く大事なのです。
2015-05-25 23:28:38