ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10101517:ニチョーム・ウォー #2

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
0
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チリングブレードは訝しんだ。ヤモトの背後をとった彼の更にその後ろ、新たなニンジャが立ったのだ。「その一撃マッタ」新たなニンジャが呟いた。コリ・ケンの刀身に猛禽めいた鉤爪が食い込み、ミシミシと音を立てる。そのニンジャの手だ。尋常の姿ではない。そしてその頭部も。フクロウなのだ! 25

2015-05-25 00:47:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRASH!鉤爪がコリ・ケンを砕いた。「握力には自信がある!」フクロウ頭のニンジャが言った。「何を……グワーッ!」逆の手の鉤爪がチリングブレードの首筋を捉えた。「ドーモ。フィルギアです」フクロウ頭のニンジャはチリングブレードを吊り上げながらアイサツした。 26

2015-05-25 00:52:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヤモト=サン、ほったらかしのつもりはなかった。俺も伝書鳩役でいっぱいいっぱいなんだ。アナイアレイターの奴、わかるだろ」フィルギアは言った。「とにかく間に合った……ア?そんな化け物を見るみたいな反応をしないでくれよ」「イヤーッ!」チリングブレードがフィルギアを蹴りつける! 27

2015-05-25 00:56:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」フィルギアはチリングブレードを壁外へ投げ飛ばした。「やらいでかーッ!」チリングブレードは捨て台詞を吐きながら落下していった。「イヤーッ!」シヴァーはヤモトに両手爪の攻撃を仕掛ける。二対一となってしまえばもはや時間稼ぎ戦術はとれぬ。ヤモトはぐっと低く身を沈めた。28

2015-05-25 01:02:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ホワイトドラゴン=サン!」シヴァーは女王の名を呼んだ。ヤモトは跳ねた。「イヤーッ!」「グワーッ!」ヤモトが着地し、カタナを鞘に戻すと、シヴァーの身体が斜めに裂けた。ナムアミダブツ!「我が命!捧げます!」シヴァーは叫びながら壁から滑り落ち、そして爆発四散した。「サヨナラ!」29

2015-05-25 01:07:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァー……しんどいぜ、イヒヒヒ」フィルギアは薄い壁の上でよろめく。ニンジャバランス感覚を維持する事も困難なほどに消耗したと見える。ヤモトは手を伸ばして鉤爪を掴んだ。そして言った。「ありがとう」「すまんね」その姿が歪み、人の形になった。「獣の形は力が要るんだ。秘密だぜ」30

2015-05-25 01:13:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼は空を仰いだ。「さっきの掃射でやれたぞ。ご苦労さん。ブルズアイだ」「電話王子様」の看板の陰から、もうもうと黒煙が立ち込めている。「イヤーッ!」ヤモトは手を離し、再び飛来したスリケンを切り払った。フィルギアは二、三のたたらを踏み、「ありゃロングカットだ。しつこいね」と言った。31

2015-05-25 01:16:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「徐々にアマクダリの連中が集まってくる。他の皆、どうかな。正直一個も落とせないぞ。是非ともうまくやってもらわなくちゃ」蹄の音。彼は壁の内側を見下ろす。「さあ。グルッと周って来てくれた」然り。セントール。「イヤーッ!」ヤモトは下へ身を躍らせた。フィルギアは頷き、彼女に続いた。 32

2015-05-25 01:23:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「徐々にアマクダリの連中が集まってくる。他の皆、どうかな。正直一個も落とせないぞ。是非ともうまくやってもらわなくちゃ」蹄の音。彼は壁の内側を見下ろす。「さあ。グルッと周って来てくれた」然り。セントール。「イヤーッ!」ヤモトは下へ身を躍らせた。フィルギアは頷き、彼女に続いた。 32

2015-05-26 22:40:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「かんじるぞ」「感じるか」「かんじる。かずを」「幾つだ」「いち、に、さん、た、たくさんだ」「ムム……」足首の高さまである汚水に泡の筋を残し、しめやかに前進するのは二人のニンジャである。どちらも装束の背には冒涜的なヨロシ・バイオサイバネティカ社の意匠。バイオニンジャだ。34

2015-05-26 22:46:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

背の高い方のニンジャは頭巾をしていないが、眼球が18個ある。プラネタリウム機械めいて、全周囲に対応する奇怪な眼球だ。もう一方のバイオニンジャは……少なくとも今のこの非戦闘時は……通常のニンジャとかわらぬ外見をもっているように見える。「そろそろ何か動く頃とは思っていたがな」 35

2015-05-26 22:50:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「しすてむ……しすてむなんとか」18眼のニンジャがギョロギョロと目を動かす。6種類の周波数に対応するバイオアイだ。「うむ。システムショックだ。あれに乗じてマスモーフのステルスヤクザ部隊を突破したと見るのが妥当。創意工夫の才が無いバカども。単に追いつめられたというのもあろうが」36

2015-05-26 22:55:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ばかども。ぐふ。ぐふっ」多眼のニンジャが笑った。侮蔑と悪意がはっきりと表れた笑いだった。「あいつ、くれなかった。だから、ほかの、おもちゃほしい」「そうだな。だが、うまく捕虜にできればの話だ。基本的には殺してゆけよ。こぼれた奴を捕えるぐらいで丁度いい……」「ころす、たのしい」37

2015-05-26 23:02:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

バシャ……彼らの前方で水が音を立てた。多眼ニンジャの視覚映像はバイオプロトコル変換され、隣を歩くニンジャのニューロンに焼きつく。「鼠だな」「イヤーッ!」その瞬間、頭上からニンジャが落下してきた!「イヤーッ!」多眼ニンジャの横を歩くニンジャは予知めいて反応!「そしてニンジャだ」38

2015-05-26 23:09:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」彼はアンブッシュを跳んで避けるのではなく、サマーソルトキックで迎撃した。落下してきたニンジャの暗殺マチェーテとサマーソルトキックがぶつかり合い、金属音が鳴り響いた。不可思議な事に、打ち合う瞬間そのニンジャの蹴り足は二倍にも大きく見え、鋭利な刃のようでもあった。39

2015-05-26 23:14:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チィー!」アンブッシュ者は舌打ちし、後方へ回転して飛び離れる。「イヤーッ!」サマーソルトキックを出し終えたニンジャは左手を天井へ突き出した。左手はワイヤーめいて伸び、天井に突き刺さった。「イヤーッ!」腰が180度回転し、両足があべこべの方向に伸びる。先端は鋭利な刺突武器だ!40

2015-05-26 23:18:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」壁の両端を並走していた二人のニンジャが側転でこの的確な攻撃を回避!不定形攻撃!なんたる奇怪!「ブルルル……ドーモ。ポリモーフです」不定形のニンジャはアイサツした。「ドーモ。ヴューです」多眼のニンジャがアイサツした。対する影は三つ。「もっといるぞ」と、ヴュー。41

2015-05-26 23:21:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。フォレスト・サワタリです」アンブッシュのニンジャがアイサツを返す。そして側転した二人のニンジャも。「ドーモ。スーサイドです」「ルイナーです」彼らは戦闘の隙に乗じて走り抜けようとしていたところを、アイサツに邪魔された格好だ。「まだいるなあ」ヴューが前方を見据えた。 42

2015-05-26 23:29:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」SPLASH!応えるように低い水位を割って飛び出したニンジャが長い手足でヴューにアンブッシュを仕掛ける。「イヤーッ!」ポリモーフが第四の刺突攻撃を繰り出した。アンブッシュのニンジャは串刺しになったが、自ら無理に脇腹を裂いて脱し、アイサツをした。「ハイドラです」43

2015-05-26 23:34:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「侵入者有!」既に地下水路をナリコの警報音が満たしている。「侵入者だと?一度制圧した程度で所有者を気取る!」フォレスト・サワタリが不満げに言った。「フォレスト・サワタリ元研究員」ポリモーフは網めいて四肢を張り巡らせ、フォレストを睨んだ。「重要対象。デッドオアアライブだ」 44

2015-05-26 23:39:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」フォレスト・サワタリはマチェーテを投擲した。ポリモーフは身体の体積を天井付近に移動させてこれを躱し、お返しとばかり、張り巡らせた触手から刺突攻撃を二つ繰り出した。どちらもフォレストの死角からだ。「イヤーッ!」射線に滑り込んだハイドラがこれを受ける。真っ二つだ! 45

2015-05-26 23:45:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「にげるぞ!にんげん」ヴューが言った。アイサツ後のルイナーとスーサイドは戦闘に構わず、奥へ走ろうとする。しかしポリモーフの触手は彼らの足より速い。回り込み、網状に通路を塞いで退路を断つ!「薄情者め」ポリモーフが嘲った。「仲間を捨てて逃げるとは笑止」 46

2015-05-26 23:48:47