素直に

りえこ @eighter_rieko83

素直に 1 久しぶりに居酒屋で親友と女子会。 程良く酔いが回ったところ。 そろそろ解散かな？と思っていたら、彼から電話。 『もしもし？』 「俺ぇ～♡ん？あれ？外なん？」 『うん、△△と飲んでたの。』 「そぉなんやぁ…〇〇んちの近くやねん。寄ろ思とったんやけど…、」

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2 『そろそろ帰るから、先帰ってて？』 「えっ！えぇの？！」 『今更何遠慮してんの(笑)』 「ほんなら行っとくな！あっ、シャワー借りてえぇ？」 『いーよ♪』 「ありがとぉ♪じゃあ、待っとるな♡」 『はぁ～い♡』 △△の待つテーブルに戻る。 「安田くん、なんて？」

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3 『ウチ来るって。』 「相変わらず仲いいですな！」 「そっちこそ！」 『んー、じゃあ、そろそろ帰る？』 店を出て、別れを告げ、それぞれタクシーで帰宅。 『ただいまぁ～』って玄関に入ったけど、無反応…。 あ、ギターの音が聞こえる…。 そっと部屋に入る。 『わぁっ！』

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4 邪魔しないようにと入ったのに、足元に何かがぶつかってきて思わず声が出ちゃった。 『フラちゃん！』 「あ、おかーえりー♡」 『ただいま！今日はフラちゃんも来てたのねーっ♡』 ふわふわの体を優しく抱き上げる。 最近こうやってフラちゃんを連れて来てくれたりする。

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5 私が喜ぶのを分かってるから。 フラちゃんを抱いたまま彼の近くへ。 ローテーブルの上に楽譜を広げて、ギターを抱えて床に座ってる。 「あ、ごめん、ビールもろてる。」 『うん、いーよ。私も飲んで来たから、たくさん飲んで追いついて(笑)』 「あは！じゃ、めーっちゃ飲まなな！」

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6 『ちょっと！今日はそんな飲んでないって！』 「え～？ホンマぁ～？」 『ほん…』 言いかけたら頭の後ろに手を回されて、あっという間にキスされた。 でも、その途端に抱っこしていたフラちゃんが私と彼の頬を舐めたから、驚いて離れる。 「もぉ～ジャッジ中やったのにぃ(笑)」

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7 フラちゃんを撫でながら２人で笑う。 『私、お風呂入ってくるね？』 「俺も行く？」 『来なくていい！入ったくせにぃ…ギターの練習してて！』 「はぁ～い…。」 お酒の臭い、少しは落ちたかな？なんて、ちょっぴり気にしながら素早くシャワーで済ませる。

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8 再び部屋に戻ると、さっきと同様に足元にジャレつくフラちゃん。 「早かったなぁ～。」 ギターを弾きながらコチラを向く。 『そーおー？』 ま、急いだから…。 フラちゃんとジャレながらキッチンへ行って、お水を飲む。 フラちゃんにも。 そしてまただき抱えてソファーへ。

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9 章大がギターを置こうとするから、慌てて止める。 『今度の収録の、でしょ？練習続けていーよ？聴いてるから。』 「ん～そやねんけど…ほんなら、もちょっとだけ！」 ホントは今すぐ抱きついて、甘えたいんだけど…そんな酔っ払いの我が儘、知られるわけにはいかない…。

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10 だって彼は今、お仕事中だから。 ソファーとテーブルの間にある彼の背中を見つめながら、じっと我慢。 しばらくすると、フラちゃんは部屋の隅にあるお気に入りのふかふかのベッドへゆっくり移動した。 フラちゃんが離れて、ますます寂しくなる。 「んっ、よし！練習終わり！」

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11 彼がニコッと笑って振り返るも、やった！って素直に抱きつけない自分が、我ながらもどかしい…。 『あっ…ビールのおかわり持ってくる？』 返事も聞かずに立ち上がると、左手をギュッと捕まえられて静止する。 見ると真顔の彼。 捕まえたのと反対の手でギターを床に置く。

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12 そして左手が引っ張られ、さっきまであったギターの場所へ私が収まる。 「もうちょっと飲んで来て良かったのにぃ。」 『えっ？！もっと…遅く帰って来たら良かったってことぉ…？』 「ちゃうよぉ…もっと酔ぉて、素直に甘えてくれたらえぇのにってことぉ！」 『えっ？！』

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13 「背中に抱きついてくれんの待っとったのにぃ。」 『えっ…。』 背中と頭の後ろに手を回されて、チュッと軽く優しく、唇が触れた。 「今日は甘えたい気分やなかったん？」 いつでも触れそうな近い距離で。 優しいけど低い、囁くような声で。 「ん？どーなぁん？」

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14 顔が一気に熱くなるのを感じる。 「まぁた我慢しとったぁん？」 読み取ったかのようにちょっと妖しく笑うと、また唇が触れた。 閉じていた足を押し開きながら、いつの間にか彼に跨るように座らされてた。 そしてギュッと腰を引かれて、身体ごと彼に密着する。 『しょぉたぁ…、』

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15 首に腕を回して、自分からキスをする。 そしたら、そのまま頭を押さえられて舌を絡め取られる。 『んっ…、』 「フラが起きてこんうちにベッド行く？」 『…まだ行かない…。』 「なんでぇ？」 『もう少しこのままいちゃいちゃしたい…///』 「ベッドでもできるやん♡」

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16 『ちょっと違うよ…///』 「えぇ～？…あ♡」 イタズラな顔をしたと思ったら、脇腹をサワサワっと彼の指が這う。 『きゃっ！ちょっ…ヤメっ…、』 くすぐったくて、笑いながら逃げようと身を捩る。 でも逃がしてくれない。 こうなればお返し！ 「わぁっ！ははっ！！」

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17 お互い大笑いして、気付いたら床に押し倒されてるような状態。 上からじっと章大に見つめられる。 そこに、楽しそうな声に呼ばれたフラちゃん。 彼はそれに気付いたけど、私から目を離さないで言った。 「ごめんな、フラぁ…俺、今忙しいねん…。」 ゆっくり彼の顔が近付く…。

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18 優しく…食むようにキス。 私がもう拒否しないようにか…何度も何度も…優しいキス。 これじゃ…拒否どころか…自分から求めちゃう…。 手を伸ばし彼の身体に巻き付ける。 大好き… もっと…もっと… 甘えてもいい…………………？