- Keiryo_tan
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検出限界は分析検査なんかで使われる概念なんだ。注目する成分が、物質中にない場合と「有意に区別」できる値。問題は「有意に区別」ってところなんだけど…。
2015-06-06 08:08:43その前に、「第一種の過誤」と「第二種の過誤」について。統計学の用語で、第一種の過誤は「誤って、正しい帰無仮説を棄却すること」、第二種の過誤は「誤って、正しくない帰無仮説を棄却しないこと」。
2015-06-06 08:10:31たとえば、帰無仮説「成分の濃度は0である」を考えてみて。これが棄却されるとき、「実際に0でない」のと「本当は0なのに、誤って棄却(第一種の過誤)」の2パターンあるよね。棄却されないときも、「実際に0」なのと「本当は0でないのに、誤って棄却されない(第二種の過誤)」の2パターン。
2015-06-06 08:14:23第一種の過誤の確率(危険率)をαで表すよ。第二種の過誤の確率を考えるのはちょっと微妙…。さっきの例だと、「本当は1」とか「本当は1000」とかのケースを全部ひっくるめてるから。確率といっても、うーん…。
2015-06-06 08:16:41対立仮説「成分の濃度はDである」として、対立仮説が正しい場合の第二種の過誤の確率をβで表すよ。βは対立仮説が前提になってるってこと。
2015-06-06 08:17:47Kaiserの考え方はシンプル。検出限界Dは「D = B + 3⋅s.e.(B)」。(Bはブランク値、s.e.は標準誤差)
2015-06-06 08:20:54たとえば、食べ物の放射能汚染を検査するとき、食べ物が自然に含んでる放射性物質の放射線とかバックグラウンドの放射線も測定に出ちゃうよね。汚染がない値がブランク値。
2015-06-06 08:24:44Kaiserの考え方では、測定値がD以上なら「検出」、未満なら「未検出」と判定するよ。 成分がないのに誤って検出(第一種の過誤)される確率αは0.135パーセント。ちょうどDだけ含まれてるとき、誤って未検出(第二種の過誤)になる確率βは50パーセント。
2015-06-06 08:26:17次に、Currieの考え方。検出・未検出を判定する臨界値Cと、検出限界Dが分かれてるところがポイントだよ。 臨界値Cは「C = B + 1.645⋅s.e.(B)」で、検出限界Dは「D = C + 1.645⋅s.e.(D)」。(Bはブランク値、s.e.は標準誤差)
2015-06-06 08:28:29Currieの考え方では、測定値がC以上なら「検出」、未満なら「未検出」と判定するよ。Kaiserとの違いに注意。 成分がないのに誤って検出(第一種の過誤)される確率αは5パーセント。ちょうどDだけ含まれてるとき、誤って未検出(第二種の過誤)になる確率βも5パーセント。
2015-06-06 08:32:12「α = β」と揃える理由が分からなかったんだけど、「帰無仮説を採択」って立場と関係してるのかな? (帰無仮説「成分の濃度はBである」と、対立仮説「成分の濃度はDである」の関係がシンメトリック)
2015-06-06 08:33:36何の話かというと…
@stattan フィッシャー学派(棄却か保留か)とネイマン・ピアソン学派(棄却か採択か)の違いですね。もちろん棄却か採択かのいずれかを結論づける後者の立場であっても第2種の過誤は考慮しなければなりません。
2015-06-03 22:36:13@keiryo_tan acceptで合っています。ただ,実際に論文で報告するときにはこの表現を使うことはまずないです(APAのマニュアルでも推奨されず)。ただ,採択域という言葉もありますし,検定の説明をする上では便利なのでネイマン・ピアソン流の立場を「採択」しています。
2015-06-04 20:16:49まとめるよ〜。 1) 検出限界にはKaiserとCurrieの二種類ある 2) Kaiserの検出限界Dは「D = B + 3⋅s.e.(B)」 3) Kaiserの考え方で、検出・未検出を判定する境界はD、濃度Dのとき誤って未検出になる確率は50パーセント
2015-06-06 08:35:10