リプで来た艦娘四肢切断してみた/メカバレさせてみた

個人的なまとめです。重複防止備忘録とも。随時追加していきます。 2016/06/27 pixivリンク、鹿島メカバレ追加。 2016/06/07 初月メカバレ追加だ。 2016/05/31 Add Iowa Dismember. 2016/05/18 ビスマルクメカバレ追加 続きを読む
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黒江きよ @kiyo_kuroe

その膝部分のクッションを兼ねる樹脂カバー側面に比叡はドライバーを当てる。ぎしぎしと固く、ボルトの錆びついた感触が道具越しにもわかる。これ以上力を込めればカバーが割れそうだった。カバー裏の部品が飛び散る様を想像すると背筋が寒くなる。(2)

2015-11-20 22:59:32
黒江きよ @kiyo_kuroe

「あれ?比叡さん、こんなところで何を」「あ、明石さん!助かったぁ」餅は餅屋、最初から専門家に任せるべきだった、と比叡は後悔する。「実は、この前から膝の動きが悪くて」「それで自分で整備を?」(3)

2015-11-20 23:02:11
黒江きよ @kiyo_kuroe

「戦艦の構造は複雑なんですよ?これからは工廠の者に言ってくださいね。万一砲弾周りや機関周りを損傷したらどうなることか!」小言を言いながら、明石は比叡の膝に錆落し油をスプレーし、手際よくボルトを外す。「このボルトは交換」錆びきったボルトをエプロンのポケットに落とす。(3)

2015-11-20 23:06:17
黒江きよ @kiyo_kuroe

錆の回った膝から、下腿を外す。それから、カバー。「この錆でよく歩けましたね!幸い研磨でなんとかなりそうですが――」ふとカバー裏に眼を落とした明石の顔が色を失う。(4)

2015-11-20 23:09:55
黒江きよ @kiyo_kuroe

「比叡さん、何したんですか、これは」「いえ、この前座礁、っていうか膝を少し擦りむいて」「その岩、フジツボついてませんでした?」「そりゃ、ついてると思いますよ?って、まさか」無言で明石は、フジツボのみっしりとついたカバー裏を見せる。「………」(5)

2015-11-20 23:12:15
黒江きよ @kiyo_kuroe

「ひえええええええ!!!!」(了)

2015-11-20 23:13:23

Prinz Eugen

黒江きよ @kiyo_kuroe

――ちゃぷ、ちゃぷ。プリンツ・オイゲンは腰のあたりに寄せる波音と聞いている。その下は吹き飛んで消え失せた。波打ち際でちぎれた脊椎と肋骨が赤く錆びている。――ちゃぷ、ちゃぷ。(1)

2015-11-21 21:34:29
黒江きよ @kiyo_kuroe

敵艦の魚雷に身体を吹き飛ばされたのはいつだったか。舵も利かず、潮に乗ってこの岩礁に流れついてどれだけたったか。かつて“姉”から贈られた懐中時計はとっくに海の底だ。――ちゃぷ、ちゃぷ。(2)

2015-11-21 21:36:53
黒江きよ @kiyo_kuroe

あの時の寮艦は無事に帰り着いただろうか。助けを呼んでくれたのだろうか。もはやそれを知る術もない。かつて世界最高と謳われた彼女の耳――FuMO25レーダーは海鳥の糞に塗れている。――ちゃぷ、ちゃぷ。(3)

2015-11-21 21:40:07
黒江きよ @kiyo_kuroe

鎮守府の勢力範囲外のとある無人島。この小さな島の入江に、鉄格子が作られている。その中には、芋虫のように蠢く姿が見える。長い金髪の、裸の少女だ。(1)

2016-03-21 21:01:18
黒江きよ @kiyo_kuroe

心臓に錆が回るのはいつか。かつて最新鋭と謳われた耐蝕処理が今では恨めしい。いっそ敵機が見つけてくれれば――それすらとうに諦めている。世界から忘れ去られた海の果てで、プリンツ・オイゲンは静かに朽ちている。――ちゃぷ、ちゃぷ。(了)

2015-11-21 21:45:06

榛名

黒江きよ @kiyo_kuroe

「はい、榛名は大丈夫です」その少女、榛名はひたすら可憐で、美しかった。彼女の皮膚の下、その大半が鋼鉄とセラミック、シリコーンの複合物であると知ってなお、否、知っていっそう美しく見えた。(1)

2016-04-11 23:58:42
黒江きよ @kiyo_kuroe

そのしなやかで滑らかな右腕が敵の砲撃でうしなわれて尚、彼女は美しかった。むき出しになったフレームに余剰の14cm砲が溶接され、不均衡な美しさがさらに加味されたように見えた。「はい、榛名は大丈夫です」(2)

2016-04-12 00:01:19
黒江きよ @kiyo_kuroe

左腕が敵の空爆で焼け落ちて尚、彼女は美しかった。むき出しになった鋼鉄のフレームには、余剰の対空気銃が溶接された。もはや彼女には姉妹や提督の手を取ることもかなわなかったが、それが却って彼女の、戦うために日常を捨てた高貴さを感じさせた。「はい、榛名は大丈夫です」(3)

2016-04-12 00:03:59
黒江きよ @kiyo_kuroe

艶めかしい両足が敵の雷撃で挽肉に変わったときでさえ、彼女は美しかった。ひしゃげたフレームはフロートが溶接された。もはや砲を撃つことしかできない身体であったが、余計な要素の削ぎ落とされた美の洗練であった。「はい、榛名は大丈夫です」(4)

2016-04-12 00:07:19
黒江きよ @kiyo_kuroe

そう、彼女は美しい、美しいのだ――「テイトク、もう榛名を解放してあげて欲しいネー」黙れ、金剛。彼女の言葉が聞こえないのか。『はい、榛名は大丈夫です』スピーカーから声が聞こえる。余分を削ぎ落とし続けた榛名は、頭と胸を残すばかりとなった。砲と機銃が彼女の新たな四肢となった。(5)

2016-04-12 00:14:51
黒江きよ @kiyo_kuroe

生きたまま船首像(フィギュアヘッド)となった榛名の姿は、美そのものだった。これがわからないか、金剛。そうだ、君もきっと榛名のようになればわかってくれるはずだ。私は腰の銃に手をかける。(了)

2016-04-12 00:18:09

黒江きよ @kiyo_kuroe

「じ、自己点検くらいひとりでできるわよ!明石、あっちに行ってよ!」壁の向こうから顔だけ覗かせて暁が吠えた。その壁を掴む手指も、わずかに覗く肩も、地金むき出しに鈍く輝いている。耐蝕加工が施されているためか、全体に白っぽい。(1)

2016-04-13 22:47:22
黒江きよ @kiyo_kuroe

両腕のみならず、下半身、胸から下も全て同じだ。トラス構造のフレームの中に、極彩色のケーブルの束が収められ、黒い樹脂のメッシュで覆われている。ぷにぷにと柔らかい顔と、ほんの僅かに突き出た胸だけが例外だった。(2)

2016-04-13 22:51:22
黒江きよ @kiyo_kuroe

「えと……まずは、モーターの電源を切って」これから暁は、自らその身体を分解し、点検を行わねばならない。まずは関節部のモーターの動力を切る。片足ずつだ。両足一度に切ると身体を支えられなくなる。(3)

2016-04-13 22:57:30
黒江きよ @kiyo_kuroe

股関節から外した脚を、さらに膝部分と足首部分で分解し、部品の消耗を確認。それが済んだら反対の脚、そして腕へ続く。片腕を外して行う分、腕の自己点検は脚よりも難しいのだ。時には口や足を使うことだってある。(4)

2016-04-13 22:59:15
黒江きよ @kiyo_kuroe

最後は、胸から下の部分を点検する。暁はいつもこの点検が嫌だった。機械の腹部を外すと、生身の胸から2本のチューブがつながっている。排泄物のカテーテルだった。点検のたびに、暁は自身の引き裂かれた不完全な身体を思い知らされる。物心ついた頃には既にこうだったというのに、何を今更。(5)

2016-04-13 23:04:13
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