『草魂 ― 最後の300勝投手』 鈴木啓示 小話

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ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

後に鈴木投手と同時代の両リーグを代表する左腕エースとして長らく球界に君臨するこの投手は鈴木投手に匹敵する実績をタイガースだけでなく、多くの球団で残していくことになるのでした。 pic.twitter.com/nLH5oz4icl

2015-06-14 21:29:32
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ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

高卒1年目からフル稼働していた鈴木投手ですが、6年目の72年から勤続疲労を隠せなくなり、奪三振王を獲得したものの、前年から100以上も奪三振が減少、連続20勝以上も途絶え74年には15敗でリーグ最多敗戦投手になってしまい、かつての輝きに陰りが見え始めます。

2015-06-14 21:30:33
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

そんな失意の中、鈴木投手に転機の出会いが起こります。 74年より弱小だった大毎オリオンズや阪急ブレーブスを優勝に導いた西本幸雄監督の就任でした。 西本監督はストレートを多投し、自己本位なピッチングを繰り返していた鈴木投手に頭脳的なピッチングの組み立て方を説いていきます。

2015-06-14 21:32:25
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

当然、全力投球に命を掛けてきた鈴木投手は猛反発します。 『ストレートを思い切り投げて、打たれたら本望、なんて言うのはマスターベーションや』 西本監督からそう言われたことに腹を立てた結果、タイガースの監督に直談判でトレードを直訴するほどでした。

2015-06-14 21:33:48
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

しかし、どれだけ反発しても西本監督が考えを曲げることは絶対にありませんでした。 遂に根負けした鈴木投手は西本監督と『頭脳的なピッチング』を二人三脚で組み立てていきます。 それまでのフォームを見直し、腕を背中で塞ぎ、球の出どころがわからない『技巧派』としての再出発でした。

2015-06-14 21:34:12
鋼@ペペロン @hagane_3

西本さんの影響力凄すぎィ!

2015-06-14 21:33:30
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

このモデルチェンジが鈴木投手のピッチングを更に進化させます。 75年は4年ぶりの20勝となる22勝(6敗)を挙げ、完全復活。 奪三振こそ全盛期の半分となりましたが、ノーコンだったコントロールが大幅な改善を見せ、四球や被本塁打が減少したのが大きな要因でした。

2015-06-14 21:35:30
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

またこの頃、『ありなしコンビ』で当時のバファローズを支えていた有田修三捕手とバッテリーを組みはじめ、有田選手の強気なリードは鈴木投手の投球を更に強固なものとしました。 このコンビは鈴木投手の引退まで続きました。 pic.twitter.com/9yI8hExhvp

2015-06-14 21:36:24
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ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

更にこの年、初のリーグプレーオフへ進出します。 惜しくもブレーブスに破れてしまい、初のリーグ優勝は逃してしまいましたが、かつての弱小球団の姿はもうどこにもありませんでした。 『西本監督について行けば大丈夫』 ナインの中に確信が生まれます。

2015-06-14 21:37:22
出口左也 @SayatheLefty

ベイ山城さんの野球話を見ながら酒を飲むのが救いですわ

2015-06-14 21:36:13
エトポ @etopot

ありなしコンビ… ウチの黒羽根・高城もそうなって欲しいんですが(;^_^A >RT

2015-06-14 21:41:45
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

翌2年間はチームは優勝争いに加わることが出来ませんでしたが、77年には20勝で最多勝。 さらにこの年、通算200勝を達成。 ドラフト入団選手としては史上初、バファローズ生え抜き最初の名球会入りとなり、そして最後の選手となりました。

2015-06-14 21:38:19
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

迎えた78年 V3を達成し、その年の前期優勝を果たしたブレーブスをマークするようにバファローズも2位につけ続けます。 後期の9月に入るとバファローズはブレーブスを抜き首位に立ちます。 後期の優勝争いはバファローズの最終戦にまでもつれ込み、その相手は2位につけるブレーブスでした

2015-06-14 21:39:43
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

迎えた後期最終戦1978年9月23日 対ブレーブス戦。 バファローズの先発は中4日でエース鈴木啓示投手。 対するブレーブスは当時のパ・リーグの右腕エース山田久志投手でした。 プレーオフを懸けた両腕エース対決は後に『藤井寺決戦』と呼ばれることになります。

2015-06-14 21:40:34
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

直接対決を制したブレーブスはその後も勝ち続け、後期優勝。 通期優勝ということでパ・リーグV4を達成。 パ・リーグの絶対的王者の前にバファローズの初優勝はまたしても夢へと消えました。 この時、4年間指揮を執り、チームを優勝争いへ導いた西本監督は退任の意志を示していました。

2015-06-14 21:42:43
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

プレーオフ進出へ意気込む鈴木投手でしたがローテーションの間隔を狭めた疲労により、思ったような投球ができません。 強力ブレーブス打線につかまり、まさかのノックアウト。 対照的に山田投手はバファローズ打線を完全に抑えこみ、バファローズは天王山の戦いに破れてしまいます。

2015-06-14 21:41:49
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

最終戦終了後、西本監督は優勝へ導けなかった詫びとともに辞意を球団の申し入れる旨をバファローズナインに告げました。 優勝できなかった以上、監督が責任を取るしかない。 責任を痛感する西本監督に対して、真っ先に口を開いたのはチームの支柱であった鈴木投手でした。

2015-06-14 21:44:10
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

「監督をやめないでくれ!俺たちを見捨てないでくれ!」 涙ながらの絶叫。 自身を再びエース投手として復活させ、チームを向上させた恩師への、そして何より自身の不甲斐ない投球で優勝を逃した悔しさから出た言葉。 ナインも続くように辞意を撤退するように西本監督に詰めかけます。

2015-06-14 21:45:07
7番ショート倉本 @with_96

西本監督って3球団で日本シリーズに導いた名将だけど、1度も日本一になれなかったから「悲運の名将」なんか呼ばれていますよね…

2015-06-14 21:46:57
鋼@ペペロン @hagane_3

古き良き熱血漫画みたいな展開やな…

2015-06-14 21:46:59
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

その選手たちの姿を見た西本監督の目に再び闘争心が芽生え始めます。 悲願の初優勝へ。 『猛牛軍団』は西本監督の下、どのチームにも負けない結束力をこの時、手に入れるのでした。 そして、エース鈴木啓示投手はこの後も大記録へ着実に歩みを進めていくこととなります

2015-06-14 21:46:04
ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

『草魂 ー 最後の300勝投手』 鈴木啓示 小話 (続く) pic.twitter.com/x1kcg346uS

2015-06-14 21:47:25
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