切り紙『神皇正統記(天)』

『現代語訳 神皇正統記』新人物文庫。 この本を子供に読み聞かせるための、コツみたいなことをまとめてみたい。
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はしがき

ほおづきン @kagachi_ecm

【イニシエーション】 まず、 今谷明氏訳註『現代語訳 神皇正統記』新人物文庫 amzn.to/1QLjEHx を手に取ってみて、購入する前に、52頁あたりを確認していほしい。

2015-06-25 20:23:57
ほおづきン @kagachi_ecm

まず、自分が音読することができるか? 自分の思想信条に反しないのか? 自分が、子供にかみ砕いて説明できるのか? 子供に説明しても、大丈夫な内容なのか?

2015-06-25 20:25:22
ほおづきン @kagachi_ecm

個人的には、これらの命題に適うものだから、「子供に読み聞かすには?」を書くのであって、まずは、それを通過しないと、読んでも意味がない文章になると思う。

2015-06-25 20:26:44
ほおづきン @kagachi_ecm

【手ざわり】 個人の主観的な手ざわりの話になるのかもしれないけど、『神皇正統記』って当時流布していた、神道説より記紀よりだよね。

2015-06-26 19:56:47
ほおづきン @kagachi_ecm

例えば「まして異書にあることを正しい説とすべきでない(88頁」とか『神皇正統記』で拾いきれないような神道説が存在して、それが一般的で、あるいは親房は最初は、そういうものの通史を書きたがったのでは?と思う。

2015-06-26 19:59:30
ほおづきン @kagachi_ecm

でも、例えば天岩戸に宝誌和尚が登場するような話や〈第六天魔王譚〉なんかを同時系列に並べるのかに苦心して、そして、当時の人があまり手にすることがなかったであろう『日本書紀』を手にしたときに、中世神道説とも古代の記紀神話とも別の王権神話を編みたいと思ったんだろうね。

2015-06-26 20:01:45
ほおづきン @kagachi_ecm

【手ざわり2】 「大日本は神国である(52頁」みたいに、失言の多い元首相のような発言から冒頭は始まるんだけど、これは国学の平田学派が純粋培養して、仏教から切り離された皇国史観の国家神道ではなくて、

2015-06-26 20:04:22
ほおづきン @kagachi_ecm

天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)と通底している仏教的な世界観に裏打ちされた発言なんだよね。 わざわざ日本が「大日本」となっているのも「大日(如来の)本国」という副次的な意味が込められているし、

2015-06-26 20:06:36
ほおづきン @kagachi_ecm

例えば「ある説では伊弉諾・伊弉冉は梵語で、それぞれ伊舎那天・伊舎那后のことだという(94頁」とあるように。 イザナギでさえ十二天の1つである伊舎那天の、ヴァリアントとしての日本に立ち現れていると考えている。(註1)

2015-06-26 20:11:09
ほおづきン @kagachi_ecm

【これは歴史ではない】 はやく本文の註釈に入らないといけないんだけど、もう少しつづける。 『神皇正統記』を使って神武以後を「天皇を中心とした〈歴史〉」として、読み聞かせるのは、あまりすすめない。

2015-06-28 15:15:12
ほおづきン @kagachi_ecm

親房に近い南朝を正当とする歴史観はもちろん、弘文天皇とか淡路廃帝とか今の歴史認識と違うところも少なくないので、その辺は歴史認識の比較研究の対象なんだと思う。

2015-06-28 15:16:00
ほおづきン @kagachi_ecm

日本の歴史を読み聞かせたいのなら、例えば、 『たいせつな日本の歴史 120の名場面 心が大きく育つ』ナツメ社 amzn.to/1Il49G7 のような普通に、それに適したように編集されたものがあるからね。

2015-06-28 15:17:52
ほおづきン @kagachi_ecm

最近の本で、個人的に押したいのは、この辺。 『超ビジュアル! 日本の歴史人物大事典』西東社 amzn.to/1HoS8k0 どちらも内容見本がAmazonにあるので中身を確認してほしい。

2015-06-28 15:19:49
ほおづきン @kagachi_ecm

『歴史人物大事典』なんか内容、見るとキャラ・デザインがぶっ飛んでいると思うかもしれないけど、今の歴史の教科書では、聖徳太子像も源頼朝像も足利尊氏像も、必ずしも本人ではないのかも?というあつかいなんだよね。文化財の絵かどうかの違いで、イメーヂがゆたかになればいいという立場。

2015-06-28 15:22:41
ほおづきン @kagachi_ecm

そうそう『神皇正統記』の話に戻ると、記紀神話ではない、必ずしも中世の神道説とも一線を画する、親房の考えた〈正統〉の神話を『古事記』とかと比較しながら読むから面白いのね。

2015-06-28 15:30:20
ほおづきン @kagachi_ecm

新人物文庫の巻末付録に『古事記』と『日本書紀』の神統譜を載せてるけど、まぎらわしいというか、お節介というか、意味不明だよね。 別にネットあされば『神皇正統記』をもとにした神統譜が落ちているのだし、それをDTPすればいいだけのように思うのだが?

2015-06-28 15:34:07

本文

ほおづきン @kagachi_ecm

個人的に、冒頭(52頁)から「神代」の手前まで(80頁)は、後に回してもいいと思う。親房自身、冒頭は気負って書いたよな形跡もあるし、震旦は言及が中途半端で天竺の宇宙観も必ずしも知られたものではない。

2015-07-08 19:36:34
ほおづきン @kagachi_ecm

『古事記』などを意識して、「神代(82頁」から語り出して、読み通して(個人的には134頁まで)から冒頭に戻るなり、神野志氏の文献も参考にしながら「国号の由来」を解説したり、仏教の宇宙は…と説明したい。

2015-07-08 19:40:08
ほおづきン @kagachi_ecm

逆に言えば、煩雑になっても、この部分がないと『神皇正統記』ではない。と言い切ってもいいわけだし。

2015-07-08 19:40:59

天地の成り立ち

ほおづきン @kagachi_ecm

【五行の生成:天地の成り立ち(82頁】 いよいよ神代。日本書紀の冒頭を引き写しつつ、葦牙として生成した神の名は国常立尊、また天御中主神。85頁(5)にあるように古事記と日本書紀による、別天つ神・神代七代のあつかいの錯綜は、その後の神道説形成に影響をあたえたよう。

2015-07-09 19:25:55
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