切り紙『神皇正統記(天)』

『現代語訳 神皇正統記』新人物文庫。 この本を子供に読み聞かせるための、コツみたいなことをまとめてみたい。
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ほおづきン @kagachi_ecm

とりあえず、伊弉諾・伊弉冉の生成以前を6代と数える。その中で、クニノトコタチとアメノミナカヌシを同体とみるような牽強付会をおこなう。しかし、記紀神話で最初に生成する神は葦牙のようで、その言葉の意味を神格化すればウマシアシカビヒコヂで逆に記紀神話では神格を増やした形跡さえある。

2015-07-09 19:32:20
ほおづきン @kagachi_ecm

ここで陰陽五行説に基づく木火土金水の五行の徳を神々にわりふっていく。水徳の国狭槌尊に始まり、面足尊・惶根瓊尊(この「瓊」は余分だな)の土徳まで。国狭槌が入るので日本書紀に近いのか? 五行は国常立と同体と考えられ、五行+国常立で6代と数える。

2015-07-09 19:45:28
ほおづきン @kagachi_ecm

どうして五行が、それぞれの神に配当されたのかは、よく判らないな。

2015-07-09 19:47:52
ほおづきン @kagachi_ecm

周子は親房の『元元集』にも引用があり、この大極図も親房は見ているかもしれない。しかし、周子から導き出される、天神七代は、これだけ見ると、調和しているように見えるが、出順に、必ずしも、蓋然性を感じない。

2015-08-31 20:33:53
ほおづきン @kagachi_ecm

上から右(水)、左(火)までは順当、下へ行って、左右交替して、左(木)、右(金)というのも分からなくもない。だが、最後に中央(土)を持っていきたいなら、図のもっと下に位置すべきなのではないか? 五行説で土はまさに中央で、それが最後なのはしっくりこない。

2015-08-31 20:37:50
ほおづきン @kagachi_ecm

ただ、天地の分割で、天は清らかなので、すぐにできあがって、地は濁っているので、沈殿するのに時間がかかった。このような『日本書紀』に通じる五行説的な説明で、大地を示す、土が最後になるのか?

2015-08-31 20:40:00
ほおづきン @kagachi_ecm

正統記では国常立からイザナギ・イザナミの手前までを、明確に天神六代としていて、五行説を発展させて、親房が新たな神道説に昇華している可能性もある。 まあ、補助図版として、周子との対応は見るに値する。

2015-08-31 20:45:35

伊弉諾尊・伊弉冉尊の誕生

ほおづきン @kagachi_ecm

【伊弉諾尊・伊弉冉尊の誕生(85頁】 五行の五徳が合わさってイザナギ・イザナミは陰陽の交わりができるようになったと説明される。そこで勅(みことのり)を与えるのが国常立、天瓊矛が授けられる。

2015-07-13 20:19:52
ほおづきン @kagachi_ecm

『類聚神祇本源』(以下『本源』)臨川書店の156頁に「天地麗氣府録」からの引用として天御中主尊がイザナギ・イザナミに対して勅している記載がある。どうも国常立と天御中主が同体というコンセプトは、この辺の記述に通じているのでは?

2015-07-15 20:27:26
ほおづきン @kagachi_ecm

天御中主は記紀神話では必ずしも目立った存在ではないが、『新撰姓氏録』や風土記の逸文などで、帰化系の氏族の祖神に擬せられる存在。中村啓信氏は『古事記』角川文庫の解説の中で、官人の登用にとって祖神の存在は重要で、古事記は、その分岐を担保する資料として作られた可能性を指摘している。

2015-07-15 20:33:46
ほおづきン @kagachi_ecm

イザナギ・イザナミが最初に生成したのが磤馭盧(おのごろ)嶋。オノゴロという音は梵字だという。大和の宝山(葛城山)が出てくるので、両部神道系の『大和葛城宝山記』など参照しているのか?664頁の亦曰『大和葛宝山記』って「城」が落ちてる。

2015-07-13 20:27:09
ほおづきン @kagachi_ecm

『本源』159頁には「瑞柏鎮守仙宮秘文」?からの引用として、磤馭盧嶋は「オン・コ・ロ・コ・ロ」という真言から来ているとされる。オンコロコロは薬師如来の真言の冒頭部分。

2015-07-15 20:38:17
ほおづきン @kagachi_ecm

「瑞柏鎮守仙宮秘文」?→× 「天地霊覺秘書」→○

2015-07-23 20:40:05

天瓊矛の由来

ほおづきン @kagachi_ecm

【天瓊矛の由来(87頁】 章題に引っぱられている可能性もあるが、三種の神器も含め、天瓊矛についても古代の記紀神話でレガリアとして重要視された形跡は薄い。とくに天瓊矛は山本ひろ子氏『中世神話』岩波新書のように中世に発展した痕跡の方が顕著なのでは?

2015-07-14 19:54:22
ほおづきン @kagachi_ecm

神代の内容のはずなのに、いきなり垂仁朝の大和姫皇女(倭姫命)登場するのは、『二一社記』の「住吉」で、神代紀を引用している体で神功皇后が登場するなど、親房の文献には、ままあること。

2015-07-14 19:58:16
ほおづきン @kagachi_ecm

倭姫といえば伊勢神道系の典籍と目される『倭姫命世紀』で、親房は大田命を登場させるなど、参照していたのではないだろうか? 『大和葛城宝山記』という両部神道系と伊勢神道系の典籍を両方参照して、ミックスさせるのは親房だけど、典籍として、どういう知的体系を認識してたのだろう?

2015-07-14 20:05:19
ほおづきン @kagachi_ecm

【天瓊矛の由来2(87頁】 87頁後半で天瓊矛が伝えられたのは疑わしいとされる。『古語拾遺』には天孫が玉と矛を従えていたという話があるとする。オホナムチの矛など、いろいろな矛があり神書には、さまざまな異説がある。

2015-07-16 20:19:50
ほおづきン @kagachi_ecm

88頁末尾で、『日本書紀』『旧事本紀』『古語拾遺』を神書の中でもとくに名前をあげている。まず『古事記』が入らないのに注目(『本源』には古事記の引用もある)、また、『先代旧事本紀』は蘇我馬子の序文が挿入され、当時の感覚では、旧事紀→日本紀が制作の順番。

2015-07-16 20:23:10

国生み・神生み

ほおづきン @kagachi_ecm

【国生み(91頁】 古事記では、女性が先に求婚したとかヒルコの話が入るが、神皇正統記では国生みが先になる。

2015-07-17 19:49:59
ほおづきン @kagachi_ecm

【神生み(92頁】 古事記では三貴神はイザナギがミソギで生むが、日本書紀・旧事紀ではイザナギとイザナミが三貴神と蛭子を生むというのがメジャーな荒筋。

2015-07-21 20:24:26
ほおづきン @kagachi_ecm

【神生み2(93頁末】 神皇正統記では三貴神の誕生の後にカグツチが誕生する。イザナギ・イザナミの国生み・神生みの段階で、古事記とは登場順が大きく異なり、親房の考える〈正統〉の解釈の所産であることが理解できる。

2015-07-22 20:09:55
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