夢幻宿せし真珠の調 ○☆ 三日目 現世 →◎

『夢を揺蕩う刻に人はもう戻れない。  往くと好い、きみたちの望む侭に』 ☆────────────────────☆ †匿名twitter創作企画†『夢幻宿せし真珠の調』 【概要:http://privatter.net/p/757197
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アイズ・サブスティーア @Substayia

「そして私も一緒にいたい」 死が二人を分かつまで――死《忘却》が訪れるまで。 あなたが認識する母親の像を失わない限り、彼女は死ぬことはないのだから。 ――緩やかな藍色をまっすぐ見ました。夢の子はその内に宿る気持ちを垣間見ました。

2015-06-30 19:37:53
アイズ・サブスティーア @Substayia

夢は赤子のように穏やかで、純真で。穢れを知らない花のようでした。 色とりどりの夢に在るあなたの色は、とてもとても美しいと感じました。 彼女は差し詰め、太陽を焦がれるひまわりのようでした。 しっかりと根を張り大地に立ち、悠々と太陽を見上げるひまわりでした。

2015-06-30 19:38:27
アイズ・サブスティーア @Substayia

「では《行こう》私はあなたのすべてを受け入れる。あなたとママを《連れて》いくから」 だからこの手を離さないで欲しい。あなたのおててをしっかりと握り締めました。

2015-06-30 19:40:30
アイズ・サブスティーア @Substayia

―――夢は終わる、現実も夢となる。そしてまた、夢は覚める。 その夢が覚めるときこそが。

2015-06-30 19:40:39
《仔》 @ousia_mugen

“ なら。もっといっしょだわ。 《仔》が念うそれは《夢》へと伝わるか。 《仔》が念うものは様々な色を描く。 色は景色を描いて広がる。 《夢》の名の通りに曖昧に。 曖昧に甘えるがこそ鮮やかに。 ”

2015-07-01 22:52:23
《仔》 @ousia_mugen

“ 《仔》には《夢》がどのようなものか理解らない。 《仔》はただ《夢》の言葉の通りに念うだけ。 それがそのように《成る》のか。 《行く》先がどのような形であるか。 そんな事も気にも留めずに。 ”

2015-07-01 22:52:34
《仔》 @ousia_mugen

“ 《仔》は眠りに落ちて行く。 念い願う《海》に落ちて行く。 落ちて行って____ ”

2015-07-01 22:52:37
アイズ・サブスティーア @Substayia

夢はウタカタに     夢はホウマツを                夢は―――

2015-07-02 02:24:09
アイズ・サブスティーア @Substayia

骨子を解明。ペルソナを決定。恩典を確定。 肉体を再生。定義の再訂。 物語の決定。選択を完了。 代償を確認しました。結びを確約しました。 本当にこれでよいですか?      〆はい  いいえ       はい 〆いいえ        〆はい

2015-07-02 02:28:13
アイズ・サブスティーア @Substayia

――― は、よ ふんわりと包まれる感覚。優しい布はあなたを抱きしめておりました。 ――― は    う ゆりかごのように優しい声がしました。鳥のさえずりが聞こえてきました。 ―――お  よ  太陽の光が―――本当の光があなたを祝福するように照らしました。

2015-07-02 02:34:51
アイズ・サブスティーア @Substayia

『おはよう、――――』 あなたを呼ぶ声がしました。

2015-07-02 02:35:25
《仔》 @ousia_mugen

“ 《 》は緩やかに抱かれていた。 《 》は柔らかに呼ばわれていた。 《 》は緩慢と瞼を押し上げて。 その呼ばう声に応えた。 ”

2015-07-03 13:51:49
《仔》 @ousia_mugen

“ 刺すような。 突き刺すような。 太陽の光が藍色を貫いた。 ”

2015-07-03 13:51:58
《仔》 @ousia_mugen

「……ぁ、」 喉に空気が『通った』のを感じた。すっと胸の奥が窄まる感覚があった。 声を探して眼を動かした。『景色』が動く様が『見えた』。 念うより。想像うより。念願うよりも鮮やかな『蒼穹』があった。 「あ、……アイ、ズ」 何かが溢れそうで思わず呼んでいた。

2015-07-03 13:52:04
《仔》 @ousia_mugen

「アイズ、……ママ……」 《母》を呼ぶ声は小さく幽けく落ちる。眠る時にしか会えない約束。 疑念に一つ浮かび上がる。『《私》は今眠って居るの?』と。焦燥を憶える。 《 》には夢も現も判らない。ただ暖かく。ただ眩しく。それをただただ訴えたいと藍色を転がす。 鼓動がした。管は、無い。

2015-07-03 13:52:09
アイズ・サブスティーア @Substayia

光が眼に慣れてくる頃には、あなたは気付くでしょう。気づいたことでしょう。 鼓膜を震わせる息遣い、音声、声。この世界に薄く響いては掻き消えました。 あなたが眼を動かせば、木々が揺らいで見えました。 その上には太陽がありました。 傍には海の音がありました。 白い建物がありました

2015-07-03 19:46:47
アイズ・サブスティーア @Substayia

海の近い病院。そんな光景が見えるでしょうか。 そこで眠りこけていたことが、理解できるでしょうか。 あなたは首を動かせることに。潮風のにおいを感じられることに。上体を起こせることに。あなたは腕を挙げることができることに気付けるでしょうか。 そして、おそらくは、足もまた同様に―――

2015-07-03 19:48:12
アイズ・サブスティーア @Substayia

「やぁ、おはよう。―――」 何度目かのおはようを。その名を呼ぼうと、ぼんやりとしていた言葉。 夢の中であろうと伝うた『おはよう』ゆえに、ここは現か夢か、判別はつきにくいもの。子は悪戯が成功した子供みたいに笑いました。

2015-07-03 19:48:52
アイズ・サブスティーア @Substayia

「――ママは眠っているよ。でも約束どおりちゃんといる」 それを真と捉えても嘘と感じても構いません。けれどここは間違いなく《現》でした。 かつてみた白い部屋の無機質さは変わらない。あなたは柔らかなベッドで横たえておりましたが、そこには外が見えました。自由が見えました。

2015-07-03 19:52:40
アイズ・サブスティーア @Substayia

「……気分はどうかな? 痛いところは無い?」 なおも変わらぬ中性貌はくたりと首をかしげておりました。

2015-07-03 19:53:44
《仔》 @ousia_mugen

それが『潮騒』である事を何故か《 》は知っていた。 それが『葉擦れ』である事を何故か《 》は知っていた。 頭の下には枕があって。身体の下はシーツに支えられ。胸元まで柔らかい毛布で覆われて。 鼻先からすんと味を覚える風は『海』から来るものだと何故か《 》は知っていた。

2015-07-04 00:16:07
《仔》 @ousia_mugen

「……アイズ。おはよう。アイズ」 声が聞こえて手を伸ばした。『窓』であると理解したそのすぐ近くに。『見知った』その姿に。手を伸ばして。____そうして、瞠目した。 「……アイズ。手が」 藍色で『見る』先は己の手。『視界』に見えたそれを握り。開き。 「手が。大きい。わ……?」

2015-07-04 00:16:14
《仔》 @ousia_mugen

問いに答える事も忘れていた。 ただ藍色をぱちりと俊敏く瞬かせた。 光に触れた手。太陽と触れ合った手。その光を受け取り抱えた手。見れば腕も長かった。長く細くのびていた。 「アイズ。アイズ、《私》は、ちゃんと、《うみ》?」 問いに答える事を忘れたまま。 寝台から《夢》を見上げる。

2015-07-04 00:16:21
アイズ・サブスティーア @Substayia

《夢》の子が感じ、理解するものすべては知識としては識っていた。実物を見る経験は無かった。 夢の中で眠り続けた肉体は、共にあり続けるということから、実物を見る『眼』を与えられた。 夢の子もまたこの《現》を長い時を経てようやく暗い闇以外の世界を観ることが叶った。

2015-07-04 01:02:09
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