映画「ノルウェイの森」の感想。

トラン・アン・ユン監督、村上春樹原作の映画「ノルウェイの森」を見てきましたので、感想を。ネタバレありです。
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西出 季生@n1040.symbol @n1040

「愛するものを亡くした悲しみを、癒すことはできない。悲しみは悲しみのままで……」というセリフ。映画の中で二時間かけて語られてきたこと。「僕は今どこにいるの」か?

2010-12-28 00:50:14
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それらがラストシーン後、エンドロール中の悲しげなギターアルペジオが流れてくる辺りで、ピンっと繋がった感覚があり、やや泣きそうになった。

2010-12-28 00:51:06
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いつの間にか1時だな。いや、感想書くのも疲れるものです。思い入れのある原作なだけに。とにかく、良い映画ですよ、「ノルウェイの森」。

2010-12-28 00:54:17
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そろそろ寝るけど、もうひとつ思い出して、どうしても書いておきたくなった。「ノル森」でハッとしたシーン。池の前で直子と再開する時。直子の方に歩きながら、石の手摺りをワタナベ君の手が撫ぜていって、ふと凹みをひとつ飛び越していくところ。あれ良かった。

2010-12-28 01:29:48
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ずいぶん長い感想になってしまった。まとめてmixiの日記にでもUPして、寝る。

2010-12-28 01:30:36
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mixiで感想をまとめたら修正兼ねて追加したことあったので、こっちにもまた追加で書くよ。

2010-12-28 03:00:24
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お気に入りのシーンなんですけど。まずそもそも、映画の最初、キズキとのフェンシングごっこ。あれで原作ファンは「おや?」と思うはず。飛行機の着陸は? で、その後のビートルズの「ノルウェイの森」は? と。

2010-12-28 03:08:50
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で、その後の池の前の再開。ワタナベ君の手が、石の手摺りを撫ぜて、凹みを一瞬飛び越えて、というシーン。あれで私は「ハッ」と理解しました。観客は、トラン・アン・ユンの描く「ノル森」を見るのに、記憶の中の原作をなぞりつつも、それをときには飛び越していかなくてはならない。

2010-12-28 03:13:35
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mixiの感想だと「原作でのあのシーンがなくてガッカリ」だとか低い評価が目立ってまして、逆に私もガッカリしちゃったわけですが。原作通りかどうかがそんなに大事か?

2010-12-28 03:17:06
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原作がそもそも多様な読み方のできる作品であるので、それを映画化するにも苦労苦難があったはず。しかし映画「ノルウェイの森」は、原作を踏まえつつ、多様な読み解き方のできる素晴らしい作品になっています。

2010-12-28 03:18:24
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その「読み解き」を誰かと語り合うのも楽しいでしょう。誰かと話しても新しい発見があるだろうし、自分でもう一度観ても新しい解釈が生まれる、そんな余地と広がりを持つ映画です。オススメ。

2010-12-28 03:18:44
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風呂の中で「ノルウェイの森」の良かった映像を思い出していた……、ので追加の感想tweetをする。

2010-12-29 23:42:54
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ワタナベ君、永沢さん、ハツミさんの三人での会食シーン。あそこでのハツミさんは迫力ありましたね。うわ、怖い、と思った。

2010-12-29 23:47:12
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緑役の水原希子もやたら可愛かったなぁ。初登場時、スタイルの良さにびっくりした。さすがモデルさん。ただ、髪はもっと短めでも良かったかもしれない。

2010-12-29 23:51:28
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プールでの水から上がる瞬間、スローモーションがかかって、薄い透明な膜が緑の体を包んでいて……。見蕩れます。蕩れ、蕩れ。

2010-12-29 23:54:53
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緑の家で、ぐるぐる追いかけっこするシーン、あれも好き。風呂の中で考えたんだけど、あれってウルグアイの話をしながらだったよね? 緑があちこち逃げるのは、彼女の話が嘘だってことの暗示だと思っていたけど、まだあるかもしれない。

2010-12-29 23:58:44
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直子とワタナベ君の関係では、直子が一方的に逃げて、ワタナベ君がそれを追いかける。直子が壊れてしまわないようにギリギリのところまで、ワタナベ君は頑張って近付こうとする。

2010-12-30 00:01:37
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それが緑とワタナベ君では、逆転しているように見える。ワタナベ君がふらふらと「森」の中へ行ってしまいそうなところを、緑が追う。もちろん、時には突き放すけど(それが緑の良いところ)。

2010-12-30 00:03:25
西出 季生@n1040.symbol @n1040

基本的には緑がワタナベ君を追っているのだけれど、彼女が「嘘」をついているときだけは、それが反転する。嘘だからこそ、ごっこだからこそ、遊びとして、二人は関係を反転させる。それってなんだか切ない。

2010-12-30 00:05:28
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それから、雪の中で、緑とワタナベ君が向かい合って話すシーン。緑はワタナベ君のことをじっと見つめている。ワタナベ君は「とても事情が込み入っている」ので「時間が欲しい」と言う。

2010-12-30 00:08:59
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しかしそのシーンでは、二人は向かい合っていて、緑は彼を見つめているけれど、ワタナベ君は彼女を見ていない。実は彼の眼は焦点が合っていない。「私をとるときは私だけをとって」と緑が言うときも。どこか別の場所を見ている。

2010-12-30 00:10:53
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原作のようにワタナベ君はそこで緑に自ら口づけしない。彼女に「抱きしめて」と言われてからやっと彼女を抱きしめる。

2010-12-30 00:14:46
西出 季生@n1040.symbol @n1040

ワタナベ君は緑のことが本当に大事だからこそ彼女と寝ない。込み入った事情が解決するまでは。原作読んだ人からすると、直子の死は「いつかやってくる」もので、しかもあのシーンではそれが「そろそろだ」とわかっている。

2010-12-30 00:22:36
西出 季生@n1040.symbol @n1040

そうなると、あのシーンではワタナベ君はなぜ彼女の眼を見ないのか? 実は直子のほうが好きだから? 「込み入った事情」のせいで彼女との関係を保留することに後ろめたさがあるから? それとも目を合わせたら、その瞬間に緑のほうへ流れていってしまうかもしれなかったからだろうか?

2010-12-30 00:25:57
西出 季生@n1040.symbol @n1040

色々予想できるけど、わからない。しかしそろそろ「直子の死」はやってくる。松山ケンイチの目は虚ろだ。ここで、私はすごく悲しくなった。ワタナベ君の誠実さと、これから彼を襲うだろう運命のことを考えて。

2010-12-30 00:30:17