「男性差別」という用語に伴うアレやソレ

なおリプライやRTの類はこの際省いておいたので割と重要な部分がそこで欠落していることはお察し。
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涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

.@snhrSK0 さんの「「男性差別は存在するのか」を頑張ってディベートしたかった(青識亜論&春原広規)」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/842898

2015-07-05 10:41:55
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「男性差別」という意味において「ミサンドリー」と規定するのがある種の誤謬を招く可能性というのは否定できないとは思うが(「差別」という用語の適切性において)、同時に「悉く男性は」みたいな言動において、それを個々人に投射する場合の不当性というのはやはり存在するだろう。

2015-07-05 10:33:34

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そもそも「男性差別」においての「ミサンドリー」という表現が適切ではないのだけど、その不適性は後段でご明察。
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涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ただし、その場合のジェンダー規範的「男性」像というのはある種の主張・思想内部でそれぞれに規定される類型化の話であって、ある属性をもって不当に扱うという意味では「差別的」であるだろうが(差別という用語の言語から上下関係を除いて排除の意味で用いる場合)、強弱関係においてはどうか。

2015-07-05 10:35:43
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

少数の集団(或は権力関係上弱者の集団)が多数(或は強者)と一般に規定され得るそれに対して行う場合、基本的軸線としてはやはり攻撃であり闘争ではあるのだろうけど、差別という用語を無条件に充てるかどうか、という点については凡そその行為への主観的価値判断が作用するようには思える。

2015-07-05 10:37:41
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

この場合、例えば「男性など死滅すれば良い」という言動は実際に一部に流布はしているわけですが、これを差別と呼ぶか憎悪扇動的攻撃と呼ぶか排撃と呼ぶかは別として、明らかにその属性そのものへの攻撃には該当するだろうし、しばしば思想・闘争にあるように同調しない者は敵、ということも生起する。

2015-07-05 10:49:16
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

そうなった場合に、それへ「差別」という用語を充てるのかどうかの適切性という問題はあるようには思う。「差別」という用語を「不当・無根拠にある属性を以て排除・抑圧するという意味に用いる場合、排除はあるかもしれないが実際に淘汰を始めたら抑圧だが淘汰を始めない場合抑圧にはならない可能性。

2015-07-05 10:50:53
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ただし個々人は十分にその言動だけで委縮することはあるわけで、集団そのものを抑圧できなくても個々人への作用は発揮し得る。そういう状態を仮定する場合、その局面での権力勾配はどう作用するか。委縮した個人は本来強者と規定される男性という集団でありながら、抑圧される個人として弱者になる。

2015-07-05 10:52:31
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

権力勾配の逆転というのが集団全体ではなく局所的転位を惹起し、反転した関係性を主体となった場合、その主体が提起する「男性差別」との問題提起は果たして「集団としての権力勾配の問題から規定し得る差別」の文脈に収まり得るのか。このあたりは「オタク差別」という用語にも援用できると思う。

2015-07-05 10:55:03
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「弱者特権」みたいな転倒した用語が出てくるのは、このあたりの権力転倒状態において個々人に生起し得るそれを、非常に筋を悪くして再度全体に反転させて展開する場合に出てくる用語のはずなので、それは本来ある属性内の個々人の主体・主観問題に陥ったはずのそれを集団へ再拡大するから生まれる。

2015-07-05 10:57:28
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

勿論「弱者特権」なる用語を自分は支持するわけではないのだが、そういった理路を経た理屈でない限り、「在日特権」みたいなことを真顔で言い出すことの(善悪は別として)整合性が無いわけで、実際のところ「男性差別」という用語はこの類の危うさは十分に内包した用語だとは思う。

2015-07-05 10:59:01
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「差別」という用語が、社会問題或は社会学的に集団を扱う用語であると同時に、その告発者がしばしば主体・個人に委ねられる問題でもあり、主観と客観の問題は避けて通れない。強者・権力集団内において別の差別を内包し、弱者集団内でも同様のことが起きるわけで、これは政治力学の問題でもある。

2015-07-05 11:02:12
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

筋が良い話ではないのは充分承知しているしそういうものが必要かどうかは別として「告発の資格」論のようなものがしばしば持ち出されるのは、それが一定程度個々人と集団の緊張関係において「どちらの立場としての告発も有り得る」からで、逆に「資格無し」とする無効化も同様に生じる。

2015-07-05 11:03:47
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

告発する側の内部でさえそういった作用は容易に生じるし、告発「される」側にも同様のことが生じるわけで、それが揶揄皮肉充分な「名誉白人」だとか「名誉日本人」みたいな用語にも接続されるはず。或はこの場合は「名誉男性」でも良いのだけど。だから単純な集団全体での権力勾配だけの話でもない。

2015-07-05 11:05:48
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

差別の問題においてしばしば「構造的差別」という用語が用いられるわけだが、そもそもこの用語もある種の規範性と権力勾配を前提とするはずで、ひとつのそれを適用した場合、別の側面で生じる別の差別というのはある一つの差別問題で捉えた構造と、寸分ズレなく合致するわけではない。

2015-07-05 11:07:37
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ある一つの差別問題の告発側だからといって、別の差別においては被告発側になることは当たり前にあることだし、当然一つの差別類型の問題の告発が正当性を以て扱われるからといって別の差別問題でも同一主体が同様であるとは限らない。この点を間違えるととんでもないことになる。

2015-07-05 11:09:35
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

とはいえ、「差別」という問題が至って「主体・主観の問題に過ぎない」と片付けるのはさらに根本を間違えることになるし、同時に「主体・主観から全く切り離されて規定できる問題」に完全に規定できるか、というと必ずしもそうでないケースはあると思う。

2015-07-05 11:13:43